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【新連載】おれんち泊まれば? 10年ぶりの再会は急展開をむかえ……

Story1 ★サプライズ

それはお盆休みに、実家に帰省した時のこと。
「じゃあ、クラブサンドとドリンクバーで」

ウエイトレスさんが去ると、
背もたれに体を預けてふうっと長く息を吐いた。
予想はしていたけれど、
やはり兄夫婦と帰省が重なったのは痛かった。
兄とも兄嫁のヨウちゃんとも仲良しだけれど、
3歳の姪と5歳の甥のふたりがやかましすぎる。

ヨウちゃんが必死におとなしくさせようとするのに、
父も母も孫かわいさにデレデレだから、
子どもたちもソコを見抜いて静まる気配もない。
なのでこうして一番近いファミレスまで逃げてきた。

ジンジャーエールをとって席に戻ると、
窓の外には昔と同じ、車の行き交う国道が見える。
「高校の頃、よくここで啓太とデートしたな」

あの頃大好きだった、同級生の彼。
もう何を話していたのかも覚えてないけど、
とにかく毎日長い時間、この席に座っていた。
啓太……元気にしているかな?

「あれ、茜……茜だろ? うわっ、ひさしぶり!」
驚いて振り返ると、後にその啓太が立っていた。

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