雑誌やテレビで人気の「節約テク」がうまくいかないのはなぜ?
恋愛、転職、結婚、出産……、さまざまなライフイベントに、マネーの悩みはつきもの。なかなか人には相談しにくいお金とライフプランのお悩みを、編集部が読者に代わり、FP花輪陽子さんにガチンコ相談!
今回の相談者は「無駄遣いしなくてすむ仕組みを知りたい!」というぱたこさん(26歳)。自分なりに毎月の予算は立てているものの、誘いを断れなかったり、ストレスから買い物をしたりしてしまうなど予算オーバーしてしまうとか。きちんと守れる予算の立て方をFP花輪陽子さんに聞いてみました。(取材・文/島影真奈美)
※ぱたこさん前編はこちら
予算オーバーを回避するにはどうすれば?
転職や結婚、引っ越しを考えているのですが、貯金が思うように貯まらないので将来に対する不安がいつもあります。毎月の予算を立てているものの、思わぬ出費があって、予算オーバーになってしまうことがほとんど。「お金を『袋わけ』すると無駄遣いしなくなる」と聞いてやってみたものの、なかなかうまくいきません……。無駄遣いしなくなる仕組みまたは、現実的に守れる予算組みの方法を教えてください。(ぱたこ/通信/技術職/26歳)
【ぱたこさんprofile】手取り年収276万円、手取り月収18万円。実家暮らしだが、平日の朝食と昼食はほぼ自炊。1日3時間ほど残業があり、20時~20時30分ごろ退社、22時ごろに帰宅することが多い。よく行く駅ビルがあり、月に2~3回は会社帰りに立ち寄るのが楽しみ。また、月2回程度、同僚と会社の近くで食事をする。予算は1回あたり4,000円~5,000円。土日が休みで、土曜に遊びに行き、日曜は家で過ごすというのがスタンダードな過ごし方。ランチをしたあと、散歩をし、駅ビルをブラブラしたあと、レストランで食事をすることが多い。そのときに、衝動買いをしてしまうこともしばしば。
編集部 今回の相談者のぱたこさんは、自分なりに予算を立てたり、「袋わけ」にチャレンジしたりするなど工夫されているんですが、思うように貯蓄が貯まらないのが悩みだとか。
花輪陽子(以下、花輪) 入社3年目で300万円以上貯蓄があるのは、かなり順調なほうですが、もっとしっかり貯蓄したいという思いが強いのかもしれませんね。
編集部 今お付き合いしている彼と結婚も考えているし、引っ越しも検討しているそうで、これからいろいろお金がかかるという点にも不安を感じているようです。
花輪 まず、かかりそうなお金を書き出してみるといいかもしれません。たとえば、結婚式ですが、平均額を調べてみると、結納から挙式・披露宴・披露パーティ総額が343.8万円(*1)。ご祝儀総額が約226.3万円(*2)。どのような式を挙げたいかにもよりますが、自分で用意する額としては、100万~200万円がいちばん多くなっています。
編集部 そう考えると、ぱたこさんの貯蓄額なら、そんなに焦る必要はないとも言えそうですね。
花輪 出費の仕方にメリハリがきいているので、おそらく貯蓄上手な方なんだと思います。ただ、ひとり暮らしをはじめると、実家暮らしのときほど自由にお金を使えなくなるので、やりくりスキルを磨いておいて損はありません。
編集部 「予算を立てたはいいけれど、その予算を守れない」というのは、ぱたこさんに限らず、多くの女性に共通する悩みかと思うんですが、どうすれば、その状態を脱出できるんでしょうか。
花輪 チェックしたいのはまず、「無理のない金額で予算を立てているかどうか」という点です。あまりにもきっちり予算を立てすぎると、結局、毎回オーバーしてしまい、月々どれぐらい使っているかわからなくなってしまう……といったことも起こりがち。現実的な予算を立てて、その予算をしっかり守るというところからスタートするのがオススメです。
編集部 現実的な予算を立てるには、何からはじめればいいですか?