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【新連載】先輩のことが大好きなのに、私たちの関係は曖昧で不透明……

翌日、朝7時。わたしは先輩の、
スマートフォンのコール音で目が覚めた。
コール音はしばらくなり続け、
先輩はわたしの隣で何回も寝返りをうった後、
突然、ガバッと布団を跳ね飛ばして起き、
あわててスマートフォンをつかむ。
わたしは「またか」と悲しみながら、
電話に出る先輩の横顔を見つめていた。

「おはよう。え、何してたって。
家で寝てたよ……ああ、そうなんだ。
そういえば、大きな低気圧近づいてたね。
予想より早かったな。
うん……うん、わかった。行く。行きます。
今7時なら、9時には着くと思う」

電話を切った先輩はわたしの方に向き直ると、
いきなりベッドの上で土下座をした。

「ごめん、咲ちゃん。お願い!
やっぱ今日、サーフィン行かしてください」
「いいですってば。
だから、そんなことするの、やめてください」

だってわたしは先輩の彼女じゃないから、
引き止める権利なんて持ってないもの。

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