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現代人は生理の回数が激増! 子宮環境がアブナイって本当?

子宮にできるコブ“子宮筋腫”のリスク

一方で子宮筋腫の場合も、未妊婦のほうがリスクが高いことがわかっています。

子宮は骨盤のいちばん奥底にあって、にわとりの卵大の臓器です。子宮の壁は厚さ1~2cmの平滑筋という筋肉からできています。普段は卵大ですが、妊娠すると柔らかくなり、赤ちゃんを入れて大きく膨らみます。子宮の筋肉に丸く硬いコブができて徐々に大きくなるのが子宮筋腫で、妊娠回数の少ない女性のほうが発症しやすいと言われています。

このように生理の回数が多いとリスクも高まりますから、すぐに妊娠を希望しない人は、ひとまず婦人科でピルを処方してもらって生理をコントロールすることを積極的に考えるといいそうですよ。

仕事、冷え……そのほかにも子宮環境を悪くする要因はたくさん

ほかにも働く女子の卵巣や子宮といった、生殖にかかわる骨盤内臓器に悪影響を及ぼす要因はたくさんあります。

たとえば働く女子と切り離せない、仕事のストレスもNG。ストレスは卵巣の働きに影響を及ぼします。卵巣そのものは視床下部や脳下垂体から出されるホルモンの刺激で働いていますが、指令を出す視床下部が脳(大脳や大脳辺縁系など)からのストレスを感じると、卵巣を刺激しなくなってしまうこともあるんです。だからあまりくよくよしないで、日々ポジティブに過ごすほうがいいみたい。

おなかを冷やすのも、よくないそうです。子宮は骨盤の奥底にあるのだから冷えにくいのではないかと思う人もいるかもしれませんが、おなかや下半身が冷えると血液の循環が悪くなりますので、気をつけたいところ。

もうひとつ、欧米型の脂肪をたくさんとる食生活も、子宮内膜症のリスクを高めるそうです。子宮は筋肉の塊ですから、内臓脂肪のように脂肪と筋肉の霜降り状態になるってことはありませんが、脂肪のとり過ぎによって内膜症のリスクは増すという研究報告はあるそうです。脂肪をとり過ぎないバランスのいい食事はリスクを下げると言えるみたいですよ。

いかがでしたか? 今回は生理の激増が子宮環境に及ぼす状況を見てきましたが、生理って意外に私たち女性のカラダにいろんな影響を与えていたんですね。次回は生理の仕組みについて見てみます。

産婦人科医 永田順子先生

こころとからだの元氣プラザ 婦人健診課医長、東京医科大学兼任准教授、専門は婦人科腫瘍。「月経不順や生理痛など気になることがあれば、自己判断でがまんするより、受診してみてください。病気予防はもちろんですが、健康へのアドバイスができればと考えています」。

(取材協力:永田順子、文:小池直穂、イラスト:macco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.28)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年05月27日に公開されたものです

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