お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

違うルートを歩く、電話しながら歩く……その防犯対策が間違ってないか専門家に聞きました

女性が被害に遭うニュースがあとをたちません。明るいうちに家に帰りたい、暗いところは歩かないように……とは思いながらも、仕事などでどうしても帰りが遅くなるときもあるでしょう。そんなとき、どう対処しているのか、働く女性に聞いてみました。

Q.夜のひとり歩きや人通りの少ないところを通る時など、日常生活で身の危険を感じるシチュエーションはありますか?

ある…71.1%
ない…28.9%

あるという意見が7割を超えました。怖いですね……。そんなとき、敵をコテンパンにのすことのできる護身術を習得していればいいんですが、誰しもがそうとは限りません。そこで、護身術にかわる工夫を聞き、その工夫が果たして正しいかどうか、護身用品専門店KSP白石浩一さんに聞いてみました。

【ひとり暮らしの女子の防犯ポイントは? ⇒】

・「防犯ブザーを持っている」(26歳/鳥取県/学校・教育関連)

「防犯ブザーは一見良さそうに見えるんですが、オススメはしません。一度、試しに住宅地のど真ん中で音を出したことがありますが、誰一人外に出てくる人はいませんでした。やっぱり自分が襲われたら怖いですし、現代人は様々な音に慣れてしまっているので、効果はゼロに近いでしょうね。自分の身は自分で守る、という意識が大切です」

・「夜一人で歩く時は、時々後ろを振り返りながら歩く」(22歳/茨城県/その他)

「周囲を気にしながら歩くのは、なんとなく失礼に思ってしまうかもしれませんが、『私はあなたに気付いていますよ!』というアピールになるので、犯人への抑止力に繋がります。似た話では、宅配業者を装って来る犯人もいるので、宅配便が来た時もドアを開けず、チェーンロックをしたままやり取りをして、荷物は外に置いて帰ってもらうといいでしょう」

・「電話をしながら早歩きをする」(27歳/愛知県/運輸・倉庫)

「これはよく実践している人がいますが、間違いです。電話でいつでも助けを呼べるように、という意味なんでしょうが、犯行におこなわれる時間なんてせいぜい2~3秒。電話をしていようがいまいが犯人にとっては関係ありません。更に、電話に意識が集中していると、こっそり近寄ってくる犯人にも気づきにくくなります。電話や音楽を聴くなど、五感を塞ぐようなことはせず、神経を研ぎ澄ませて歩きましょう」

・「毎日同じルートを歩かない」(27歳/千葉県/アパレル・繊維)

「待ちぶせを防ぐという意味でも効果的です。手間はかかるけど、ルートだけでなく、駅に降り立つ時間もばらつかせると尚いいでしょう」

・「道路側の手でカバンをもたない」(28歳/千葉県/人材派遣・人材紹介)

「これは正しい工夫です。ひったくり犯にとっては、ターゲットはほかに山ほどいるので、少しでも盗りづらいなと思ったらすぐに諦めます。でも、もしバイクにのったひったくり犯に荷物を引っ張られたら、抵抗せずにすぐに放すこと。そうしないと体ごと引きづられて、更に大きな被害を被ってしまいますからね」

・「人通りの少ない道を通る時は、腕時計をナックルの代わりに握り、片方の手には携帯電話を持ち、すぐに電話ができるようにしている」(26歳/北海道/食品・飲料)

「いつ襲われても対処できるように身構える気持ちは大切です。でも、犯人が男だった場合、女性のパンチはほとんど効かないと思ってください。そんなとき、ブザーより携帯より持ち歩いていてほしいのが催涙スプレーです。シュッと一吹きするだけで目を潰され、相手は動けなくなってしまうので、その隙に逃げて通報してください。間違っても立ち向かったりしないこと。何が一番大事か考えて行動してくださいね」


夜道など危険が潜んでいそうな場所を歩くときは、いつ襲われても対処できるように身構えておくことが大切なんだそうです。力で立ち向かうのではなく、ここで出てきた対処法を取り入れたり、改めて自分の安全について考えてみてはいかがでしょうか?

(齋藤ジョン市)

<取材協力>
護身用品専門店KSP
http://www.s-web.or.tv/

※この記事は2013年10月17日に公開されたものです

SHARE