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20代前半からの「早期婚活」が流行中。アラサー女性はどう戦う? #生きていけ、私

仁科友里

女性がタフに明るく生き抜いていくために、世の中の出来事をどう見たらいいのか。ライターの仁科友里さんが贈るコラム連載「生きていけ、私」。

こんにちは、ライターの仁科友里です。

婚活は大変だという情報が出回っているせいでしょうか、最近は女子大生を含めた若い女性が早々に婚活戦線に参入しているようです。

実際に、大学院進学を控えていたり、音大や美大など芸術系大学に在籍していたりする大学3~4年生の女子から「婚活をしたい」という相談メールが私のもとに届くことがあります。

彼女たちが本業だけで食べていくのは難しい。バイトをすると、勉強や芸術活動をする時間が少なくなってしまう。それなら、若いうちに婚活をして、夫という名のパトロンを見つければいいと思うようです。

気持ちはわからないでもないですが、正直なところ、現代では若すぎる婚活はかえって難航するのではないかと思うのです。

「恋愛」と「結婚」という競技のちがい

恋愛と結婚は似て非なる競技ですから、まず頭を切り替える必要があります。

恋愛と結婚の大きなちがいとは、

(1)結婚は恋愛とちがってお金が絡む(2人で助けあって生活をする、お互いの家の財産を相続する)

(2)結婚したら、配偶者以外とセックスをしてはいけない(配偶者がそのルールを犯した場合、配偶者の不倫相手に慰謝料を請求できる。自分がルールを犯した場合、配偶者から自分の不倫相手に慰謝料を請求される)

の2点です。

ということは、このお金と性的魅力が結婚の“構成要素”といえるわけです。

日本にお金がありあまっていたバブルの時代は、給料は右肩上がり、終身雇用が約束されていましたから、お金を稼ぐ能力は男性に任せて、女性は性的魅力が高い、つまり若いうちに結婚すればよかったのです。

しかし今は経済状況が不透明な時代ですから、女性にも仕事をしてもらわないと、現在の日本で生活していくことは厳しいでしょう。

それなら、お金持ちの男性を見つけて専業主婦になればいいと思う人もいるでしょうが、そういう条件のいい男性は出会いも多いはずです。

男性側の視点に立って、考えてみましょう。「大学を卒業して、仕事をしていない23歳」と「大学を卒業して、企業で働く23歳」、どちらを選んだら、自分の人生にメリットがあるでしょうか?

後者の女性を選べば、家庭の総収入は増えますから、男性はこちらの女性を歓迎するでしょう。かつて、女性は「結婚か仕事か」の二者択一を迫られた時代がありましたが、現代は「結婚したいなら、仕事はマスト」な時代なのです。だからこそ、今は女性にもある程度の経済力が求められます。

もちろん、男性の中にはとにかく若い女性がいいという、若さ至上主義な人もいますから、早期婚活自体を否定する気はありませんが、その際は結婚相談所に登録するなどして、身元のしっかりした人と出会う必要があります。

婚活をはじめるのに適した年齢は?

若すぎる婚活のもうひとつの盲点は、「実務能力の欠如」だと思います。

恋愛の先に結婚があると、多くの独身女性は信じているでしょうが、実は「結婚は仕事と同じ」です。

結婚は会社を作ることと一緒です。会社もしくは家庭にお金を入れなければ、立ち行かなくなってしまいます。社員もしくは夫婦は利益を出すために、コミュニケーションをとりながら、力を合わせなくてはなりません。

それでは、どういう人となら協力しあえるかというと、「自分と同じ経験をしている」「同じくらいの能力を持っている」人であること、もしくは「自分の苦手な分野で卓越した能力を持っている」人ではないでしょうか。

「同じ経験」をすることから思いやりが生まれますし、「同じくらいの能力」もしくは「自分の苦手な分野で卓越した能力を持っている」人になら、仕事をまかせやすい。これらはいずれも社会人としての「実務経験」から生まれるものです。

以上の理由から、私は婚活をはじめるのは25歳くらいがいいなと思っています。

特に婚活をしなくても、学生時代からの彼氏と結婚する可能性もあります。もし彼氏がいなくても、この年齢からのスタートであれば、社会人として実務経験をある程度積んだことになりますし、性的メリットも高い年齢ですから、有利に婚活を進めることができるでしょう。

「早期婚活の流行」はアラサー女性にとって不利なのか

婚活戦線に若い女性が押し寄せると、アラサー女性は脅威を感じるかもしれません。けれど、自分の交際相手に若い女性が横恋慕してきたというのなら別ですが、婚活に「女性のライバル」は存在しないと私は思っています。

なぜなら、婚活は徒競走のように速さを競うものではありません。品評会のように「ここがダメだ」と欠点をあげつらわれてランクづけされたり、オーディションのようにひとりのグランプリ(勝者)を決めたりするための選抜でもありません。

人間ですから、欠点があるのは当たり前。婚活のポイントは、欠点があってもいいので、「自分と結婚するメリットをアピールできるかどうか」に尽きます。

この人といたら、メリットがある。
この人と結婚したら、人生は安泰な気がする。

男性にこう思わせたら“勝ち”ですから、アラサーのみなさんが若い女性におびえる必要はありません。みなさんがすべきことは、男性目線をマスターして、自身のメリットを強化することだけです。

婚活に敵がいるとしたら、それはあなたのごく身近にいる人です。具体的にいうと、婚活に関して文句しか言わない母親や、一緒にいると結果的に自分が引き立て役にまわされてしまう女友だちです。

彼女たちに悪気がないとしても、こういった人たちに自分の情報を与えたり、行動をともにしたりしていると、いつまでたっても婚活は進展しませんから、気をつけてください。詳細についてご興味ある方は、拙著『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)をご参照ください。

SNSの普及で、みなさんは学生時代の友だちや芸能人など、同性の日常を簡単にチェックできるようになりました。そこから派生して、バラエティ番組では「SNS上でイラッとするオンナ」がよくとりあげられています。その結果、若い女性の間で「同性に悪く思われたくない」と過剰にけん制しあっているのではないかと思うことがあります。

ですが、婚活や結婚生活は男性とするものですから、女性は関係ありません。たとえ、100人の女性に悪口を言われようが、たったひとりの男性に「この人と生きていきたい」「この人と結婚してよかった」と思わせてしまえば勝ち。婚活や結婚生活は非常にシンプルなゲームともいえるでしょう。

しっかりとターゲット(男性)を観察し、「私と結婚したら、こんないいことがあるよ、人生楽しいよ」とアピールできる。みなさんには、そんな強い女性になってほしいと思います。

(仁科友里)

※画像はイメージです

※この記事は2019年07月27日に公開されたものです

仁科友里 (コラムニスト)

1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。OL生活を綴ったブログが注目を集め、2006年に『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。『サイゾーウーマン』『週刊女性』『週刊ポスト』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む女性たちの相談にも答えている。
Twitterアカウント @_nishinayuri

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