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「親子婚活」が向いている人・向いていない人の特徴 #生きていけ、私

仁科友里

女性がタフに明るく生き抜いていくために、世の中の出来事をどう見たらいいのか。ライターの仁科友里さんが贈るコラム連載「生きていけ、私」。

みなさん、お盆はいかがお過ごしだったでしょうか。もしかしたら、お母さんに「いい人はいないのか」「早く結婚しろ」とにじり寄られて、険悪な雰囲気になったという人もいるかもしれません。

母親が娘の結婚にやきもきして、お正月やお盆に喧嘩をするというのは、年ごろの娘のいる家庭ではよくある風景です。親御さんは「いいオトコをつかまえて、一刻も早く私たちに紹介しろ」と言っているわけですが、これは娘に「自分で相手を探せ」と言っているのと同義です。

しかし、これからの時代というのは、親御さんも協力しないと結婚できないのではないかと思うのです。というのは、現代は結婚しにくい要素が多すぎるから。

今の時代、親が協力しないと結婚できない理由

まず、若い世代には経済的な余裕がありません。

厚生労働省が発表した2018年版の「国民生活基礎調査の概況」の「世帯単位での平均所得金額」を見てみると、1994年の全世帯の平均所得は664.2万円ですが、2017年には551.6万円に下がっています。結婚生活にはお金が必要ですから、特に男性は経済状況が不透明なのに結婚しようという気持ちにはならないでしょう。

となると、男性もしっかりと仕事をする女性と結婚したいと思うようになっています。しかし、仕事をしていれば、疲れがたまって、週末くらいは休みたいと思うもの。仕事と婚活の両立がうまくできなくても致し方ありません。

次に、男女ともに恋愛未経験な人が増えていること。

明治安田生活福祉研究所の2016年の調査によると、20代未婚男性の53.3%、20代未婚女性の34.0%が「交際経験がない」という結果が出ています。恋愛経験がないことが、婚活のディスアドバンテージになるとは限りませんが、コミュニケーションを取りながら、2人の距離を詰めることが苦手な人が増えているということはいえるでしょう。恋愛未経験の状態で、好きな男性を選べと言われても、何を基準に選べばいいかわからないという女性も多いと思います。

彼氏がいたとしても、お母さんに会わせたら、交際こそ反対しないものの「こういうところがダメ(勤務先やルックスなど)」とダメ出しされて、どうしたらいいのかわからなくなってしまうという相談もよく受けます。

もし、あなたが、

・恋愛経験がない
・婚活を一緒にできるような女友だちがいない
・今の自分があるのは、お母さんの指導法が正しかったからだと思う
・困ったことがあるとまわりにいる人に相談しまくるが、どのアドバイスを採用したらいいかわからなくて、何もできなくなってしまう
・実家が資産家である

上記のいずれかに該当するようであれば、お母さんと婚活する「親子婚活」をしてみたらどうでしょうか?

母親の協力を仰ぐ「親子婚活」のススメ

親御さんと一緒に婚活というと、「親による代理婚活」を思い浮かべる方もいるかもしれません。ときどき、ワイドショーなどでも扱っていますが、「親による代理婚活」とは、親が子どものプロフィールを持ち寄って、子どもを売り込み、双方の親が同意したら、本人同士がデートをするという仕組みになっているそうです。

しかし、成婚率は高いとはいえないそうです。なぜかというと、親は「自分にとっていい相手」を選んでしまうから。息子持ちの親御さんに人気なのが女性看護師、娘持ちの親御さんは、転勤のない人をよしとする傾向があるそうです。女性看護師なら、自分の介護をしてもらえる、転勤のない男性なら、娘を手元に置いておけるという親の下心がまる見えですね。

私が提案する「親子婚活」は、「代理婚活」とはちがって、「娘と親、双方にとって好ましい相手を親が集めて、娘が選ぶ」ことです。親としてどんな人と結婚してほしいのか、娘はどう思うのか、最初から意見をすり合わせ、お母さんにも婚活を助けてもらうのです。

交友範囲の広いお母さんなら、そのネットワークを活かして独身男性を探してもらいましょう。もし、そうでないのなら、ターゲット男性が所属していそうな結婚相談所を調べてもらい、入会金を負担してもらうなど“下準備”をお母さんにお願いするのです。

親御さんが介入するなんて気持ち悪いと思う人もいるかもしれませんが、親がおぜん立てして男女を会わせるという意味では、お見合いとまったく変わりません。

「親子婚活」をしてはいけない人の特徴

反対に、親御さんの性質によっては、親子婚活をしてはいけない人もいます。

・「恋人と結婚の話が出ないのは、遊ばれている証拠だ」というように、根拠もないのに決めつける
・「そんな生活態度だから、結婚できない」というように、結論がいつも極端
・日ごろからブランド志向で、近所の人の悪口が好きなど、常に自分を他人と比較している

このいずれかに該当する親御さんがいる場合は、親子婚活に不向きです。親御さんに婚活の話は絶対にしてはいけません。

こういうタイプのお母さんは「娘が結婚しないと、母親の教育が悪いと言われる気がする」ことを気にしており、自分のことばかり考えています。必ずしも娘の幸せを願っているわけではないので、相談にもっとも適さない相手なのです。

この場合、彼氏の有無も教えず、「決まったら、報告します」で通してください(彼氏のプロフィールを教えると、職場に突撃してしまうお母さんもいますから、気をつけてください)。

もしかしたら、親御さんと2人で婚活する人がうらやましく感じるかもしれませんが、そう思う必要はまったくありません。

結婚というのは、生まれ育った家庭を離れて、自分の意志で家族を作ること。お母さんに対する違和感や、生まれ育った家庭の居心地の悪さは、新しい家庭を作るためのモチベーションにつながりますし、健全な独立心を持っている証です。

ひとりで婚活してお母さんにノーコメントを貫いたほうがいい人もいれば、お母さんと婚活したほうがいい人もいる。方法はちがいますが、婚活の目的はみなさんが納得いく結婚相手を見つけること。自分がどちらのタイプなのか、時間があるときに考えてみてください。

(仁科友里)

※画像はイメージです

※この記事は2019年08月29日に公開されたものです

仁科友里 (コラムニスト)

1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。OL生活を綴ったブログが注目を集め、2006年に『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。『サイゾーウーマン』『週刊女性』『週刊ポスト』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む女性たちの相談にも答えている。
Twitterアカウント @_nishinayuri

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