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妊活中の女性必見! 風しん予防の3つの「2」

春から初夏にかけて流行する「風しん」。妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんの聴力や視力、心臓に障害が残る「先天性風しん症候群」を発症するおそれがあり、厚生労働省がワクチン接種を呼びかけています。風しん予防について、ナビタスクリニック立川の久住英二先生に聞きました。

風しん予防の3つの「2」

■20代~40代女性の約14%は「風しんの免疫がない」または「不十分」

「風しんはかかった本人も苦しむ病気ですが、妊娠初期の女性が風しんにかかると赤ちゃんにも感染し、耳が聞こえにくい、目が見えにくい、生まれつき心臓に病気がある、発達が遅れるといった『先天性風しん症候群』を引き起こす可能性があります。潜伏期間は2~3週間で、人によっては症状が出ないこともあります。つまり、自分でも知らないうちにほかの誰かにうつしている可能性があります。風しんを確実に予防する手立てはワクチン接種以外にありません」(久住先生)

風しんというと、子どもがかかる病気というイメージがありますが、2013年の風しん大流行の際、患者の9割は大人が占めていました。また、2012年度の国の調査によると、20代~40代男性の約16%が風しんの免疫がなく、20代~40代女性の約14%が風しんの免疫がない、または予防に不十分だということがわかっています。

「国の調査は対象者の偏りがあるので、国民全体に当てはまらないと考えています。『子どものころに風しんにかかったことがあるから大丈夫』とおっしゃる方もいらっしゃいますが、油断は禁物です。風しんにかかった記憶があっても、実は似たような病気だったということが少なからずあります。当時は、風しんだと確定するための血液検査までは行っていないケースが多く、医療機関で風しんだと診断されていても、免疫があるとは言い切れないんです」(久住先生)

また、予防接種をしたことがある人でも、1回だけという場合は、十分な免疫が作られていない可能性もあるそうです。

「『過去に風しんワクチンを2回接種したことがあり、その記録がある』または『風しんにかかったことがあり、血液検査で抗体があると証明されている』という人以外は抗体検査を受けるか、風しんワクチンを2回接種することが必要です」(久住先生)

■妊娠中はワクチン接種NG! いざというとき、あわてないよう早めの接種を

風しんの免疫があるかどうかは抗体検査(血液検査)でわかります。しかし、全額自費負担(約6,000~7,000円)で、検査結果がわかるまで1週間程度かかるとか。

「受診する時間が限られている社会人の方の場合は、抗体検査を受けずにワクチンを接種するという選択肢もあります。風しんワクチンは『生ワクチン』といって弱毒化したウイルスからできています。そのため、妊娠中は予防接種が受けられません。また、ワクチン接種後2カ月間は妊娠を控えたほうがいいため、妊娠を考えている人は早めにワクチンを接種しておきましょう」(久住先生)

風しんワクチンは、風しんのみのワクチンと、はしか(麻しん)も一緒に予防できるMRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)の2種類。今年は、はしかが流行するきざしがあり、できれば、MRワクチンがおすすめだとか。

「風しんは、一時期のような大流行はおさまったものの、今年も大人への感染が見つかっており引き続き注意してください。流行を防ぐには、85%以上の人が免疫をもつことが必要です。妊婦や妊娠を考えている女性だけが気をつけても流行を防ぐことはできません。パートナーや家族はもちろんのこと、学校や職場など社会全体で予防に取り組んでいく必要があります」(久住先生)

(取材協力:久住英二、文:齋藤純子+ガールズ健康ラボ)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.05)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年03月18日に公開されたものです

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