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【新連載】おれんち泊まれば? 10年ぶりの再会は急展開をむかえ……

「よ、ここ、ここ!」
小料理屋さんに入ると、席にいた彼が笑顔で手を上げた。
……むかし付き合っていた頃も、
ファミレスでこうして待っていてくれてたっけ。
高校時代、バスケット部の部長だった啓太は、
背も高くてやはり目立つ。
そういえば、成績もよかったし人気もあった。
そして今も、素直に素敵だと思う。

「なんか、東京で茜と会うと不思議な気がする」
「わたしも、こっちで啓太に会うと不思議な感じ」
そういってわたしたちは、ケラケラと笑った。
やっぱりおたがい未だに、高校時代のイメージが強い。
それでも彼のシャツの大人っぽい着こなしや、
当時薄かったヒゲが、今はだいぶ濃いところに、
10年近い月日がたったことを実感する。

「同じクラスの山本さんと青木が結婚しただろ?」
「あ、そういえば前に聞いたことあった」
「青木とさ、同じ顔の男の子が生まれたよ。激似」
まるで親しい女友だちみたいに、話が弾んだ。
食事を終えると、当然のように次は飲みに行き、
アルコールが入るとさらに話は盛り上がって、
気がつくと、終電の時間はもうとっくに過ぎていた。

「なあ、おれんちに泊まっていっちゃえば?」

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