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そもそも、介護にはどのくらいお金がかかるもの?

花輪 介護保険制度は法律で定められた制度のため、40歳以上の人は全員加入し、介護保険料を支払う義務があります。介護保険を使うと実費の1割で、さまざまな介護サービスを受けられます。ただ、介護サービスを受けるためには申請し、「要介護・要支援」と認定されなくてはいけないんです。

編集部 そうなんですね! 知らないことばかりです……。

花輪 介護保険には、介護が必要になったときに住宅のリフォーム工事費用をサポートしてくれる制度もあります。対象となる工事は「手すりの取り付け」や「段差の解消」、「床材をすべりにくものに変更」など。要介護認定を受けていて、被保険者本人が実際に住んでいることなど、一定の条件を満たせば、20万円を限度額として、工事費の9割が支給されます。

編集部 今すぐではないかもしれませんんが、いざ必要になったときに役立ちそうですね!

花輪 自治体によっては親との近居や同居を支援する制度もあります。例えば、品川区では、親世帯との近居・同居を行う場合、転入・転居費用の一部を協賛企業提供の品目に交換できるポイントとして交付してくれますし、千葉市では住居費そのものを補助してくれます。

編集部 なるほど。自分の住んでいる地域の制度を調べてみるのも面白そうですね。

花輪 もし、親との同居を考えるなら、将来の相続についても考えておいたほうがいいかもしれません。「小規模住宅地の特例」など相続に有利な制度もあります。小規模宅地等の特例とは、被相続人の自宅や事業用の土地に対して、一定の基準を満たすと、限度面積までの部分について土地の評価額を減額するという制度です。税金について詳しく知りたいときは、税務署の無料相談などを活用してみるのがオススメ。日本FP協会でも無料でファイナンシャルプランナーが相談にのってくれますよ。

遠距離介護に役立つ「介護割引」

人によっては、親と離れて暮らしながら介護をするというケースもあります。飛行機を使って頻繁に帰省する生活が何年も続くとなると、交通費の負担はかなりなものに。日本航空(介護帰省割引)や全日空(介護割引)、スターフライヤー(同)など、介護を目的とした帰省のための割引制度を用意している航空会社もあります。こうした制度を使うかどうかで、負担は大きく変わります。“なんとなく”ではなく、しっかり調べて活用しましょう。(花輪陽子)

※この記事は2013年10月22日に公開されたものです

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