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専門家 不調

女性喫煙者は男性の3倍かかりやすい「慢性閉塞性肺疾患」(COPD)とは?

落語家の桂歌丸さんの入退院で耳にする機会が増えた「慢性閉塞性肺疾患」(COPD)。ひどい息切れや咳などに苦しめられる病気で、女性がかかると男性よりも倍近いスピードで進行するそうです。どのような人がなりやすいのでしょうか。NPO法人女性呼吸器疾患研究機構の宮元秀昭さんに聞きました。

■小児ぜんそくや「喫煙経験あり」の女性は要注意!

「気管支が炎症でむくんだ状態を『慢性気管支炎』、肺胞が破壊されて、酸素が出入りできない状態を『肺気腫』といい、これらをまとめて慢性閉塞性肺疾患と呼びます。別名“たばこ病”と言われ、原因の90%以上を喫煙が占めています。たばこなどの刺激で気管支に炎症が起こり、肺胞が破壊されることで呼吸がしにくくなってしまうんです」(宮元さん)

たばこを吸いはじめる年齢が若いほど、また、喫煙本数が多いほど慢性閉塞性肺疾患になりやすく、病状も進行しやすいと言われています。

「20~30代と若いうちからたばこを継続的に吸っている人の場合、40代から慢性閉塞性肺疾患になるケースもあります。女性の肺は男性よりも小さく、空気の出入りも少ないのが特徴です。また、女性の気道は男性より細く、刺激に対して、縮みやすくなっています。こうしたちがいもあり、男性に比べて喫煙によるダメージが大きいため、特に女性の喫煙者は慢性閉塞性肺疾患に対して注意を払う必要があります」(宮元さん)

とりわけ気をつけたいのが、かつて、小児ぜんそくだったことがある人。ぜんそくから慢性閉塞性肺疾患に移行する割合は男性より女性のほうが高いとか。

「子どものころ、ぜんそくにかかったことがある人で、現在たばこを吸っている女性は他の人に比べて慢性閉塞性肺疾患になりやすい条件がそろっています。できるだけ早くたばこをやめることをおすすめします。慢性閉塞性肺疾患に一度なってしまうと根本的に治し、完全に元の肺の状態に戻す治療法は今のところありません。でも、早めに気づいて、禁煙すれば肺機能を回復・改善することもできます」(宮元さん)

■副流煙もダメージに。“たばこくささ”は危険を知らせるサイン

たばこを吸っていなければ、さほど気にしなくてもいいのでしょうか。

「本人は吸ってなくても、周囲にたばこを吸う人がいる場合は、油断は禁物です。じつは副流煙も女性のほうが影響を受けやすいのです。また、直接たばこを吸わなくても、“たばこの粒子”を吸っている可能性があります。たとえば、自分が吸っていないけれど、恋人や配偶者が喫煙者というケース。たばこくささを感じるのは、たばこの粒子が飛びかっているということを意味します。喫煙後3時間以上は肺からたばこの煙が出続けているんです」(宮元さん)

また、最近では『PM2.5』(微小粒子状物質)の影響も指摘されているとか。

「最近話題の『PM2.5』の有害有機物質も肺に負担をかけ、慢性閉塞性肺疾患の原因になります。実際、中国の北京では慢性閉塞性肺疾患の患者が大変な勢いで増えています」(宮元さん)

日本においても、慢性閉塞性肺疾患で亡くなる方は年々増加しています。世界でも、1990年には死因の第6位でしたが、2020年には第3位に浮上すると予想されているとか。慢性閉塞性肺疾患は時間をかけて悪化していくタイプの病気なだけに、症状に気づかず発見が遅れがち。息切れや慢性の咳、たんといった症状があるときは早めに病院を受診したほうがいいそう。

「慢性閉塞性疾患を予防するために何より大切なのは、たばこを吸わないことです。周囲の人が吸っているたばこの煙もできるだけ避けましょう。また、肺を覆う筋肉を鍛え、肺の中に入っている空気をしっかり入れ換えることがプラスαの予防策になります。横隔膜は腹筋とダイレクトにつながっていますので、腹式呼吸で腹筋を鍛えるといいですよ」(宮元さん)

(取材協力:宮元秀昭、文:ミノシマタカコ+ガールズ健康ラボ)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.09)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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