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それでも「不倫したい」? 本当にあった不倫のコワイ話

内藤みか(作家・イケメン評論家)

不倫というと「既婚男性×未婚女性」をイメージしがちですが、ダブル不倫や既婚女性×未婚男性など、実際には、さまざまな組み合わせがあります。芸能人の不倫ネタでも、女性が既婚パターンも増えていますし、不倫に男女の差はさほどないのかもしれません。夫との生活がもの足りない、ときめきが欲しい……始まりはこんなありがちな、ささいな不満からだったりします。未来の不倫を未然にふせぐ策を、恋愛作家の内藤みかさんと考えていきましょう。

今は幸せ。だけどなにかものたりない。そんなときに忍び寄るのが“不倫の誘惑”です。
既婚者の上司と飲みに行ったらいい雰囲気になった、人妻だけど美容院の美容師さんと個人的に親しくなってしまいそう、など日常的な行動の中にも誘惑はひそんでいます。

ささいなことから大きく道を踏み外してしまわないために、不倫をしたらどんなことが待ち受けているのかを解説します。

不倫したら「慰謝料請求」が来る場合も

不倫したい
まず、A子さん(30歳)の話をします。

彼女は会社の上司に誘われて飲みに行ったら、そのままいい雰囲気になってしまい、彼が既婚者であるのを知っていながら、男女の仲になってしまいました。

お酒が入っていたからといえ、こんなことはいけない、と思ったのですが、彼に「妻とは離婚を考えている。もう長いこと肉体関係もない」などと打ち明けられ、もともと彼に淡い恋愛感情を抱いていたこともあり、関係を続けてしまいました。

そんなある日、彼女のもとに突然届けられたのは、弁護士からの書類でした。不倫に対する慰謝料を求めるもので、金額はなんと300万円と書かれています。彼の妻が激怒し、彼女に請求してきたのでした。

わけがわからないまま彼に状況をたずねると「ごめん。バレた」とくり返すばかり。しかも「バレたからもう会えない」と言うのです。問題は裁判にまで発展し、しかたなく彼女は法廷に出向き、周囲の人の白い目を浴びながら、弁明や謝罪をしたのですが、結局、慰謝料を支払うことになってしまったのです。

不倫は“不法行為”

不倫したい
いきなりお金という現実的な話をしてしまいましたが、これは実話です。まず、不倫という行為は法律上は認められていないものなのです。夫婦関係というのは、権利を保障されたもの。それを妨害するようなことをすると、慰謝料が発生するケースもあるのです。

A子さんは最初、かなり反発しました。「最初に誘ったのは彼のほうです」「彼は離婚を考えているといったからおつきあいしました」「奥さんとは家庭内別居だと言ってました」などと話をしたのですが、言い分はまったく認めてもらえないどころか「既婚者と知っているのに関係を持った」と印象が悪くなってしまったのです。

不仲=即離婚というわけではない

不倫したい
多くの女性は、相手の男性の「妻とうまくいっていなくて離婚を考えている」という言葉を、拡大解釈してしまいます。

まず、女性をおとしたいがための嘘かもしれないのに、なんの証拠もなくそれを信じてしまってはいけません。けれど、かなり多くの不倫関係は、このひとことで深みにはまってしまうのです。妻と不仲だということで同情して関係を持ったのに、いつまでたっても彼は離婚しない。これが“不倫あるある”です。

実際に離婚をするためには財産分与などのもろもろの取り決めや、戸籍を変える手続きなど、かなりの手間が必要となります。子どもがいればこれに養育費や面会交流の頻度などの話し合いが加わります。

すぐに合意できればいいですが、なかにはこじれて調停や裁判に発展し、解決までに1年以上かかることも。よほどのことがない限り、このような煩雑な作業をしようとは思わないでしょう。

彼は“あなたと再婚する”わけではない

不倫したい

また、多くの女性がかん違いしてしまいがちなのが、彼の離婚後の再出発。彼は「妻とうまくいってなくて離婚を考えている」と言っているのであって、「妻と離婚したら僕と結婚してください」と言っているのではないのです。それなのに女性たちは「彼は離婚したら私と再婚する」となぜか思い込んでしまいがち。まったくその保証はない、ということは肝に銘じておいたほうがいいでしょう。

結局のところ、一度不倫関係になったとしたら、多くの男性が「離婚は面倒だし、この関係のままでいいじゃないか」と考えるようになってしまうのです。そうなったら女性ばかりが苦しむ結末が待っています。「彼は奥さんと別れると言ったのに、いつになったら別れてくれるの?」と悶々としながら数年も待たされ、それでも結局離婚してもらえなかったら、絶望的な気持ちになりかねません。待たされる数年間がとてももったいないし、不倫はお勧めできません。

既婚者女性と未婚男性の不倫例も

不倫したい

最近増えているのはこの逆、“既婚の女性と未婚の男性”との不倫のケースも目立ちます。インターネットの浸透で、これまで出会うことのなかった、年齢差のあるつながりが生まれているのです。オンラインゲームで知り合い、メールを交わしていくうちに親しくなったり、マッチングアプリで知り合ったりと、不倫の誘惑はこうしたところにもひそんでいます。

B子さん(40歳)は、オンラインゲームで一緒に戦った男性とゲーム情報をメッセージでやりとりするうちに親しくなり、男性のほうから「好きだ」「会いたい」などと熱心に誘われるようになりました。相手の年齢を聞いてみるとまだ20代の学生。しかもB子さんは東京で向こうは関西と遠距離です。「私は40代の既婚者だから」と断ったのですが、あまりに熱心なので、近くに来た際に一度だけお茶をすることになったのです。

今の生活を失う恐怖が待っている

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実際会うと好青年で、すっかりB子さんも気を許し、おつきあいが始まります。

けれど、年下の男性に毎日のように「好きだ」などと言われる暮らしにニヤけていたのは最初のうちだけで、次第に「ダンナと別れてほしい」などと彼が迫ってくるようになります。怖くなって距離を置こうと考えていた矢先に、今度は彼とのLINEを夫に知られてしまうという大事件が起きてしまいました。

長年信じていた妻の裏切りを知った夫は激怒します。B子さんがいくら謝っても、許してはもらえず、ついに夫は彼を訴えるなどと言い出しました。そしてB子さん自身も離婚を切り出されてしまったのです。何年も平凡ながら幸せに続いていた家庭は、軽い気持ちから始まった不倫によって、あっというまに粉々にくだけ散ってしまいましたが、 後悔してももう、取り返しがつかないのです。

既婚者なのにときめきが欲しくなったら

不倫したい

不倫の第一歩は、ささいなことから始まります。「ちょっとお茶するだけなら」「一度お食事におつきあいするだけなら」などと自分に言い聞かせたくなったときは、その事実を知ったときに、彼の妻、またはあなたの夫がどう思うかを想像してみましょう。

誰かを悲しませるようなことをしたことが知れたときの代償はかなり大きくなります。せっかく恋をするのなら、堂々と一緒に街を歩けるような、そんな相手を探しましょう。

また、既婚女性で「夫にもうときめかない」「恋のときめきがほしい」などという理由で不倫にあこがれる人がいますが、“ときめき”のために不倫をするのはとてもリスキーです。ときめきだったら、タレントやアニメキャラクターが相手であっても生まれますし、なにも生身を求めなくても発散することはできます。

そして、何より大切なのは、目の前のパートナーを大切にすること、昔を思い出して、再びときめくことができるような工夫をしてみることなのではないでしょうか。

(内藤みか)
※画像はイメージです。

※この記事は2019年07月01日に公開されたものです

内藤みか(作家・イケメン評論家)

作家。慶應義塾文学部卒(通信課程)。著書80冊以上。大学時代に官能小説でデビューし、ケータイ小説で話題に。その後電子媒体を中心に活動。原作&脚本の舞台「男おいらん」が再演を繰り返し、脚本参加のラジオドラマ「婚活バスは、ふるさとへ」(YBS)が文化庁芸術祭優秀賞など脚本でも活動。複業のイケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。著書に「イケメンと恋ができる38のルール」(ベストセラーズ)「美男子のお値段」(角川学芸出版)「男はときどき買えばいい」(マガジンハウス)「いじわるペニス」(新潮社)など。

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