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【新連載】先輩のことが大好きなのに、私たちの関係は曖昧で不透明……

翌週の金曜日、でもやっぱりわたしは、
いつもの週末同様、先輩の家に行く。

先輩はその夜、家に上がるとすぐに、
わたしを抱きしめ、耳元で
「ただいま」とそっとつぶやいた。
そしてわたしたちは、また深夜番組を見て、
同じようなおしゃべりをして翌日を迎えた。

土曜日の気だるい朝、
わたしは先輩に腕枕をしてもらって、
二度寝を決め込んでいた。
足をからめながら、わたしは思った。

「こんなに楽しい時間がなくなるなんて、
耐えられないかも」

そして空腹に耐えられなくなると起きて、
サラダと目玉焼きとトーストのブランチ。
それから駅前をダラダラ散歩して、
夜にはファミレスで晩御飯を食べ、
小向先輩はいつも通り
「じゃあ、また来週」と笑顔で言ったが、
わたしは何度も首を横に振った。

「もう来ません。メールアドレスも変えます」

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