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株を始めた大学時代。はあちゅうが語る「お金のすべて」【前編】

【特集】もう大人だし、本気でお金の話をしよう

朝井麻由美

キャッシュレス、資産運用、投資……。一見とっつきにくいけど、大人になった今だからこそ知っておきたい「お金」の話。賢い貯め方・使い方・増やし方まで、芸能人・著名人のみなさんと一緒に本気で考える特集です。

取材・文:朝井麻由美、撮影:洞澤佐智子、編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

先日私、2000万を稼ぎました。残念ながらその単位は「円」じゃなくて、「ベル」なんですけどね。はい、ゲーム『あつまれ どうぶつの森』の話です。

『どうぶつの森』には、「カブ」というものがありまして、見た目は野菜のそれにしか見えない「カブ」を買い、毎日価格の上下に一喜一憂。この「カブ価」の変動はプレイヤーによって異なるのですが、今作ではオンラインで友人の島へ遊びに行ける機能があるため、わりと簡単に大儲けすることができちゃうんですよね。

「うちの島で今、カブ価が大高騰してるよ」との情報が入れば、カブをせっせとポケットに詰め、友人の島へ売りさばきに行くわけです。

現実世界もこれくらい簡単ならいいのに。

ゲーム内ではデイトレーダーよろしく大儲けしている私ですが、現実はそうもいかないことくらい知っています。逆に言うと、それくらいしか知りません。

リスクがありそう、の一点で一切触れてこなかった株や投資、お金周りのこと、そろそろちゃんと考えなきゃ……ですよねぇ。マイナビウーマン2020年6月~9月の特集「もう大人だし、本気でお金の話をしよう」で一緒に考えていきましょう!

今回は、株式投資やポイ活など、あらゆるお金の制度やサービスを利用されていると噂の、作家・ブロガーのはあちゅうさんにインタビューしました。

みんなの話について行きたくて株を始めた大学時代

さっそくですが、はあちゅうさんはお金周りについてどんな制度やサービスを使っていらっしゃいますか?
えっとですね(スマホを確認しながら)……、今使っているのは、ふるさと納税、ポイント還元のあるキャッシュレス、NISA、確定拠出年金、小規模企業共済、生命保険、倒産防止共済制度。お得なサービス系だと、格安SIM、マネーフォワード、楽天ポイント投資……とかですね。
めちゃくちゃいろいろやってる……!
税理士さんや周りの友人にアドバイスされたものを片っ端からやっているだけなんですけどね。言われるがままにがん保険とかに入っていて、私、たぶん多額の保険金がかかっているんですよ(笑)。
さらっとすごいこと言いますね。

でも、お金周りの代表格である株とか資産運用は、今はほとんどやっていないです。大学時代にちょっとだけやって、これは私には向いていないなって。
大学生で!? 早いですね。
えっ、早いのかな? そんなに早くなくないですか?
えっ。
当時、堀江貴文さんが有名になったくらいの時期で、「ライブドア株を買ってます」とかテレビで喋ってる小中学生もいましたし、私としてはむしろ出遅れてる感覚でした。
(何それ、聞いたことない……。どの世界線の話……?)

株のことばかり書かれていた先輩のmixi日記

あと、大学時代は周りに株好きな人が多かったんですよね。経済学部の先輩がmixiで自分が買った株のリストを公開していたり、友達が株式投資サークルに入っていたり。
mixi懐かしいな。
私が大学に入学した2004年は、mixiができた年で。普通の人がネットを使い始めた時期です。周りの友人が、株、株、と言っているから、私も流されるままに株の本を読んで口座を開きました。
すごい。私は大学生の頃、周りから株の「か」の字も聞きませんでしたよ……。流されるままにとはいえ、そういう環境が整っていたのはラッキーだったのかもしれないですね。
そっか。そう言われたらそうなのかもしれません。いわゆる“意識高い系大学生”の輪の中にいたので、みんなが喋る用語が分からなくて、「話題についていけるようにならなきゃ! 先輩がmixiに書いている内容を理解したい!」って焦っていました。
元手はどうしていましたか?
高校生の時にバイトで稼いだ分と、ずっと貯めていたお小遣いを合わせて数十万円を元手に始めました。

株主優待を楽しむ感覚で株をやっていた

でも、大学生にとって数十万円ってめちゃくちゃ大金じゃないですか? 損したらどうしよう……という不安はなかったですか?
不安はありましたね。でも、ある種の社会勉強だと思ってやっていたのと、どちらかというと、儲けを出そうとするよりも、株主優待を楽しむ感覚でやっていました。例えば、江崎グリコだったらお菓子を送ってくれるとか、レストランを持っている会社だとお食事券が届くとか。
なるほど。それならちょっと楽しそう。
あと、大きなお金は使わないとも決めていました。昔、父親が株で損していたため、そううまくはいかないものだと最初から思っていて。絶対に潰れないであろう会社の、あまり高くない株をチマチマと。
結果的に、儲けは出たのでしょうか?

それが、絶対に潰れないと思って株を買ったJALが2010年に上場廃止になって、10万円くらいが無に帰したんですよ! JALは誰でも知っているメジャーな会社なのに、と衝撃を受けました。経営状態は何も考えずにみんなが知っている大きな会社というだけで買っちゃったので……素人丸出しでしたね。

結局、こうやって損した時もあれば得した時もあって、トータルで見るとそこまで儲けは出なかったと思います。

それが現実か……。

はい。その時分かったのは、株ってとにかく突き詰めていくオタク気質のようなものが必要なんですよ。好きじゃないと、勝てないんじゃないですかね?

いろいろなグラフを見て、経営のことを理解して、きちんと予測を立てて。私はそもそも数字とかグラフとかが苦手だし、深く掘り下げるのが得意なタイプでもないので、向いてないと悟りました。

株とか投資とか、お金周りのインタビューって“成功例”について伺った記事の方が圧倒的に多いので、読むとその気になりがちなのですが、そういう現実的な話を聞くと冷静になれます。
これが現実ですよ。あと、2年くらい前の話なんですが、とある証券会社の人から営業を受けて、「そういうのやったことないし、これも勉強かな?」って思って、結構な大きいお金を預けてみたんですよ。そうしたら、結構ダメージを食らうレベルで、大損しました……。
えぇ~っ!!
でも、少なくとも証券会社の人は私よりもお金のプロであることは間違いなくて。専門家でもそうなっちゃう場合があるんだから、自分でやっていたらもっと大変なことになっていたと思うんですよ。とにかく私は、お金の運用には向いていないんだと分かりました。
なるほど……。そういう意味では、プロに任せて良かったのかもしれないですね。

後編はこちら。はあちゅうさんが現在ハマっている「ポイ活」についてお話を伺います!

※この記事は2020年06月19日に公開されたものです

朝井麻由美

ライター・編集者。著書に『「ぼっち」の歩き方』、『ひとりっ子の頭ん中』。
Twitter:@moyomoyomoyo

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