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専門家 妊娠・出産

卵子のアンチエイジングは可能? 自分の妊娠タイムリミットを知るには

妊娠・出産というと、まだ遠い先の話かもしれませんが、産む産まないに関係なく「産むのに必要なカラダ」について知っておいて損はないはず! “そのとき”が来たら、はたして自分は産めるカラダなの? そもそも、妊娠・出産ってどういうもの? 自覚症状がないまま進むカラダの異常って!? 知らないことだらけの「いつかそのとき」のために、ぜひ女子のみなさんに見ていただければと思います。

「自分の妊娠タイムリミットはいつごろなのだろう」と不安を抱く女性は多いもの。妊活を今すぐはじめる! ことができない女性が、自分の妊娠タイムリミットを今知るすべはないのか、生殖医療がご専門の片桐由起子医師(東邦大学医学部准教授)に聞きました。

―35歳をすぎると妊娠力が下がると言われる理由は?

35歳をすぎると、排卵する臓器としての卵巣機能低下に加え、妊娠の妨げとなる「婦人科系の異常」や「合併症」が増加したり、「着床後に流産する」受精卵の異常が増加します。そして、自然妊娠にしろ不妊治療をするにせよ、妊娠がある程度期待できるのは、41~42歳くらいまでで、それ以降もチャンスはありますが可能性はさらにグッと下がり、45歳以上では極めてまれです。

―今の自分に残された卵子の数を知る方法は?

ひとつの方法として、「AMH(アンチミューラリアンホルモン)」値を測る検査があります。AMHとは発育途中の卵胞のまわりにある細胞から分泌されているホルモンのこと。その量を測定することで「卵巣の予備能」、つまり、卵巣に残された卵子の数を推測することができるのです。

もとは、不妊治療で排卵誘発剤の反応を推測したり、卵巣の刺激方法を検討して相応しい治療方法を選択するための目安として、用いられることで注目されていました。

でも最近では、「卵巣年齢」がわかるといい、未婚女性など将来の妊娠力に不安を持つ女性の間でも注目されていますね。AMH値には妊孕能(妊娠する力)の参考となる基準値があり、それと自分の値を照らし合わせて、排卵する臓器としての自分の卵巣機能を評価する指標として、使われたりもしています。

ただしAMH値では「卵子の量」を推測することはできても、「卵子の質」まではわかりません。

今は値がよくても、今後も急激なスピードで卵子の残数が減らないなどと保証してくれるわけでもありません。つまり、現時点での卵子の在庫数を推測するにすぎず、AMH検査だけでは、将来いつ自分に妊娠のタイムリミットが訪れるのかを見極めることはできません。

―AMH値が低いと妊娠できないもの?

AMH値が低くても、妊娠される方はいます。あくまで卵子の残数を推測する手段のひとつにすぎません。たったひとつでもいい卵子が排出されれば、妊娠する可能性があります。妊娠とはそういうものです。

たとえば、妊活をそろそろ考えているご夫婦が今の予備能を見極めるために検査されたり、妊娠を先送りしていた奥様が低AMH値で妊娠を急ぐようになったようなケース、または、未婚の方が人生設計を考えるためのひとつの目安にするといったケースなど、指標のひとつとして利用されるのに役立つと思います。

検査は自費扱いで血液検査です。実施機関については各自で問い合わせてみてください。

―卵子のアンチエイジングは可能?

悪くなった「卵子の質」を再びよくするアンチエイジングは不可能ですが、「卵子の量」が減るスピードを少し抑える方法ならあります。

(1) 排卵で、卵子の在庫が目減りするのを抑える。
(2) 排卵の途中で淘汰されることによって卵子が消滅するのを抑える(排卵された1個の卵子以外は自然消滅する運命にある)。

低用量ピルを使い排卵を抑制すれば、卵子の在庫が毎月の排卵で減るのを抑えることができます。

とはいえ、時間の経過の中で失われていく卵子をとどめておくことはできませんし、排卵される卵子の数も、排卵に至らず自然消滅していく卵子の数も、時間の経過の中で失われていく卵子の数に比べれば微々たるものです。

>では、卵子の老化は自然のなりゆき任せしかない?