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【新連載】おれんち泊まれば? 10年ぶりの再会は急展開をむかえ……

「じゃあ次、次は……純ちゃんの番!」
「はーい、いっきまーす!」

その週の金曜夜は、いても立ってもいられず、
友人たちを誘って、
オールナイトでカラオケに行った。
わたしも入れて、全員で4人。
お酒をたくさん飲んで、立って歓声をあげる。

ときどき「みんな実は帰りたいんじゃない?」
と思ったけれど、
でももう終電もなくなっちゃったし、
今さらそんなことを考えても仕方ないしで、
半分ヤケになってタンバリンを振り回す。
いやこれも夢中になれば、けっこう楽しい。

こうして、まるで大波に揺られるように、
楽しさと虚しさの間を行ったり来たりして、
最後はクタクタで何も考えられなくなる頃、
夜が明けて始発電車の時間になった。

「誘ってくれてありがとう。楽しかった!」
友だちはみんな、口々にそう言ってくれた。
……もしかしたら内心は違っても、
わたしはその言葉を、感謝しながら、
ありがたく真に受けることにした。

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