彼氏が結婚してくれない。二人の関係が進まない時の迷い方
恋の悩みは尽きませんよね。まるで光のない森の中をさまよっているようで。この連載では、恋愛コラムニスト・浅田さんが「解決方法」ではなく「美しく迷う方法」を提案します。
恋の悩みは永遠ですよね。
「どこにも答えはない」
「どうすべきかは分かるけど、それができない」
暗い森の中をあてもなくさまよっているようだと思いませんか。
このコラムは、そんな貴女に「解決法」をお伝えする──ことはしません。周りのアドバイスで変わるくらいなら、既に迷いの森から脱出できているでしょうから。
その代わりに「美しく迷う方法」を提案しようと思うのです。
たとえ正解のない恋に悩まされていたとしても、美しく迷うことならできそうじゃありませんか。そこで発見できることもあると思うのです。
どうせ恋に迷うなら、光の方に迷ってみませんか?
本日の迷いの森
「彼が結婚してくれない。さりげなくスルーされる。でも私は結婚したいの……」
大人の悩みというやつでしょう。
貴女には恋人がいるのですね──短くない期間を過ごした恋人が。その彼が「ちょっと忙しくて。今はタイミングじゃないかな。まだ、やりたいことがあるし」と、やんわり結婚から逃げているのかもしれません。正直、戸惑ってしまいますよね。
「お互いが好きだったら結婚したらいいだけじゃないの?」
「結婚しても、やりたいことはできるんじゃないの?」
一番近い存在のはずの恋人なのに、その心が分からない。愛されていない気もしてしまいますよね。つらい瞬間です。やっぱり付き合っているからには、いつかは結婚したいもの。そんなに難しい話でもないと思うんだけどな、と。
そして彼が苦々しい顔になったり、不機嫌になったり、気まずい空気が流れるから、その話すら持ち出せないまま季節は過ぎていく──。
「彼のことが分からない……」と、孤独を感じる瞬間かもしれません。
どうして好きな人と結婚することが、こうも難しいのでしょうか。たった一つの愛が欲しいだけなのに、毎晩、たくさんの涙をこぼしたりして。いつまでも迷いの森を歩くばかりです。
この森に迷いがちな女性のタイプ
ズバリ言うと「弱気な女性」になります。
もちろん、どんな女性であれ、気が弱くなる時はあるものです。特に好きな人には、強く言えないものだと思います。
とはいえ「弱気な女性」ほど、この森に迷いやすいのですね。相手にズバッと主張したり、「じゃあ別れるわ」と言ったりできないまま、いつまでも悩むことになるから。
もちろん、何でもかんでもズケズケ主張するのも美しくありません。けれど遠慮し過ぎて、相手に対して、まったく自己主張できない、というのも大変でしょう。
このタイプの女性は迷いの森に入ると、どんどん流されてしまいがちです。相手に「こうしてほしい」と主張するのが苦手だから。一度でも断られると、もう怖くなってしまうのです。
そして好きな人と過ごしながら、本当に愛されているのだろうか、と、心の奥で満たされない毎日を送ることになる──なぜ結婚できないのだろうと迷いの森を進むばかりです。
※もちろん貴女に問題はなくて、単に彼が結婚を避けているだけ、というパターンもあります。あくまで一例として参考にしてくださいませ。
迷いの森の美しい歩き方
初めにお伝えした通り、その恋を諦めるべきなんてアドバイスはしません。
貴女にとって、彼との結婚が最大の幸せなのは間違いないと思うから。
ここでは、その代わりに、より美しく迷う方法を提案させてください。
その森の中で「生活のセンスを磨く」というのはいかがでしょう?
結婚とは、生活の連続です。その達人になっておくのですよ。
初めての料理に挑戦したり、お気に入りのカップを見つけて紅茶を入れたり、友人に手紙を書いたり、夜にラジオを聞きながら散歩したり、など。
ささいなことで構いません。ちょっとだけクリエイティブに生活するのです。誰に見せるわけでもない、貴女だけの生活の楽しみを発掘しましょう。
悩み事があると、私たちは、つい生活をおろそかにしてしまうものです。汚れきった部屋の中で、インスタント食品ばかり食べるだとか。
しかし、この世で、最も丁重に扱うべきなのは「自分」なのですよ。
それを態度で示してみませんか、というご提案です。
まずは貴女自身が、貴女自身を、丁寧に扱うわけです。生活のセンスを磨くのです。すると恋人も気付くことになるかもしれません。こんなにも生活が上手に送れる子なんだ、と。言葉ではなく、行動で、貴女との、豊かな結婚生活をイメージさせることにもなるでしょう。
憧れるような生活をしてやればいいんですよ。彼がプロポーズしてきても「どうしようかな」と、もったいぶるくらいにね。
迷いの森の奥に、ちらりとでも光がのぞいたなら幸いです。美しく迷ってくださいませ。
(文:浅田さん@令和の魔法使い、イラスト:はヤせあヤき)
※この記事は2021年03月04日に公開されたものです