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【男女脳の違い】こんなに違う「男女の買物」 男は“選びたい”、女は“○○したい”

黒川伊保子

よくある男女のすれ違いやケンカの原因を、「男女脳の違い」から解き明かす本連載「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?」。女性が理解できない男性の行動について、人工知能研究者であり、脳科学コメンテーターの黒川イホコ先生が解説&アドバイスします! 

彼女のことは好きだけど、「彼女の買い物に付き合う」のはイヤだという男性って多いですよね? なかには買い物のときだけ別行動するカップルも少なくありません。しかしなぜ、男性はそこまで「女性の買い物」を嫌がるのでしょうか。

そこで今回は、「女性の買い物」が男性にとって「拷問」に値する理由について、黒川イホコ先生にお聞きしました。

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イホコ先生の解説

●女性脳は「直感」で逸品を見抜ける

男女で違う買物の仕方

そもそも女性と男性では「買い物の仕方」が大きくちがいます。そのため互いの買い物に付き合うのを苦痛に感じるのは当然です。では具体的に、男女の買い物の違いについて解説していきます。

まず、この連載で何度もお伝えしてきましたが、女性脳は「右脳(感じる領域)と左脳(顕在意識)が頻繁に連携し、直感が働く脳」です。当然、買い物をするときも、この直感をおおいに使っています。さて、「直感」のために使わている神経線維ですが、数センチから数十センチ、長い人では1メートルを超えると言われるくらいとても長いです。そのため、直感の回路を使おうと思ったら、長い神経回路に電気信号を流しやすくしておく必要があるのですが、その準備運動となるのが女性の行う「寄り道」となります。

女性は、買い物をするとき、いきなり目的の売り場に直行することはほとんどありません。(買うものがピンポイントに決まっていて時間がなければ別ですが)フライパンを買いに来たのに、靴売り場をのぞいたり、ねこ模様のタオルに気をとられるのが普通です。

そしてこの心をワクワクされる一連の行動が、女性の買い物には欠かせないポイントです。「寄り道」でうける刺激で女性は「直感力をチャージ」し、直感力がピークに達した瞬間に「欲しいもの」が目に飛び込んでくるようになっています。これが「女性の買い物」です。

だから女性が直感で物を選ぶとき、ほかの商品を見ていないわけではありません。寄り道でためた直感力を使って、「ほんの数秒で、かなりの要件」を見抜いているのです。そんなわけで、女性の「これにするわ」にほとんど誤りがありません。

●男性脳は「比較検討」で逸品を見つける

一方、直感が働きにくい男性脳は、女性とちがって「比較検討」で商品を選びます。このため、直感力チャージのための「寄り道」は不要というわけです。また、人類の歴史の中で長い間狩りを担当してきた男性脳は「最小のリスク、最短の時間と距離で、最大の成果を上げたい」と考え、まっすぐに目的の売り場に行きたがります。つまり、男の買い物とは、「目的の売り場に直行し、できるだけ多くの代替案を並べてスペックを比較検討して選ぶ」ことであり、それこそが、気持ちいいのです。

というわけで、男性には女性の買い物は「時間の無駄だ」とか「賢くない買い物の仕方」に見えるのです。しかも男子ときたら、女性脳が素晴らしい直感力を使って選び取ったその「一番」にケチをつけることはしょっちゅうなので、女子からしたらたまったものじゃありません。男子にしたら適切なアドバイスのつもりでも、「もっと、他のと比べてみたら?」といった言葉は、買い物で高まった女の気持ちを一気にしぼませます。

●選びすぎで、フラれる?

連載第2回目でもお話しましたが、この「比較検討したがる男性脳」が原因で、彼女とケンカをしてしまった知人の男性がいます。

ある日、婚約者と結婚指輪を買いに行った男性。いったいどんな指輪を買ってくるのかと思っていたら、彼女の機嫌を損ねて手ぶらで帰ってきました。詳しく彼の話を聞くと、彼女が最初に手に取って「これがいい」と言った指輪に対し、「一生使うものだから、慎重に決めないと。他のも見て見よう」と勧めたそう。それでも「最初の指輪がいい」と主張する彼女の意見をきかず「じゃ、別の店にも行ってみよう」とさらに提案し、彼女を怒らせてしまったそうです。

私はこの話を聞いて、「彼の提案にドン引きしていく彼女の姿」が目に見えるようでした。自分の琴線に触れた指輪に、共感してくれるどころか、代替案を進めてくるなんて「私のことをまったくわかってない!」と思ったことでしょう。結婚するのさえ不安になったはず。男性脳的には、「ベスト」を選びたい一心。彼なりの誠実さだったのでしょうけどね……。

●男は「選びたい」、女は「出逢いたい」

このように、男性脳は、数ある候補の中から「ベスト」を「選びたい」。「数ある候補」がまずないと、話が始まらないのです。それに対して女性脳は、「私だけの特別」に「出逢いたい」。出逢えてしまえば、他のことなんてぜんぜん目に入りません。

●カップルで買い物する際は「時間差攻撃」が有効

というわけで、買い物に関しては、男性脳と女性脳は相いれません。仲のいいカップルでも、買い物は別々に行くのがいいでしょう。しかし家具など、どうしても2人で選ばなければならない場合は、「時間差攻撃」をお薦めします。比較検討に時間をかけたい男性を先に目的の売り場に送り込んで、女性はぶらぶらしたあとに合流する方法です。こうすることで、直観力がチャージされた女性が目的の売り場で「あ、これ素敵」と駆け寄った商品に、「それはなかなかいい選択だね。でも、棚の数が少ないんだ。いいの?」と男性は有益なアドバイスをしてくれるでしょう。

脳の作法の違いで、永遠に相手がおろかに見えるのが、男女の買い物。うんざりしてても始まらない。賢く楽しみましょう!

<女性がとるべき行動>
・基本彼氏と一緒に買い物をしない
・どうしても2人で買い物をするときは、「時間差攻撃」で

(文/黒川伊保子 イラスト/地獄カレー)

次回の「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?~男女脳はこんなに違う~」は、6/13(月)更新予定です。お楽しみに!

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※この記事は2016年06月06日に公開されたものです

黒川伊保子

脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。「市場の気分」を読み解く感性マーケティングの実践者であり、「男女脳の気分」を読み解く男女脳論の専門家、「ことばが脳にもたらす気分」を読み解く語感分析の専門家でもある。人工知能(AI)エンジニアを経て、2003年、世界初の語感分析法サブリミナル・インプレッション導出法を発表、独自の感性分析術が注目を浴び、感性研究の第一人者となる。

脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著書が人気を博し、日本テレビ「世界一受けたい授業」をはじめ、フジテレビ「さんまのホンマでっか!? TV」など、TVやラジオ、雑誌で活躍。

近著に「恋愛脳」、「キレる女 懲りない男」、「英雄の書」などがある。

株式会社感性リサーチ
http://www.kansei-research.com/

オフィシャルサイト
http://www.ihoko.com/

『女の機嫌の直し方』(インターナショナル新書) 著書コメント:「女性脳のトリセツ完全版。彼氏に「私のトリセツ」と贈ってほしい。きっと優しくなります」

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『アンドロイドレディのキスは甘いのか』(河出書房) 著書コメント:「人工知能と人類の付き合い方を説いた一冊。女性AI研究者が見つめてきたAIの真実」

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