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「4万円のiPodを買ってあげたのに……」ダメ彼氏に振り回される女 #愛されたい女たちの座談会

マイナビウーマン編集部

ヨシムラヒロム

美人なのになぜかいつも幸せになれない「愛されたい女たち」の座談会。第1回は高年収男性ばかりを求める美月第2回は運命の恋を探し続けるゆめ子にスポットを当て、いよいよ最終回。だんだんと彼女たちが幸せになれない理由が見えてきました。マイナビウーマン編集部の「おかん」は、最後の砦・マイ(24歳)にどう斬り込むのか?

左から、ゆめ子(金融受付/28歳)、マイ(広告営業/24歳)、美月(メーカー事務/26歳)。最後は、センターを張るマイをピックアップ。

男性を選ぶ基準はとにかく「顔」!

おかん マイちゃんは彼氏が1年いない間になんかあったの?

マイ 狙っているイケメンがいたんですけど、告白したら「僕たちまだ知り合ったばかりだから、3年経たないとわからない」と言われて、断念しました。彼が次に付き合いたい人が「結婚を考えられる女性」らしくて。結婚するまで彼がジャッジにかける時間が3年間。

おかん え、どういうこと? 3年付き合って結婚ってことじゃなくて?

マイ 3年間お互いを知ったうえで、付き合いたいそうです。付き合ったらすぐ結婚したいから、付き合うまでのスパンを長くとりたいって。

おかん それ、シンプルにあんまり好きじゃないってことだよね。

マイ 多分そういうことだと思います(笑)。

美月 すごくやさしく断られてる!

小柄でかわいい、小動物系のマイ。ちょっと抜けている感じが、男性の庇護欲をくすぐりそうだが……。

マイ めっちゃ誠実な人だったんで。

おかん うそだー! 3年間何もしないのに付き合った瞬間に結婚するとか、ロジック崩壊してるから。

マイ 信じて1年間追いかけたのに、何もなかったんです。彼はそのあと、知り合って3年経ってる人と付き合いはじめました。もう結婚すんじゃないですか。

おかん かわいそうに。最近のマイちゃんはどういう人が好きなの?

マイ ダントツ「顔がいい人」ですね。顔の凹凸が激しければ激しいほどいいです。最近、凹凸激しめの人とキスする機会があって。鼻が高くて、「凹凸最高!!」って思いました。

おかん ちょっと待って、イケメンっていうか顔の凹凸が激しめならいいの? ローマ人に寄っていれば寄っているほどいいってこと?

マイ イケメンで、さらに平井堅であればあるほどいいみたいな感じ! あとは、色気というか余裕がある人がタイプで。その余裕から出るセクシーな雰囲気に興奮するんです。余裕のある31歳以上のおじさんが好き。

美月 31歳の男なんてまだオムツも取れてないじゃん。

おかん オジ専の美月なんて「還暦を超えてからが男」って言ってるもん。

美月 それは言ってない。

好きになったのは、複数のガールズを囲う「リアルバチェラー」

おかん マイちゃんは、いま好きな人はいるの?

マイ います! いま、狙っている人がいて。その人は“ガールズ”、つまりお手つきの女の子たちを複数人囲っているんです。もうリアルバチェラーみたいな世界で生きているの。私は「その中でどうやったら一番になれるかな?」ってすごく考えています。そういう人に魅力を感じちゃうんですよねー。ダメな男に惹かれちゃう。仕事がデキて、私生活がだらしない人が最高にセクシーに見えるんです。

おかん セクシーの履きちがいがすごいな。何人くらいガールズがいるの?

マイ 20人くらいいるんじゃないですかね……。

ゆめ子 その人、マイケル富岡?

マイ 自分でもダメだなって思います。その人を追っている時点でやばいって。でも有名大学出身で、テレビ局で働いているんです。基本、男女混合の飲み会でもみんなのお会計をポンッと払ってくれるの。1回5万円とかを、週2回くらい。

美月 ほう。それはなかなかいい男。どこで知り合ったのよ。

おかん あんた、お金の部分のみに反応したよね。

マイ 友だちの紹介で知り合いました。その飲み会に参加した女子3人中、現役の“ガールズ”が1人いたんです。でも、どうやら私がそのガールズに勝ったみたいで、その子は飲み会のあと彼からLINEで「もうお前はランク外だよ」って言われたって。脱落!

おかん そいつの顔が全盛期のときのレオナルド・ディカプリオだったとしても許せない。沈没しろ。

リアルバチェラーのガールズに昇格したというマイ。めちゃくちゃうれしそう。

マイ その人、31歳で実家暮らしなんですけど、その実家が超お金持ちで、渋谷にあるんです。

美月 あとでその人の連絡先教えて。ガールズに私も加入したい。

おかん そのランク外になっちゃった女の子はどうなったの?

マイ その子は彼に本気になっていたみたいで、「もう好きになっちゃったよ……」って言ったらしいんです。そうしたら彼から「結婚しようと思ってる彼女がいるから無理」って言われて、完全に脱落しました。

おかん 彼女いるんかい! でもマイちゃんはそのときに「よし、勝った」って思ったの?

マイ ちょっと思いました(笑)。彼女いるけど、なんとかしてそこを越えたい。その人、彼女のことも「泣きつかれたから付き合った」って言ってたし。

おかん 謎のポジティブが怖いよう……。マイちゃんは、そのバチェラー男とどれくらいの頻度で会うの?

マイ 先々週初めて会ったんですけど、そこからいままで4回会ってますね。最初に出会った飲み会で私が半分潰れ気味で、タクシーに乗ったときにその人も一緒に乗ってきたんです。私の家が寮なので、ア●的なシティホテルに行きました。

美月 あ、やっぱガールズ加入やめる。リッツって言われたら即加入だけど、シティホテルは無理。帝国ホテルとかニューオータニは、おじさんだったらいいけど、30歳くらいの男だったらリッツ、グランドハイアット、マンダリン、ペニンシュラあたりがベター。

おかん ホテルなんてどこでもいいよ。でもさ、そいつ彼女いるんでしょう。ア●不倫ならぬア●浮気じゃん。

マイ その人に本気になっても幸せになれなそうなことはわかっています。でも、本当に顔が好きなんです。顔も性格も悪い男とばっかり付き合ってきたんで、そろそろイケメンと付き合いたいと思いはじめたんですよ。そうしたら顔のことで頭がいっぱいになっちゃって、イケメンに会うと「ああああ~」って理性がなくなるんです! 私どうしたらいいですか!?

おかん うん、いったんちょっと落ち着こう?

望まれると断れない。いつもダメ彼氏の言いなりに

マイ たとえば、昔付き合っていた人に「脚を揉みにこい」って言われて、家まで行ったことがあるんですよ。

おかん てもみんのURL送って終了でいいよ。

マイ どうせならオイルをつけて揉んであげようと思って、揉みはじめたら「ヘタくそ!!」と怒鳴られて、泣きながら揉みました。

おかん 地元の両親も泣いてるぞ。

典型的な、ダメ男ばかりに引っかかってしまう系女子。

マイ 悔しくて耐えられなかった。「なんでこんなブサイクなやつの脚揉んでんだ!!」って。

全員 そこかよ!!!!!

おかん マイちゃんってさ、嫌なことされたりしたら嫌だって言えないの?

マイ そうなんです。望まれたことはなんでもやっちゃう。でも心の中で「なんでこんなことしてるんだろう?」って思うんですけど、相手に言われたらなんでもする。

おかん じゃあ、彼氏に一途ってこと?

マイ いや、浮気もそれなりにします。

全員 生き方が支離滅裂!!

マイ 付き合って1年を越えたら、すごく飽きてきちゃうんですよね。浮気したタイミングで自分から別れを切り出します。たいてい「わかった、じゃあね」で終わるんですけど、なかなかわかってくれない人にはストーカーとかされましたね。50通くらいのLINEが届いて、「マイちゃんと結婚したかった! 俺はいますぐ死にたい!」って。気持ち悪すぎて無視しました。

おかん ねえ、2分前のマイちゃんがどっか行った。はるかかなたに消えた。

ゆめ子 人格が崩壊してるね。

次から次へと出てくるダメ恋エピソードに、さすがの2人もドン引き。

マイ とにかく、いままで顔も性格も悪い男とばっかり付き合ってきたんです! がんばって脚も揉んだし、ストーカーにも耐えた! こんなにがんばってきたんだから、もうそろそろイケメンください! 私に、イケメンをください!!

おかん そんな「コロッケひとつ!」みたいに注文されても無理だよう……。

マイ いままでの努力がイケメンひとつですべて報われるんですよ!

美月 なによ! 自分だけがんばってきたみたいな悲劇のヒロインぶって。今まで男にされた一番ひどい話教えなさいよ。

マイ めっちゃケチな人と付き合ってたことがあるんですよ。1円単位までワリカンするくらいの。その人と大阪~福岡旅行に行ったんです。彼がずっと運転してくれていたんですけど、福岡でケンカしちゃって、帰り道でさすがに私から謝って「ずっと運転してもらったし、なんかお詫びさせて」って言ったら、「じゃあiPodを買ってほしい」と。「わかりました」って買いました。

おかん その流れもおかしいけど、iPodって高くない?

マイ 4万円でしたね。それを買った2週間後に振られました。

全員 なんで!!!!!!!!!!!!

マイ 「iPod買ってもらったらお前のこと好きになれるかなと思ったけど、好きになれなかったわー」って言われました。

衝撃のシーンをイラストで再現。

全員 ……(ひどすぎてもう何も言えねえ)。

おかんメモ

全3回にわたってお送りした「愛されたい女の座談会」も、今回のマイちゃんで最終回です。いかがだったでしょうか?

この連載をはじめたころ、編集部ではこの連載をすることで誰に何を届けたいのかわからないという疑問の声が出ました。でも、この女の子たちのような子って最近多いなぁと思うんです。全員、“恋をしていない”んです。愛されたいと叫んでいるけど、彼女たちの誰ひとりとして、相手の男性を“愛していない”のです。私たちはいつから純粋なときめきを忘れたのでしょうか。いつから相手の条件ばかりにときめくようになったのでしょうか。

運動会のリレーでアンカーを走る男の子の汗にキュンとしたり、日直のときにさりげなく荷物の重いほうを持ってくれてときめいたり。損得なく、一生懸命恋をしていたときは、もっと自由で幸せだったのに。

もちろんお金なんて持ってないし、いっつもテストで赤点とってたし、イケメンでもなかったけど、たまにみせるやさしさや、やんちゃな笑顔にどうしようもなく恋をしていた……。あの感覚をもう一度、思い出してみませんか。

もっと頭ではなく、心が動くほうへ目を向けてみたら、きっとそこに答えがあるんだと思います。お付き合いどうもありがとうございました。

(取材・文:おかん/マイナビウーマン編集部、撮影:前田立、イラスト:ヨシムラヒロム)

※この記事は2018年07月17日に公開されたものです

ヨシムラヒロム

1986年東京出身。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。イラストレーター、コラムニスト、中野区観光大使。五反田のコアワーキングスペースpaoで週1度開かれるイベント「微学校」の校長としても活動中。 現在、小学館@DIME『勝手に宣伝部長』、小学館週刊ポストセブン『ウェブテレビを見た感想』、PARTNER『コラムニストの憂鬱』を連載中。2017年3月に単著デビュー作『美大生図鑑』を上梓。
 
ヨシムラヒロム事務所:http://mcc-tokyo.com/

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