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「ご回答いただけますと幸いです」の正しい使い方とは? 意味と注意点、言い換え表現(例文付き)

にほんご倶楽部

「ご回答いただけますと幸いです」は、相手に回答を求める時のフレーズです。ビジネスシーンで使う場合、適切なのでしょうか?

この記事では「ご回答いただけますと幸いです」の意味と使い方、注意点、言い換え表現について例文と共に紹介します。

「ご回答いただけますと幸いです」とは

まずは、「ご回答いただけますと幸いです」の意味を確認しましょう。

「ご回答いただけますと幸いです」の意味

「ご回答いただけますと幸いです」は、「回答してもらえるとうれしいです」という意味のビジネスフレーズ。

「ご回答」は、「回答」に接頭語であり尊敬語の「ご」をつけた言葉です。(※「ご~いただく」で1つの謙譲表現という考え方もあります)

かい‐とう〔クワイタフ〕【回答】
読み方:かいとう

[名](スル)質問・要求などに答えること。また、その答え。「調査に—する」「満額—」
→返事[用法]

(『デジタル大辞泉』小学館)

また「いただく」は「もらう」の謙譲語。「幸いです」は「幸せ」「ありがたい」という意味の言葉です。

さい‐わい〔‐はひ〕【幸い】
読み方:さいわい

《「さきわ(幸)い」の音変化》

【一】[名・形動]

1 その人にとって望ましく、ありがたいこと。また、そのさま。しあわせ。幸福。「不幸中の—」「君たちの未来に—あれと祈る」「御笑納いただければ—です」

2 運のいいさま。また、都合のいいさま。「—なことに明日は休みだ」

3 (「さいわいに」の形で)そうしていただければしあわせだと人に頼む気持ちを表す。どうぞ。なにとぞ。

「読者—に恕せよ」〈蘆花・自然と人生〉

【二】[副]運よく。都合よく。幸せにも。「—命だけは助かった」「—と事はうまく運んだ」

(『デジタル大辞泉』小学館)

「ご回答いただけますと幸いです」は敬語?

「ご回答いただけますと幸いです」は、自分をへりくだって相手を敬う謙譲語です。

「ご~いただく」が大きな敬意を示す定型フレーズ。 そして「幸いです」と表現することで、相手に命令するのではなく、「してくれたらうれしいです」と柔らかにお願いできます。

つまり「ご回答いただけますと幸いです」は、相手を敬いながら依頼の気持ちを伝えられる表現です。

「ご回答いただけますと幸いです」の使い方と注意点(例文つき)

「ご回答いただけますと幸いです」は、主にビジネスシーンで使うフレーズです。相手に対して命令したり強く要求したりというニュアンスはなく、プレッシャーを与えずに依頼できる表現だといえます。

ここでは、使い方と注意点を見ていきましょう。

(1)希望の回答期日を一緒に伝える

仕事に関する不明点を教えてほしい時や日程調整をしたい時などに、「ご回答いただけますと幸いです」は使えるでしょう。

依頼をする際は、希望の回答期日を一緒に伝えるのがベター。そうすることで、相手はスケジュールを立てやすくなります。

例文

・来月の会議の出欠について、今週水曜までにご回答いただけますと幸いです。

・お手元のアンケートは、明日中にご回答いただけますと幸いです。

(2)クッション言葉を付けるとベター

「ご回答いただけますと幸いです」は、へりくだって自分の依頼を伝えられるフレーズです。

目上の人や取引先などに対して使う場合は、「お手数ですが」「恐れ入りますが」などのクッション言葉を付け加えることで、より丁寧な印象を与えることができるでしょう。

例文

・研修後アンケートは、明日中にご回答いただけますと幸いです。お手数ですがよろしくお願いいたします。

お忙しいところ恐れ入りますが、今週末までにご回答いただけますと幸いです。

「ご回答いただけますと幸いです」の言い換え表現

ここでは、「ご回答いただけますと幸いです」の言い換え表現を紹介します。相手はシーンに合わせて、より適切なフレーズを使いましょう。

(1)「ご回答いただけますと幸甚です」

「幸甚(こうじん)」とは、「この上ない幸せ」を意味する言葉です。

こう‐じん〔カウ‐〕【幸甚】
読み方:こうじん

[名・形動](多く手紙文で用いて)この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま。「—の至り」「—に存じます」

(『デジタル大辞泉』小学館)

相手に対してより丁寧な表現をしたい場合は、「幸いです」を「幸甚です」に言い換えてみましょう。

ただし、かなりかしこまった表現であるため堅苦しい印象を与えてしまう可能性も。多用しすぎないのがベターです。

(2)「ご回答いただけますとありがたく存じます」

「ご回答いただけますとありがたく存じます」は「回答してもらえるとありがたく思います」という意味の丁寧な表現。

遠回しに依頼することができるフレーズです。

あり‐がた・い【有(り)難い】
読み方:ありがたい
[形][文]ありがた・し[ク]《あることがむずかしい、の意から》

1 人の好意などに対して、めったにないことと感謝するさま。「―・い助言」「―・く頂戴する」

2 都合よく事が進んでうれしく思うさま。「―・いことに雨がやんだ」「社にとっては―・くない状況だ」

3 またとないくらい尊い。もったいない。「―・い仏様」「―・いお言葉」

4 存在しがたい。珍しい。めったにない。
「―・きもの、舅にほめらるる婿」〈枕・七五〉

5 むずかしい。困難だ。
「前車の轍(てつ)を見る事は誠に―・き習ひなりけむかし」〈神皇正統記・後醍醐〉

6 世に生きることがむずかしい。生活しにくい。
「世の中は―・く、むつかしげなるものかな」〈源・東屋〉

[派生] ありがたがる[動ラ五]ありがたげ[形動]ありがたさ[名]ありがたみ[名]

(『デジタル大辞泉』小学館)

存ずる(ぞんずる) の意味
[動サ変][文]ぞん・ず[サ変]

1 「知る」「承知する」の意の謙譲語。「知らぬ―・ぜぬでらちがあかない」
2 「思う」「考える」の意の謙譲語。「お変わりなくお過ごしのことと―・じます」

(『デジタル大辞泉』小学館)

(3)「ご回答賜りますようお願い申し上げます」

「ご回答賜りますようお願い申し上げます」は、「回答をもらえるようお願いします」という意味の丁寧な表現。

「賜(たまわ)る」がかなりかしこまった表現であり、メールなど書き言葉として使用するのが良いでしょう。

たまわ・る〔たまはる〕【賜る〔賜わる〕/▽給わる】

1 「もらう」の意の謙譲語。目上の人から物などをいただく。ちょうだいする。「日ごろお客様からご愛顧を―・っております」
2 「与える」の意の尊敬語。鎌倉時代以降の用法。目上の人が物などをくださる。「臣下に金一封を―・る」
3 神の許可を得て、通行を許してもらう。
4 (補助動詞)動詞の連用形、また、それに「て」を添えた形に付いて用いる。

(『デジタル大辞泉』小学館)

「ご回答いただけますと幸いです」は丁寧に要求を伝える表現

「ご回答いただけますと幸いです」は、相手にプレッシャーを与えることなく、回答を促すことができるフレーズです。

ビジネスシーンにおいて、相手を不快にさせず自分の要求を伝えるのは重要なスキルでしょう。ぜひ言い換え表現も覚えて、シーンに合った適切な表現を使い分けてみてくださいね。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

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