
【妊娠出産のウソ&ホント】「年子妊娠」は母体に影響があるってホント?
将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!
「ひとりめを産んだばかりで、まだ生理が再開していないのに妊娠が発覚した」という先輩ママも少なからずいるようです。上の子と下の子の年齢が一歳差になる「年子妊娠」は、子どもが一気に育ってくれるというメリットもありますが、まずは健康なママの体と心がともなってからこそ。実際のところ、母体に影響はないものなのでしょうか? そこで今回は、そんな年子妊娠にまつわるウソ&ホントに迫りました!
本日の「ソボクな疑問」
Q.「年子妊娠」は母体に影響があるってホント?
<読者の声>
・年子だとお母さんも出産しやすい体になっていそうな感じがします。(24歳/金融・証券/営業職)
・体が元に戻りきる前の出産は負担が大きいと思う。(25歳/生保・損保/事務系専門職)
・胎盤が弱くなっているから、安産は期待できないと聞いている。(27歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・すぐに妊娠できる人ってすごいなって思う。どういう人ができやすいのだろう。(29歳/医薬品・化粧品/秘書・アシスタント職)
尾西先生のアンサーは!?
答えは……
「う~ん」です!
まず、年子妊娠はそうめずらしいことではありません。母乳育児をしている人なら半年~1年、ミルクで育てている人なら2カ月~半年くらいで排卵が戻ると言われており、排卵が戻りさえすれば、2人目の妊娠が可能です。ですから、産後すぐに排卵が戻る人は年子妊娠をしやすいでしょう。中には、生理が再開する前に次の妊娠をしてしまう人も少なくありません。
また前回の妊娠・出産で急増した女性ホルモンのおかげで、もともと定期的に排卵していなかった人も排卵しやすくなったりして、年子妊娠につながるケースもあります。さらに産後は産道が伸びている状態ですから、年子妊娠は次の子を出産しやすいという側面もあります。
「胎盤が弱くなっているから、安産は期待できない」という声がありますが、胎盤は一度の妊娠・出産ごとに新たにできて分娩で排出されますので、関係ないですよ。
とはいえ、子どもを産み育てるというのは、やはり母親にとってはかなり体に負担があるもの。そこにすぐ次の妊娠が重なってしまうと、さらに負担は増加してしまいます。産後の身体は子宮が元のサイズに戻るのは6~8週。ですが、妊娠中に増えた体重や緩んだ骨盤など、すべてが元に戻るのに半年くらいかかると言われていますので、妊娠するのは半年ほど空けることをオススメします。
なお、帝王切開で出産した場合は、必ず一年は空けましょう。なぜなら、切った子宮の傷が治りきる前に妊娠してしまうと、子宮が大きくなるにつれてその傷がひらいて「子宮破裂」を起こし、赤ちゃんの手足が飛び出てしまうことがあるからです。赤ちゃんの命に関わることですので、厳守してください。
年子妊娠を望まない人は、「子宮内に避妊具を入れる」「ミルク育児の方なら産後1カ月からピルを服用する」「コンドームを使用する」など、何かしらの方法できっちり避妊をしましょう。
(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年12月10日に公開されたものです