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【新連載】先輩のことが大好きなのに、私たちの関係は曖昧で不透明……

Story4 ★もう来ません

翌日の土曜の午後、わたしは電車を乗り継ぎ、
大きな公園に散歩に出た。
公園には子供連れの家族や、カップルが、
たくさん来ていて、にぎやかだった。

湿り気の多い風にケヤキ並木が揺れると、
わたしの心にも本音が揺り上がってくる。
……今ごろ小向先輩は、
わたしとは別の『彼女じゃない人』と会ってるかも。

堪えられなくなって、先輩にメールする。
「公園に散歩にきました。いいお天気です」

でもしばらく待っても、返事はない。
わたしは先輩の家に、わたしとは別の
『彼女じゃない人』が、
座ったり寝そべっている様子を想像して、
胸が痛くてたまらなくなった。

でもそこへふいに、奈美の一言を思い出す。
「だってこの先、1年2年と今のままが続いて、
咲は自分が、我慢できると思う?」

わたしはその想像に、ゾッと寒気をおぼえた。
そして立ち止まって、独り言をいった。
「今、別れなければ」