プチ不眠かも!? 睡眠薬に頼らずぐっすり眠るには? 漢方薬って有効?
Q子「残業は日常茶飯事です。帰るのは早くても10時とか。まあ慣れちゃいましたけど」
丸山先生「それは疲れてしまいますよね」
Q子「でも仕事だからしょうがないんです」
丸山先生「仕事中もイライラしてしまうことが多いですか?」
Q子「そうですね。以前はPMS(月経前症候群)っていうか、生理前にイライラしたんですが今は生理前だけじゃなくて生理中も職場の人にあたってしまうこともあって、自分で自分をコントロールできない感じです。これと不眠症って関係ないですよね?」
丸山先生「まったく関係がないということはないでしょうね」
Q子「えっ、なんか曖昧な言い方……。漢方薬が処方してもらえるって聞いてきたんですけど?」
丸山先生「もう少し、体調についても聞かせてください。食欲はありますか?」
Q子「あまりないですけど。でも、もともと胃腸は強いほうではないし」
丸山先生「なるほど」
Q子さんの体質や体の悩みをまとめると…
・イライラすることが多く、眠れない。些細なことでキレやすくなった
・動悸がする
・何をしても落ち着かない
・自分で自分をコントロールできない
・眠りが浅く、夢をよく見るようになった
・肩こりは常にある
・舌がやや紅い
・弦脈(脈が弓を張ったように固いこと)で細い
Q子さんの初診問診票はこんな感じです。あなたの傾向とは似ている? 似ていない?
丸山先生「Q子さんには抑肝散(よくかんさん)を処方します。肝気がたかぶっているのを抑える薬です」
Q子「肝気ってなんですか?」
丸山先生「漢方で『肝』というのは、自律神経やホルモン分泌など体を調整する機能をまとめて指します。この機能のことを『肝気』といいますが、このバランスが崩れると、イライラしたり、不眠になったり……という症状が出ることがあります」
丸山先生の初心者講座1
神経がたかぶり、ちょっとしたことで人とぶつかってしまうという患者さんもいますが、よく聞いてみると原因はストレスにあることも。その患者さんの性格のせい、ということではないので他人に当たってしまうからといって自己嫌悪に陥るのは悪循環の元。自分を責めすぎないようにしましょう。
Q子「不眠だけではなくてイライラも抑えることができるなら一石二鳥だなぁ」
丸山先生「不眠にもいろいろなタイプがありますが、Q子さんの場合は神経が過敏になっていることと関連しているようです。抑肝散はPMSでイライラが強い場合に用いることもあるんですよ」
Q子「そうなんですね。やっぱり仕事が忙しすぎるのが原因なのかなあ……。忙しい女性に多い症状ですか?」
丸山先生「どちらかというとそういう傾向はありますね。子育て中で忙しい女性にも見られます」
丸山先生の初心者講座2
抑肝散は子どものひきつけ・癇癪や、極度にあがり症な人が緊張を緩和するために用いることもあります。
Q子「わかりました。できるだけリラックスする時間もとるようにします」