小泉純一郎に学ぶ!世論を味方につかむ方法
平成に入って、最も人気の高かった日本の首相って誰だと思いますか?いうまでもなく「小泉純一郎」さんです。彼は、日本の歴代の首相の中でもトップクラスの高い支持率を誇り、人気が下落しないまま辞任しました。それでは彼が高支持率を維持し続けた秘密に迫ってみましょう。
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世論の後押しで総理大臣に
小泉さんが首相になる前の自民党は、派閥のボスが仲間をできるだけ多く集め、総裁選で多数派を構成するという戦術が主流でした。ところが、当時の自民党は失政続きで世間からは派閥政治の批判が強くなっていました。そこにさっそうと登場したのが派閥のボスではない小泉さんで、彼は世論の圧倒的な後押しで総理大臣の椅子をつかんだのです。
反対派に「抵抗勢力」とのレッテルを貼る
小泉新首相は、高い支持率をバックに大胆な行財政改革に乗り出します。その一端が規制緩和策と郵政民営化でした。自身が所属する自民党内には反対派や慎重派も多かったのですが、小泉総理は、自説に反対する議員に「抵抗勢力」とのレッテルを貼り、このことで、世論には反対派が「改革を阻害しようとする一派」というイメージを形成することに成功します。
抵抗する議員には「刺客」で対決
世論を味方に付けた小泉首相は、「自分に反対する奴は全て抵抗勢力」という強権的な政治手法で反対派を黙らせました。さらに、それでも賛成しない議員には選挙で党の公認を外し、おまけに選挙地に「刺客」と名付けた対立候補を出馬させるという徹底ぶりでした。
結果は小泉自民党が選挙に圧勝したことで、ついに小泉首相の思うままの改革に成功したのです。
世論を味方に付けることが鍵
小泉元首相の成功の鍵は、一にも二にも世論を味方に付けたことでした。派閥政治への世間の根強い批判をはね返し、彼は絶妙の演説と見栄えの良いルックスで高い支持率を維持することができたのです。これは、かつて米国のケネディ大統領がテレビ演説によって形勢を逆転した現象と酷似しており、大衆をうまくコントロールする「ポピュリズム政治」とも呼ばれました。
「小泉流」から学ぶ点
小泉流の手法には、現在ではさまざまな批判も出てきてはいますが、あの時代に大きな政治的成果をもたらしたことは事実です。自分の意見を通すために、まず多くの味方を集め、反対する者を「抵抗勢力」とのレッテルを貼ってイメージダウンさせるやり方は、企業内でも学ぶ点がかなりあるといえるでしょう。
※この記事は2014年01月16日に公開されたものです