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【女の嘆き】夫婦不仲なのに「子どもを作るべき」のアドバイス……これって、幸せになれる?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
結婚2年目ですが、夫とはうまくいっていません。人生をやり直すのは少しでも早いほうがいいと思い、30歳を迎える前に離婚を考えています。周囲の人に相談すると、「離婚じゃなくて、そろそろ子どもを作ったら?」という意見が意外に多くてびっくり。子どもを授かるには夫婦関係が良好なのが大前提のはず。そこに限界を感じているから離婚を考えているのに……。私が幼くわがままなのか、それとも他人が無責任なだけなのか混乱しています。

今のパートナーとの間に子をもうけたいかどうかというのは、女性の本能的な直感とも言えるもの。その直感が「NO」と言っている状況に対して、「子どもを作れば?」とアドバイスする人は、どんな意図を持っているのでしょうか。

ひとつの例として、子どもが産まれたら男性側が変わるだろうという希望的観測があります。子どもが産まれる前は家庭をかえりみなかった男性が、子どもが生まれた途端に父親の自覚を持ち、仕事にも精を出し、妻を支えつつ育児にも参加する立派な家庭人へと変貌を遂げるという展開です。

また、女性側が意識を変えるべきというお説教めいたアドバイスの場合もあります。子どもが産まれて母親としての責任や自覚が芽生えたら、夫への不満を言う暇はなくなるという母性愛信奉に近いもの。

または、子育て経験が未熟な夫婦を大人にするのだから、とにかく2人で苦労しなさいという余計なお節介の場合も。

どれにしても、自分の気持ちや生き方を大切にしたい現代女性にとって、この種のアドバイスはしっくりこないでしょう。

誰かのアドバイスで解決するような問題ならいいのですが、自分の生き方を問い直す節目になるような悩みでは、安易なアドバイスは役に立ちません。そんなときの悩みとの向き合い方を紹介します。

<女の嘆きへの処方箋>

●その1 自分の中で答えが出ていることは相談しない

すでに自分の中に答えがあるのに、無用なアドバイスを誘引するような相談をしていませんか? 「どうしようかな~」などと持ちかけられたら、何か気のきいたことを言いたくなるのが人情。それを望まないなら、自分が相手に何を求めているのかをはっきりさせてから相談すると双方の混乱を防げます。一例を挙げてみます。

・「若いうちに離婚を決断して幸せになった人の例を知っていたら教えて」
・「夫婦不和から一発逆転、パートナーシップを築いた例を知っていたら教えて」
・「離婚する方向で腹は決まっているんだけど、不安だからちょっと話を聞いて」
・「アドバイスじゃなくて客観的な視点がほしいんだけど、協力してくれる?」

などと具体的にサポートを依頼してみて。

●その2 “自分が背負えるだけのリスクや犠牲”を考えてみる

どんなに立派なアドバイスをされても、決断したあとの責任を引き受けるのは自分自身。そしてどんな決断にもリスクや犠牲が伴います。はたから見て、とても背負えそうにないだろうと思うことでも、当人にとってはたいしたリスクではないこともあるし、逆にまわりが「これくらい背負えるでしょう」と思うことが、当人にとっては非常に重荷になることも。「自分がなんとか背負えるリスクや犠牲はなにか」という視点を持つと、人に相談できることは限られているのだとわかります。誰かに課せられた責任は重く感じますが、自分から引き受けた責任は多少重くても抱えられるのが人間です。

●その3 自分の幸せのために動き出すことで、人生は好転する

第二の人生を歩むために離婚をするか、それとも夫婦関係を修復して子どもを作るか、それは誰にも答えが出せないこと。それでも自分の幸せのために思い切って舵を切ると、思いもかけないところから状況が好転することがあります。逆説的なようですが、意を決して「別れよう」と伝えた瞬間から、本物の夫婦関係がはじまることだって十分あり得るのです。

『人事を尽くして天命を待つ=事の成否は人知をこえたところにあるため、人間にとってできる限りの努力をしたら、あとは運命に任せることのたとえ』という故事があります。この場合の人事とは、自分の幸せのために考え抜くこと、そして自分を幸せにするために行動を起こすことではないでしょうか。そうすることで必要な情報が集まり、その選択を支持・理解してくれる人も現れ、決断したことの意味や価値をいずれ受け取ることができる。でもその未来図は、今の時点ではすべて明らかにはなっていない。そういうものが天命にあたるのではないかと思います。人生の岐路に立たされたときは、しかるべき流れに任せるという視点も取り入れながら前向きに乗りきりたいですね。

※画像は本文と関係ありません

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2015年06月15日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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