今のままじゃダメ? 周囲から結婚を急かされた時の迷い方
恋の悩みは尽きませんよね。まるで光のない森の中をさまよっているようで。この連載では、恋愛コラムニスト・浅田さんが「解決方法」ではなく「美しく迷う方法」を提案します。
恋の悩みは永遠ですよね。
「どこにも答えはない」
「どうすべきかは分かるけど、それができない」
暗い森の中をあてもなくさまよっているようだと思いませんか。
このコラムは、そんな貴女に「解決法」をお伝えする――ことはしません。周りのアドバイスで変わるくらいなら、既に迷いの森から脱出できているでしょうから。
その代わりに「美しく迷う方法」を提案しようと思うのです。
たとえ正解のない恋に悩まされていたとしても、美しく迷うことならできそうじゃありませんか。そこで発見できることもあると思うのです。
どうせ恋に迷うなら、光の方に迷ってみませんか?
本日の迷いの森
「正直、今の生活で満足してる。恋愛や婚活をする気に今はなれない。周りは恋愛しなくてはいけない空気を出してくるけど、私って間違ってるのかな……」
こういう種類の悩みもあるものですよね。
恋の悩みというよりは、そもそも「恋をする気になれない」のが悩みというわけです。
いろんな理由があるでしょう。現代社会は楽しいものに溢れていますから。恋愛以外にも夢中になるものがあるだとか、夢を追い掛けるのに忙しいだとか、仕事が忙しくて(やりがいがあって)恋愛の優先度を下げざるを得ないだとか。
なのに、周りは「どうして恋しないの?」「好きな人いないの?」「そろそろ結婚のことも考えたら?」と投げ掛けてくるのですね。
言葉にしなくても、周りの女性たちが結婚したり、子どもを授かったりという報告を耳にするたびに、無言のプレッシャーを感じることもあるでしょう。テレビドラマの中でさえ、主人公はいつだって、恋をかなえようと努力しています。
さらには、こうしている間にも、母親から「ねえ、同級生の○○ちゃんも結婚したんだって」と、意味深なLINEが送られてくるのかもしれません。ドキッとする瞬間ですよね。
正直、焦りますよね。私は悪いことをしているのかな、と。
好きなように生きているだけだし、この日常に満足している。誰かに迷惑を掛けているわけでもないし、無理に恋をするのも違うと思うんだけど、それなのに謎の罪悪感を覚えてしまう――。
好きに生きたいだけなのに、どうしても恋愛や婚活をしなくてはいけないのでしょうか? 窮屈さを感じながら、いつまでも迷いの森を歩くばかりです。
この森に迷いがちな女性のタイプ
ズバリ言うと「他人の目を気にしがちな女性」になります。
当たり前の話ですが、どんな女性にも気にしがちな側面はあるものです。
とはいえ、その傾向が強い女性ほど、この森に迷いやすくなるのですね。周りの意見と、自分の人生は別のはず。なのに、つい他人の意見が気になってしまうのです。
もちろん、周りのことを気に掛けずに生きるのは不可能です。
ですが、「他人は他人、自分は自分」というのも真実なはずです。このことを、どれだけ理解できているか(アクションに生かせているか)が人生を歩む上でのコツなのかもしれません。
そうでないと、他人が「貴女はこう生きた方がいいと思う!」と書いた脚本を生きることになってしまいますから。
このタイプの女性は迷いの森に入ると、流されるか、身動きがとれなくなりがちです。他人の書いた脚本をとことん気にしてしまうから。オリジナルを貫けなくなるのですね。
そして日々を過ごしながら、「ああ、やっぱり私が間違っているのかな。それとも――」と、窮屈さを感じては、迷いの森を進むことになるのです。
迷いの森の美しい歩き方
初めにお伝えした通り、どうこうすべきだなんてアドバイスはしません。
恋をするも恋をしないも、人それぞれだと思うから。極論、私たちは他人の人生に口出しをする権利を持っていないのです。
ここでは、その代わりに、より美しく迷う方法を提案させてください。
その森の中で「人と関わる楽しみを増やす」というのはいかがでしょう?
確かに、貴女の毎日は充実しているかもしれません。毎晩趣味にのめり込んだり、いつもの友人と出掛けたり、日々仕事に打ち込んだり。それは、すばらしいことです。
とはいえ日々の満足も、どんどんルーティン化していくものです。週末はいつものメンバーと女子会になったり、よく考えたら部屋にこもってSNS巡回ばかりしていたり、というように。
もちろん、それも自由ではあります。
しかし、少しくらいは「率先して、新しい人と関わる楽しみ」を増やすように心掛けるのも大事だと思うのです。快適な部屋も、時には窓をあけて風を吹かせた方がいいように。
どんどん新しい人と出会って、いろんな経験をして、多くのことを感じて。
忘れがちですが、これが人生の楽しさでもあるはずです。この点さえ忘れなければ、恋愛なんて、してもしなくてもいいんじゃないでしょうか。
大事なのは「人生を開いておくこと」だと思います。
もしかすると、すてきな人が現れるかもしれません。積極的に恋の道を進まなくても、あなたのもとにやってくる人なら、受け入れてみてもいいじゃないですか。そこまで気張らなくとも、出会いを増やすことが悪いはずありませんよね。それくらいの感じですよ。
迷いの森の奥に、ちらりとでも光がのぞいたなら幸いです。美しく迷ってくださいませ。
(文:浅田さん@令和の魔法使い、イラスト:はヤせあヤき)