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「野球選手になるにちがいない」自信が叶えた夢。広島カープ・九里亜蓮インタビュー

子どものころ、作文で書いた「将来の夢」なんて、忘れてしまった人のほうが多いと思う。それくらい大人になれば嫌でも現実が見えてくるし、価値観も変わる。やりたい仕事に就いて大成する人なんて、ほんのひと握りだ。

じゃあそのひと握りの人って、一体どんな人なんだろう?
昨年12月に開催されたTGC広島。ここで、広島東洋カープ・九里亜蓮さんと、不思議なご縁でお会いすることになった。彼と話して、私はそのヒントを知ることになる。

「絶対に野球選手になるにちがいない」という確信があった。

「物心がついたときから、プロ野球選手になるイメージはありました。父も野球をしていたので、自分もその道を歩むんだろうなと」

一切の迷いを感じさせず、堂々とした面持ちで話す九里さん。この取材で会った瞬間から、187cmもある身長とがっしりとした肩幅に圧倒されていた。小柄な自分は、常に見上げながら話を聞くので精一杯だった。

九里亜蓮さんは、プロ野球チーム・広島東洋カープに所属する名投手。お父さんはかつてアメリカの球団で活躍していた。彼自身も、プロ野球選手になるのは「夢」でもあり「必然性に近かった」と語る。

「絶対に野球選手になるにちがいないという確信がありました。まわりにも宣言して、バカにされたこともありましたけど。とにかく夢に向かって毎日必死に練習していましたね」

恩師の言葉がなかったら、野球をやめていたと思う。

幼いころから少年野球チームでエースを務めるなど、プロ野球選手の片鱗をのぞかせていた九里さん。そんな人生のターニングポイントは、早くも中学生で訪れた。

「野球よりも遊ぶことのほうが楽しい時期で、野球をやめようとしたこともありました。だけどそんなとき、中学時代の野球部の監督の言葉で、野球を続ける決心をしたんです」

今となっては恩師ともいえる監督の言葉。それは、「やりたいことは自由にやってもいいけど、野球だけはやめるなよ」。そのひと言が、九里さんを思春期特有の葛藤から解放してくれた。

「あの人がいなかったら、野球は続けていないと思う。当時の自分に声をかけるとしたら、僕も同じことを言うでしょうね。夢は持ち続けてがんばってくれ、と」

どうせ私たちとはかけ離れた世界の人間の、学生時代の話でしょ。そう他人ごとに思う人もいるかもしれない。だけど大人になった今だからこそ、このエピソードから感じることは多い。

何かを諦めることは簡単だし、大人になると「諦める理由」を考えるのがうまくなる。私たちはいつの間にか、諦め上手になっている気がする。

だけど本当はやりたい仕事があるし、誰にも言えない夢だってある。一度きりの人生、九里さんみたいに「絶対にやってやる」くらいの自信を持ったら、きっと叶えられるかもしれない。この取材を通して、そんな小さな勇気をもらうことができた。

「今の夢は、球界を代表するピッチャーになること。そのためにはいろんな目標を達成しなきゃいけないので、がんばるのみです」

そのまっすぐな言葉を聞いて、この人はまたひとつ夢を叶えるんだろうなと確信した。私だって負けたくない。勝負する世界はちがうけれど、叶えたい夢は諦めずに持ち続けてやろうと、小さなわたしはひとり胸に誓った。

(編集・文:高橋ちさと/マイナビウーマン編集部、撮影:前田立)

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