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日本人の9割が感染!? キスでうつる「キス病」とは?

秋山志穂

何気なくかわす恋人とのキス。唾液を通じて互いの口内細菌を交換するこの行為ですが、実は感染症を引き起こすリスクを伴っていた!? そこで今回は、医師と歯科医師のライセンスを持つ秋山志穂先生に、キスによって感染する「キス病(伝染性単核球症)」についてくわしく教えてもらいました。

「キス病」ってどんな病気?

キスでうつることに名前が由来する「キス病(伝染性単核球症)」は、発熱や倦怠感、リンパ節の腫脹(しゅちょう)、咽頭痛が主な症状の病気です。咽頭炎、扁桃炎は約半数の人に見られます。腫れた扁桃には、「白苔(はくたい)」と呼ばれる白い膿栓が発生します。また、口内に「出血斑」という血の小さな塊ができることも。10~20%の確率で肝臓が大きくなってしまうほか、半数の人は脾臓が大きくなり、胃の不快感を訴えることがあります。

キス病は、通常2~4週間で症状が軽快しますが、3カ月程度症状が長引くこともあります。

日本人の感染確率は90%以上!?

日本人の場合、約90%が3歳までのうちに感染していると言われています。基本的には、「悪さをしないまま、菌を保有している」と考えてください。と言うのも、キス病に幼いころ感染すると、抗体ができるため発症しないケースが多いのです。(幼少期に感染せず)思春期から青年期にかけて感染してしまうと、抗体ができないうちに発症してしまう可能性が高まります。この場合、2人に1人が発症すると言われています。

「キス病」にかかってしまったときの対処法

キス病を発症した場合、治療は発熱に対して解熱剤を飲むなど、出てきた症状を楽にしてあげる対症療法しかありません。キス病自体を治す方法が、現状ないのです。したがって、キス病にかかってしまったら、症状に合った薬を服用し、家で安静に過ごしてください。また、アルコールを飲んで肝臓に負担をかける行為は、避けたほうがいいですよ。

発症を防ぐためには、免疫力を高めるほかありません。睡眠や食事を十分にとり、規則正しい生活を送ることで発症を未然に防いでいきましょう。

取材協力/秋山志穂

女医+(じょいぷらす)所属。横浜市内の病院に勤務。歯科医師及び医師のライセンスを持つ。口腔内細菌と腸内フローラ、口腔内細菌と肺炎、口腔内細菌と糖尿病の関係について周知するため、日々尽力している。

(取材協力:秋山志穂、文:井田愛莉寿/マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.25)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年11月02日に公開されたものです

秋山志穂

女医+(じょいぷらす)所属。歯科医師及び医師のライセンスを持つ。口腔内細菌と腸内フローラ、口腔内細菌と肺炎、口腔内細菌と糖尿病の関係について周知するため、日々尽力している。

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