あなたはどのタイプ? 耳鼻咽喉科医に聞く、いびきの原因
いびきの主な原因3つ
いびきのメカニズムについてわかったところで、次にいびきの原因を見ていきましょう。木村先生によると、寝姿勢や体質など、いびきはさまざまな原因で起こっているようです。
(1)体質によるもの
肥満・首が短くて太め
首にたくさん脂肪が付くことによって、喉の空気の通り道が狭くなるために起こります。もともと首が太くて短い方も同様です。
のどちんこ(口蓋垂)が長い・舌が大きい・下あごが小さいなど
生まれつきの体質ですが、これも空気の通り道が狭くなる原因となります。
鼻中隔弯曲症
鼻中隔弯曲症とは左右の鼻を仕切る骨が曲がっている病態で、鼻づまりを起こすことがあります。鼻がつまると口呼吸になり、いびきの原因になります。
加齢による筋力の低下
通常、高齢になると筋肉は落ちていきます。喉の筋力が落ちると舌根(舌の付け根)が気道に落ちこみ、その結果として空気の通り道が狭くなります。
女性ホルモンの減少
女性ホルモンにはいびきを防ぐ効果があると言われており、閉経すると女性ホルモンの分泌が減るため、いびきをかきやすくなることがあります。
扁桃肥大
喉には口蓋扁桃(よく言う扁桃腺)、咽頭扁桃(アデノイド)、舌根扁桃などの扁桃組織があり、そのうちのいずれかが大きくなると、空気の通り道が狭くなることがあります。
(2)体調からくるもの
鼻炎やアレルギー
風邪をひいたとき、花粉症を含むアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)など、鼻づまりを引き起こすものは何でも原因になり得ます。
疲れている
疲れているときは、身体が疲れを解消しようとして多くの酸素を取り込もうとします。そのため口呼吸になる傾向があり、いびきの原因となります。
ストレス
ストレスがたまっていると自律神経が乱れ、呼吸が浅くなります。そうなると脳に必要な酸素が十分に取り込めず、身体はより多くの酸素を取り込もうとして口呼吸になる傾向があります。
(3)生活の癖によるもの
あおむけで寝る
重力によって舌が下側(背中側)に引っ張られるので、空気の通り道が狭くなります。横向きで寝た方がこの影響は少なくなります。
バンザイして寝る
両手を挙げて寝ると、下顎が下向きに引っ張られる形となり、気道が狭くなります。
飲酒
お酒には筋肉を緩める作用があるため、お酒を飲んで寝ると喉の筋肉が緩み、気道が狭くなります。
睡眠薬
睡眠薬にも筋肉の緊張をほぐす作用があり、お酒と同様に気道が狭くなることがあります。