冬は“ほてり冷え”に注意! 医師に聞く「4つの冷えタイプとその対策」
寒さも本格化し、「冷え」に悩まされている女性も多いのではないでしょうか? ただ「冷え」とひと口にいっても、人によって症状がちがうもの。特に寒い季節は、室内外の寒暖差によって引き起こされる「ほてり冷え」が増えているそうです。そこで今回は、医学博士で日本内科学会認定医・総合内科専門医の川嶋朗先生に、「冷え」の症状と対策について教えてもらいました。
<「冷え」についての基礎知識>
■そもそも「冷え」とは?
冷えは、自覚的・他覚的に寒いあるいは冷たいなどと感じること。他覚的というのは代謝が低下して体温があがらない状態のことをいいます。体が冷えると、血液の温度が下がり、血液がドロドロになります。そうすると、栄養素が運べず、体に必要なものが効率よく作れなくなりますし、逆に不要なものが運べないため、悪いものを体にため込んでしまいます。また、血液は温度を運ぶ役割もありますが、適温の血液を運べなくなると、体温が下がって血のめぐりが悪くなり、血のめぐりが悪くなると体温が下がるという、悪循環を生むのです。自覚的というのは体温が高くても寒さなどを感じる状態で、やはり熱を必要としているという観点からこれも冷えととらえます。
■なぜ女性は冷えやすい? 冷えの原因とは
冷えは、体温を調節する自律神経が正常に機能していないこともその原因です。冷え性の多くは、体温調節をするエネルギーを自分で作ることができない虚弱体質の人。実は、この体質は生まれつきだけでなく生活習慣によっても作られます。暖房、冷房などで、自分で体温の調整をしなくてすむ世の中になっていることも、自律神経を鈍らせ、筋肉を落とす原因として挙げられます。また、女性に冷えが多いのは、男性よりも熱産生の中心である筋肉が少ないためです。
■冷えが原因で起こる不調は?
冷えは寒さを感じるだけでなく、肩こり、腰痛、疲れ、やせにくいなど体にさまざまな不調をもたらします。ホルモンが作れなくなると、生理不順や不妊症になったり、脳に伝達物質が届かなくなると、うつ病や統合失調症になる可能性も。白血球や赤血球が運べなくなると免疫力が落ちますし、沈着した色素を運び出せなくなるとシミは消えません。このように、冷えは負のスパイラルを招きます。