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【妊娠出産のウソ&ホント】低気圧の日は出産する人が多いってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

台風や嵐など“低気圧”の日に出産する人が多いというウワサを聞いたことはありませんか? また、満月や戌の日にも出産が多いなんていうウワサもあったりしますよね。では実際に、そういったことは起こるのでしょうか? また、医学的に証明されていることなのでしょうか? 今回は、そんな出産が起こりやすい日にまつわるウソ&ホントに迫りました! 産婦人科医の尾西芳子先生に解説してもらいましょう。

本日の「ソボクな疑問」

Q.低気圧の日は出産する人が多いってホント?

rf45215473_o<読者の声>

・聞いたことも考えたこともありませんでした。でも、気圧の関係で押し出されて出産しやすいとかあるのでしょうか。(26歳/マスコミ・広告/事務系専門職)
・満月の日は産まれやすいと聞いたことがある。(29歳/食品・飲料/事務系専門職)
・台風の日はお産が多い。実際に出産した際に、助産師さんが言っていました。(30歳/その他/事務系専門職)
・迷信だと思う。(29歳/生保・損保/営業職)

尾西先生のアンサーは!?

ウソ答えは……
ウソです!

「低気圧」「満月」「戌の日」など、「○○の日は出産が多い」という説はいろいろありますが、残念ながらどれも医学的に証明された、根拠のある説ではありません。

ここからは推測になりますが、嵐や台風、満月の日というのは、“出産するお母さん自身の記憶に残りやすい”というのがひとつ考えられると思います。人間の脳は、何もないときよりも何かあったときのほうが記憶に残りやすいので、「出産の日はすごい台風だった」など、先輩ママや助産師さんの体験談として語られやすいのかもしれませんね。

一方、陣痛の起こりやすい時間帯ということであれば、自然分娩に限ったデータがあります。それによると37週以降の正期産の場合、陣痛がはじまるのは午前1時~5時の間が多いという結果が出ています。その理由は、夜間は心や体をリラックスさせる「副交感神経」が優位になるから。実は陣痛は「副交感神経」が優位のときにはじまるといわれているのです(ただし、陣痛がはじまる時間と出産の時間は違うので、出産の時間が夜中とは限りません)。

そう考えると、出産予定日を過ぎたママは「まだ陣痛がこない」とヤキモキするよりは、「そのうちくるよ」とゆったりした気持ちで待っていたほうが、陣痛はきやすいかもしれませんね。

いずれにしても、今回出てきたさまざまな説は根拠のない話ではありますが、後々、子どもに「あなたはこんな日に産まれたのよ」というエピソードとして話せるのはすごくステキなことですので、出産した日がどんな日だったのかを覚えておくのはいいかもしれませんね。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

次回の更新は4月8日(土)です。お楽しみに!

※一部画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2017年04月01日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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