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おトクなはずが、逆に損する!? “マネーの落とし穴”回避術

花輪陽子

花輪 参考意見のひとつとして聞いている分にはいいのですが、「仲のいい人の勧めだから」「信頼している人が言っていたから」と、先輩のアドバイスをうのみにするのは考えものです。保険に限らず、営業担当の方であれば、営業ノルマがある場合もあります。また、勧めている本人も実はさほど知識がなく、リスクを認識しないまま“営業マンにとってのオススメ商品”を勧めてしまうケースもあります。

編集部 なるほど……。相談する相手は慎重に選んだほうがよさそうですね。

花輪 “ちょっとおトク”を狙ったつもりが、逆に損をしてしまうケースは意外と多いんです。相談役には「利害関係がなく、中立の立場からアドバイスしてくれる人」を選ぶのがベター。不用意に「お金のことがわからない」「自分に合う保険を教えてほしい」などと話してしまうと、強引なセールスにあうなどの厄介ごとを引き寄せてしまう恐れがあるので、注意が必要です。

編集部 memecoさんは運用に興味があるけれど、手元にいくらぐらいお金を残しておけばいいかわからないそう。こういう場合、どのあたりから考えてみればいいのでしょうか。

花輪 自分がいくらまでなら元本割れリスクを許容できるのかを整理する必要があります。まず、手取り月収の半年分にあたる120万円は、いざというときの生活費として手元に残しておくのがオススメ。さらに、数年以内に使う予定が決まっているお金は投資資金にせず、手をつけずに置いておくお金と考えたほうがいいですね。

編集部 たとえば、今のところ結婚は考えていないけれど、2~3年以内に結婚したいという場合、結婚資金は投資にまわさないほうがいい?

花輪 そうですね。使う予定がはっきりしているものは、なるべくリスクを取らずにいきましょう。

編集部 そう考えると、先輩に「100万単位でまとめて運用したほうがいい」とも勧められたけれど、決心がつかずにいたというのは正解だったかもしれませんね。

花輪 いきなりたくさん投資してしまうのは失敗のもと。運用をはじめる前にしっかり投資について勉強し、月1万円程度の少額からはじめるのがポイントです。

編集部 投資の勉強はまず、どんなことをすれば……?

花輪 初心者向けのものでも構わないので、投資について書かれた本を最低5冊は読み、基本的な投資用語や仕組みを理解しておくことをオススメします。

「あの人が言うなら大丈夫!」とうのみにせず、自分で考えるクセをつけて

「自分にとって必要な貯蓄はいくらぐらいか」「どの程度、保険をかけておけばいいのか」といった、お金にまつわる悩みはつきませんが、これらの答えはすべて自分の中にあります。全員にとっての“正解”はないのがお金の世界です。あなたにとって、本当に必要なものを知っているのは、実はあなた自身しかいないはず。自分と向き合い、自分が今後の人生をどのように送っていきたいのか、整理してみることが大切です。(花輪陽子)

※この記事は2013年03月05日に公開されたものです

花輪陽子

ファイナンシャル・プランナー。OL時代は借金200万円の“貯まらん女”だったが、2009年に「夫婦同時失業」を経験し、ファイナンシャル・プランナーに転身。『夫婦で一生に必要なお金がしっかり貯まる本』(PHP研究所)、『大増税時代を生き抜く共働きラクラク家計術』(朝日新聞出版)、『貯まらん女のお金がみるみる貯まる魔法のレッスン88』(マガジンハウス)、『貯金ゼロ 借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など著書多数。 http://yokohanawa.com/

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