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人づきあいが疲れる……。敏感で繊細な人が自然体でいるために

平松隆円(化粧心理学者)

大人数の飲み会や初対面の人が集まる場所がどうにも苦手。他人の気持ちを察しすぎて気疲れする。友人と会うのは楽しいけれど、ひとりになるとホッとする。人嫌いとまではいかなくても、人づきあいに苦手意識を持つ人は少なくありません。いわゆる内向的な人は、どうすればラクになるのでしょうか。人づきあいがちょっと苦手な人が、自然体でいられるための方法を、心理学者の平松隆円さんと考えていきましょう。

1対1なら平気なのに大人数がどうにも苦手とか、人づきあいで気をつかいすぎたり、無理にがんばったりして疲れてしまう。

そんな、けっしてコミュニケーションが苦手というわけではないけれど、人づきあいで疲れるという人、けっこういると思います。そんな人は、どうして人づきあいで疲れてしまうのでしょうか。

“人嫌い”ではないけれど、人づきあいが疲れる……

人づきあい 疲れる

コミュニケーションが苦手というわけでもなく、人が嫌いというわけでもない。だけど、人づきあいで疲れる。それは、どうしてなのでしょうか。

理由(原因)は、いろいろ考えられるのですが、今回はあるひとつのことに注目して、話を進めたいと思います。それは、“感覚処理感受性”です。

生まれつき約15%の人は“感覚処理感受性”が高い

“感覚処理感受性(Sensory-Processing Sensitivity)”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の研究者であるエレイン・アーロン(Elaine Aron)とアーサー・アーロン(Arthur Aron)によって提唱されました(※)

ふたりはこの感覚処理感受性を、生まれながらの特徴として、視覚(目)や聴覚(耳)といった感覚器自体ではなく、“感覚情報の脳内処理過程における基本的な個人差”と定義しました。
(※)「Sensory-Processing Sensitivity and Its Relation to Introversion and Emotionality」『Journal of Personality and Social Psychology』1997

ちょっとむずかしいので、かみくだいて説明しますね。

人づきあい 疲れる

ある人にとって心地がいい刺激も、別の人にとっては少なすぎたり(=刺激が弱い)、多すぎたりする(=刺激が強い)ことがありますよね。たとえば、街に出かけても、同じ環境にいるにもかかわらず、静かだと感じる人もいれば、にぎやかだと感じる人もいます。

この個人差が、感覚処理感受性によって生じているというんです。

音だけではなく、光、感触など、さまざまな刺激にあてはまります。これは“生まれながらの特徴”で、だいたい15%くらいの人が、この感覚処理感受性が高いといわれています

“感覚処理感受性”が高いのはどんな人?

人づきあい 疲れる

これまでの研究で、この生まれつき“感覚処理感受性の高い人”には、いくつかの特徴があるとされています。

たとえば、「ゆううつである」「落ち込んでいる」といった気分になりやすく抑うつ傾向がある、不安感が高い傾向がある、人間関係に不安を感じやすく消極的になりやすい、ストレスを感じやすい、他人の感情に気づきやすく、傷つきやすい、などです。

“感覚処理感受性”が高い可能性があるのは……

あくまで参考なのですが、次の質問であてはまる数が多ければ多いほど、感覚処理感受性が高い可能性があります。

(1)生活に変化があると混乱する。
(2)一度にたくさんのことが起こると不快な気分になる。
(3)短時間でしないといけないことがたくさんあると、オロオロする。
(4)大きな音で不快になる。
(5)明るい光や強いにおいが気になる。
(6)他人の気分に左右されやすい。

どうでしょうか。これらはあくまで参考です。すべてにあてはまったからといって、必ずしも感覚処理感受性が高いとは言い切れないので、安心してくださいね。

参考記事はこちら▼

あなたの「繊細度」を診断でチェックしてみましょう。

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