【20・30代】未婚女性と既婚女性の「恋愛観の違い」とは
未婚率の上昇、若者の恋愛離れ、男性の結婚意欲の低下……。婚活女子にとって耳をふさぎたくなるような情報が巷にはあふれています。そこで、独身研究家の荒川和久さんに、知らないと困る“結婚と恋愛の数字”について教えてもらうことにしました! つい現実から目をそむけたくなりますが、正しい情報、正しい数字を知って、婚活難を乗り越えましょう。
女性の平均初婚年齢は29.4歳(2018年人口動態調査)ですが、これを中央値にすると、実は28.6歳となります。つまり、初婚女性のうちの半分は28.6歳までに結婚しているということを意味します。
さらにいえば、20代までに結婚している女性全体を合算すると62%に達します。6割以上の女性が20代のうちに結婚しているということになります。
もちろん、1950年では96%が20代のうちに結婚していたわけで、当時と比べれば晩婚化ですが、令和の現代でも6割以上が20代のうちに結婚しているのです。
ちなみに、女性年齢層を拡大して、34歳までの初婚占有率は84%になります。逆にいえば、35歳以上で初婚している割合はたったの16%しかいないということです。
では、この初婚が最も多い20~30代において、結婚できた女性と未婚のままの女性とは、一体何が違うのでしょうか?
当然、全員が「結婚したい」女性というわけではないでしょう。「まだ結婚したくない」や「結婚するつもりがない」女性もいるとは思いますが、そうした人生価値観の違いも含めて、未婚と既婚の違いを見ると、意外なことが分かります。
僕の主宰するラボで、2018年に20~50代未既婚男女に対する大規模アンケート調査を実施しました。今回は、その中から、20~30代の未既婚女性だけを抽出して、その違いについて検討したいと思います。
掲載する差分は、各設問に対する「そう思う」と回答した割合の差分(未婚女性割合-既婚女性割合)で算出したものです。プラスは未婚女性の方が多い、マイナスは既婚女性の方が多いということになります。
未婚女性と既婚女性の「恋愛観」比較
まず、両者の恋愛観について比較してみましょう。
未婚女性に多い傾向のある「恋愛観」
既婚女性と比較して、未婚女性に多く見られた「恋愛観」は以下の通りです。
(1)恋愛が面倒
圧倒的に未婚女性が多かったのが、「恋愛は面倒である」で未婚女性の方が32%も高いというものです。
かつて皆婚時代を支えていた日本の伝統的なお見合いによる結婚率は、現代では5%を切っています。結婚する人の95%が恋愛結婚ですから、「恋愛は面倒だ」と考えてしまっては、結婚は当然ながら遠のいてしまうでしょう。
(2)結婚は愛より金
次に注目すべきは、「結婚生活は愛より金である」という率は未婚女性の方が23%も高いということです。
婚活の現場では、相変わらず相手の年収条件にこだわる婚活女子も多いのですが、こちらの記事「数字で見る。結婚相手に年収を求めるとなぜ婚活がうまくいかないのか」でもご紹介した通り、年収条件にこだわると5割の婚活女子はマッチングされないことになります。
(3)恋人は容姿重視
興味深いのは、「恋愛相手は容姿重視である」という項目です。これも未婚女性の方がプラス14%です。
相手の年収にもこだわるし、相手の容姿も重視する。これだけ欲張ってしまうと、そもそも対象となる未婚男性はほぼいなくなってしまうのではないでしょうか。
その他「デートのときは男性が払うべき」なども未婚女性の方が多くなっています。
既婚女性に多い傾向のある「恋愛観」
一方、既婚女性の方が高い項目は何でしょうか?
(1)恋愛に積極的
未婚女性と比較して「恋愛に関して積極的だ」「一目惚れしやすい方だ」など、恋愛意欲は明らかに未婚女性より高いようです。
特に「好きになったら自分からアプローチできる」が未婚女性と比べて8%も高く、恋愛に対する能動性が感じられます。
(2)男性のアプローチに応じる度量が広い
その反面、「相手から言い寄られたことをきっかけに好きになったことがある」も未婚と比べると10%も高く、能動的であるものの、受容性も高いことがわかります。
未婚女性と既婚女性の恋愛観の違いとは
つまり、20~30代で結婚している女性と未婚のままの女性との恋愛観は、大きくいえば、そもそも恋愛というものに対する向き合い方が大きく違うといえるでしょう。
既婚女性は、積極的に恋愛をしようとする傾向にあり、相手からのアプローチも拒否せず受け入れようとする人の割合が高いです。もちろん、それは相手男性の強引なアプローチを断れないという弱さと両刃の剣ではありますが、恋愛に結び付く可能性は高まることでしょう。
対して、未婚女性は、「年収」だ「容姿」だ「デートのときはおごれ」だというように、相手云々以前に、自分の理想像を勝手に描いて、それ以外は対象外としてしまう傾向があります。最初から、対象者をセグメントしてしまっては、「相手がいない」となってしまうのも必然です。
マーケティング的に例えてみると、既婚女性は来店してくれる顧客を見て商売しているのに対し、未婚女性は、自分が描いた企画書上のイメージターゲット像にとらわれ、せっかく来店している本来の顧客を見逃しているともいえるのではないでしょうか。