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イラストで解説「結納の服装」マナー

西出ひろ子(マナーコンサルタント)

正式? 略式? 結納をする際の女性の服装について

正式であれ略式であれ、どちらも結納は結婚に向かうための大切な儀式。

恥をかかないためにも、儀式を台なしにしないためにも、マナーにのっとった服装で臨みましょう。

正式と略式、それぞれにおいて、当日の服装はどのようなスタイルをすればよいかを解説します。

正式結納

正式結納は、その名のとおり、「正式」な結納の儀式です。略式結納と比べて、より厳粛に格式高くおこなわれるため、その服装は、礼装のなかでも格式の高い第一礼装で臨むと問題ありません。

和装の場合は振袖

正式結納の服装マナー

日本の未婚女性の正礼装は振袖の着物です。

振袖には袖の長さにより、大振袖、中振袖、小振袖があります。中振袖か小振袖が好ましいでしょう。中振袖は袖丈90cm程度が目安です。

半襟、帯揚げ、帯締めなどの小物はボリュームを持たせて豪華に着つけます。

フォーマルな慶事の場では、桜や鶴、松竹梅などをあしらった古典柄がオススメです。

成人式などで人気のチュールレースのアレンジや、花魁風の着つけ、モダンな柄はフォーマルシーンでは避けたほうが無難です。

和装の際は慣れないこともあり、その着こなしと立ち居振る舞いは洋装のとき以上に注意しましょう。

足を広げたり、背中を丸めたりせず、歩く際も内またに。手で見えていいのは、手首までといわれていますので、手を上げるときなどは、片方の手で袖口を軽く摘まむなどの注意が必要です。

正式結納を洋装で臨む人は少ない

一般的に結納は午前中からおこなわれます。

そのため洋装の場合、昼の正礼装のマナーにのっとり、アフタヌーンドレスを着用します。

昼の正礼装は露出を控えるのが基本です。袖丈は長袖(七分袖以上)で、襟元の開いていないドレスを着用します。襟元が大きく開いているデザイン、ノースリーブはNGです。

着丈はくるぶし丈以上で、素材は無地の淡い色で光沢のないもの、透け感のないものを着用します。

皇族の女性の方々がパーティ等でされている格好をイメージされるとよいでしょう。

一般的には、正式結納は和装で臨まれる方が多いです。

略式結納

略式結納の場合は、礼装のなかの略礼装でも構いません。

黒はNG? 洋装の場合

略式結納の服装マナー(洋装編)

略式結納では、準礼装か略礼装を着用します。略式だからといって、なんでもありというわけにはいかないのがマナーです。

具体的には露出を避けたデザインで、少しフォーマル感のあるワンピースやツーピース、スカートスーツなどを選びましょう。

色はおめでたい儀式ですから、明るさと清楚さを感じさせるベージュ系や、淡いピンク系やブルー系などが望ましいです。ネイビーに白い襟などの組み合わせもシンプルななかにきちんと感と高級感を出せますね。弔事を連想させる黒はNGと心得ましょう。

着丈は正座をしたり、着席をすることを考え、ひざ下丈のものを選びましょう。

昼間なので、光るアクセサリーは避け、パールなど落ち着いた素材のものをつけます。

仲人のいる略式結納の場合は、セミアフタヌーンドレスの準礼装を着用すると厳粛な雰囲気になります。

基本的には正礼装と同じですが、準礼装の着丈はふくらはぎ程度となります。ワンピースドレスやスーツでも構いません。

振袖もOK? 和装の場合

略式結納の服装マナー(和装編)

振袖は、日本の未婚女性の正礼装です。したがって、略式結納の和装では、準礼装である訪問着や色無地を着ればまちがいありません。

訪問着は留袖に次いで格式が高いとされ、格調の高い袋帯を用いて着つけます。未婚既婚を問わず、披露宴やお見合い、茶席などさまざまなシーンでの社交着です。

絵羽模様や吉祥文様などの古典柄が多く、パステル系から落ち着いた色調まで、個性に合わせて着こなすことができます。

結納では、派手すぎず、地味すぎない色柄を選べば問題ないでしょう。

色無地は、黒以外の一色の着物で、訪問着同様に格式の高い着物です。ひと口に色無地といっても、地模様や光沢の有無により、パーティ、入卒式、茶席、法事など幅広いシーンで着用可能です。用途やパーソナルカラーを考慮することで、より素敵に、控え目にも華やかにも装うことができます。

訪問着同様、結納では派手すぎず、地味すぎない色を選べば問題ないでしょう。

略式結納でも振袖はNGではありません。結婚すると振袖を着用ができないことから、結納で振袖を着る人も多くなっています。

ここで注意すべき点は、略式結納で振袖を着る場合は、ひとりだけ正礼装になるため、周囲の方と服装の格が合わなくなることです。

そこで、仲人や男性側に事前に振袖を着ることを伝え、全体の服装の格がある程度統一されるように調整しましょう。

略式結納では、集合写真を撮ることも多いものです。

その際に、両家の服装の格を揃えること、また、和装か洋装かも揃えることができれば理想的です。

婚約指輪は身につけて出席していいの?

婚約指輪は一般的に、結納時に贈られるもので、結納後につけるといわれています。

しかし、近年では、結納前のプロポーズ時などに婚約指輪を贈られる場合もありますよね。

まず彼と相談をするのが大切です。

そして、両家の親と、いる場合には仲人にその旨を伝えましょう。

関係者が合意の上で、結納時の婚約記念品となる指輪の贈り物はなしと事前に調整するのです。そうすれば、婚約指輪をつけて結納に臨んでも問題ありません。

婚約指輪のお披露目の際に「婚約記念品としてプロポーズの際にいただきました」と報告をしましょう。

 

続いては、女性本人以外の人の服装マナーを解説します。

次ページ:母親、父親、仲人、兄弟姉妹の服装について

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