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もし菅田将暉と付き合ったら、菜々緒と二階堂ふみへの劣等感でサンドイッチな件 #恋するワイドショー

吉田潮

ときどき妄想する。私の恋人が菅田将暉だったなら。深夜のセンター街に突然呼び出されて、傲慢な弾き語りの遊びに一晩中付き合うのも悪くない。恋人が船越英一郎だったなら。私は彼とどんな全面戦争をするのだろう。“あの有名人と、もしも恋に落ちたなら”。きっと誰しもが考えたことのある、生産性ゼロでくだらない空想。今夜、ちょっとだけ語らせてください。

第1回「もし菅田将暉と付き合ったら」

関西人と付き合うのは初めてだけど、すだちんはいわゆる根っからの関西人とはちょっとちがう。なんていったらいいのかな、エゴじゃなくてエモがダダ漏れって感じ。感動の反射神経がよすぎて、時々ちょっと恥ずかしくなる。

たとえば、映画を観ていたら、すだちんひとりだけ号泣と嗚咽が止まらなくなってるとか。誰よりも真っ先に立ち上がって、泣きながらスタンディングオベーションしてるとか。周囲がやるから自分もやる、なんて感覚は1ミリもないのね。私はつい周囲の行動を確認してからおそるおそるマネするタイプなのに。彼はいつでも先頭をきってエモってる。わかりやすいっちゃわかりやすいし、そういうところが好き。

パパのクセがすごそうなすだちん

某日。

会ったことはないけれど、彼のお父さんについてはいろいろと思うところがある。あいさつしたらずーっとしゃべってそうな気もする。ニコニコしときゃいいのかな。でも、ただのバカ女とかプロ彼女みたいに扱われるのもイヤだな。

あれだけエキセントリックなお父さんだけど、すだちんはまったく気にしていないみたい。ちょっとは気にしたほうがいいんじゃない?

「オヤジはオヤジ、オレはオレ。関係あらへん。つか、そもそもオヤジのほうがずっと前から芸能人みたいなもんやから」

へええ……。関東育ちの私は知らない。お父さんが有名な人だったなんて。最初、ネットで見たときは桂文珍って落語家さんかと思った。え、ちょっと待って、じゃあ、すだちんも将来的には文珍系に移行するの? ひとまず考えるのはやめておこう。もう寝る。

ソウルメイト・二階堂ふみとの友情に嫉妬する夜

某日。

その素直さとわかりやすさが時折、私をズタボロに傷つける。だって彼、週刊誌に撮られたって浮気の言い訳さえしない。そこ、素直か。素直でいいのか。言いくるめようとか、うそをつくとか、中途半端なことは一切しない。しかも、お相手が菜々緒って。天然モノじゃ太刀打ちできない絶望感。私はすだちんを問い詰める。なぜ、いま、よりによって菜々緒なの?

「理想のフォルムでバーチャルリアリティ体験や」

って、まるでゲーセンで最新機種を試してきたような言い分。つうか、そこ、あっさり白状するんかい! しかも「551の豚まん、買うてきたで」くらいなノリで言うなんて。

これだけじゃない。「男女間の友情には否定派だ」って、ずっと言ってたじゃない。私もそれを信じてたよ。それなのにあの文春砲。二階堂ふみと深夜のセッションin三茶。しかも路上かよ。

「あいつは友だちっつうか、家族っつうか、同志? みたいなもんや」

え、それいちばん距離が近くて、ムカつくんですけど。身内どころかソウルメイトじゃん! そんなこと言われて嫉妬しない女がどこにいる? 正直、二階堂ふみが相手じゃ、しょうがねえなと思う部分もある。南の女の解放感と自由度っつうのは、御しがたい。ファッションも芝居も音楽も、すだちんと共通の感覚をもつ女。それが二階堂ふみ。古着を着こなし、音楽をこよなく愛する文化があるんだよね、2人の間には。

「お前も来いや。好きな音を鳴らしたらエエ」

後日in渋谷センター街。不機嫌な私を見兼ねてか、ふみとの夜遊びに誘ってくれたすだちん。「楽器なんてできないよ」と戸惑えば、傲慢な言葉といたずらな笑顔が返ってきた。才能の塊みたいな2人のうしろに立って、タンバリンをかき鳴らす平々凡々な私。あとちょっとで寄り添いそうな背中がこちらを振り返ることなんてない。こんな惨めな気分ははじめてだよ。ふみのコケティッシュな天真爛漫には、恋人というアドバンテージをふりかざしても勝てる気がしねぇ。男女間の友情を初めて認めざるを得ない夜。もう寝る。

ハイエンド&底辺感のギャップがいい

某日。

本当は、ベタな恋愛ストーリーにも出たいと思ってるんでしょ? 壁ドンとか、頭ポンポンとか、アゴクイとかやりたいんでしょ? でも世間も私もそれを求めない。なぜなら、あなたの演技の幅は、もうすでに陳腐な役をやるレベルじゃないから。そんな三文芝居はそこらへんのアイドルあがりにやらせときゃいい。すだちんの狂気や鬼畜っぷりはお仕事で、純愛系しぐさは私のためだけにとっておいて。

「専用カイロ到着! あっためたるわ~」

あれは去年の冬。待ち合わせに遅れたすだちんがハグしてくれたのは最高だった。そうそう、そういうの、ください。それ、私のためだけにやってよね。

夏のすだちんはさぁ、野卑で粗野な感じもたまらない。扇風機を足でつけて、熱々フライパンから直に具なしチャーハン食べちゃう感じ。しかも自分が食べているスプーンで、私の皿にも盛ってくれる感じ。「食えや」って。ハイエンド&底辺感。王子様とちんぴら。そのギャップの妄想だけで今日もよく眠れそう。

演技の幅も交際の幅も広すぎるすだちん。心配してもしゃーない。もう寝る。

(妄想・文・イラスト:吉田潮)

 

※この記事は2018年07月03日に公開されたものです

吉田潮

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