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もう限界。人間関係でストレスを感じる理由と対処法【心理学】

大塚統子(心理カウンセラー)

職場やプライベートなどの人間関係でどうしてもストレスは感じてしてしまうもの。なぜストレスを溜めてしまうのか、対処法は? 心理カウンセラーの大塚統子さんが心理学を用いた改善法について解説します。

悩みの内容に差はあっても、「人間関係に悩まない人はいない」と断言できます。悩んでいるのは自分だけではありません。

人間関係は、仕事の関係者や家族のようにリアルに顔を合わせる人のこともあれば、最近ではSNSやネトゲなど非対面の人との関係の場合もあります。

会ったことがない人との関係でもストレスは溜まるのです。

人間関係がうまくいっていると楽しくてやる気も出ますが、うまくいかないと悩んで気持ちが沈むでしょう。どんな人間関係を築いているかで生活に大きな影響があるのです。

今回は、あなたが今どれくらい人間関係のストレスを溜めているのかをチェックし、ストレスの原因と解消法を紹介していきます。

あなたの人間関係ストレス度チェック

以下の項目に、いくつ当てはまるかチェックしてみてください。

・自分は人から誤解されやすい方だと思う
・自分が話すより人の話を聞いていることの方が多い
・本当は嫌なことでも断るのが苦手
・人から言われたことの意味を悪く考える癖がある
・休日は人と出掛けるより一人でいる方が好き
・SNSで人の幸せ投稿を見るとイライラする
・言い合いになるより自分が我慢する方を選ぶ
・友達に自分から連絡することは少ない
・人に期待されると応えようと頑張る
・本音や弱音を話せる人がいない

当てはまるものが7個以上……いつもストレスがある高ストレス状態。ストレスを溜めやすい心理パターンを変えるといいのかも。

当てはまるものが4~6個……少しストレスを溜めている状態。相手を大切にするように、自分の気持ちも大切にしましょう。

当てはまるものが3個以下……ストレス度は低い状態。しっかり「自分」があって、人に振り回されることは少ないでしょう。

参考記事はこちら▼

他人に「本当の自分」を見せるのが怖い。周りとうまくいっていない気がする。そんなあなたは人間不信度が高いのでは?

人間関係のストレスとは? 仕事などで疲れたと感じる理由

人間関係のストレス原因はたくさんあります。ここでは心理的な原因を5つ紹介します。

(1)うまくコミュニケーションが取れない

意図していることが伝わらなかったり、言葉がきつくなったりしがちで、うまくコミュニケーションできなくてストレスになることがあります。

「分かってほしい」ことが伝わらない

特にストレスが大きくなるのは「分かってくれるはず」と思っている人に「分かってもらえない」「誤解されている」と思うこと。

家族や友達・上司や部下など意思疎通ができていると思っていた人に分かってもらえない時は強くストレスを感じるようです。

(2)他人を優先し過ぎる

人に気を使えるのは素晴らしいことですが、度が過ぎると自分に負荷が掛かります。

人の顔色をうかがったり、機嫌をとって相手に合わせたり、人に気を使い過ぎていると、相手を優先するのが当たり前になっていきます。

自分でも気が付かないうちに、自分の考えや気持ちを抑え、言いたいことを飲み込んで、ストレスが蓄積されていきます。

また、「みんなのために」「自分さえ我慢すれば」と自己犠牲をするタイプも、「なぜ自分だけ?」「私ばかり損をしている」といったストレスを溜めやすいです。

(3)自己有用感の不足

自己有用感とは「自分の属する集団の中で、自分がどれだけ大切であるかということを自分自身で認識すること」です。

他人との関係で「役に立った」「感謝された」「認められた」など、自分が必要とされていると思えると幸せを感じやすいものです。

その対極にあるのが「役に立っていない」「迷惑になっている」といった感情で、これらがストレスの原因になります。

自己有用感が不足すると、自分の居場所がないように思い、孤独を感じます。

(4)頑張りすぎてしまう

責任感が強くて「自分が何とかしなければ」と抱え込み、人を頼ることが苦手なタイプは、一人で頑張りすぎてしまう傾向があります。

人から頼まれると断らずに引き受ける、期待されると無理してでも頑張る、自分が辛くても人の相談に乗るといったことを続けていると、やがて限界がきてストレスフルになります。

(5)人と比較する

自分に自信があれば「自分は自分、人は人」と思いやすいのですが、自信がないと人と自分を比較することがあります。

そして多くの場合、人の優れている部分と自分のダメな部分を比べて「自分は不充分」と感じます。

SNSでの情報過多もあって、比較の結果、劣等感や嫉妬の感情が刺激されてストレスになるのです。

ストレスを感じやすいタイプの特徴

ストレスを感じやすい人にはいくつか特徴があります。下記記事をチェックしてみると、自分が当てはまっているタイプか分かるでしょう。

参考記事はこちら▼

同じ状況下なのに、ストレスを感じやすい人、感じにくい人がいます。一体どんな人がストレスを感じやすいのでしょうか。

人間関係で悩みを抱えないために大事な2つのこと

ここからは、人間関係のストレスを軽減する2つの考え方を紹介します。

(1)自分の感情に責任を持つ

心理的なストレスの元になる感情は、誰かに無理やり感じさせられているわけではありません。自分が感じているものです。

何を感じるのかは自分が決めることができますし、感じている感情を変えることができるのも自分自身だけです。

「誰かのせい」にするのではなく、「なぜ自分はこう感じるのだろう?」と考えるとストレス状態を抜け出すヒントが見つかるでしょう。

(2)期待を手放す

人に対して「○○してほしい」「○○するはず」と期待していると、望みが叶わなかったときにがっかりして、まるで裏切られたように思います。

自分自身に対しても、「もっと頑張れる」「○○できるはず」と過度な期待をしていると、プレッシャーになりますし、できなかったときに自分を責めてしまいます。

過度な期待は手放して、人にも自分にも「今できていること」を見つけて肯定するようにすると、ストレスから解放されるでしょう。

人間関係でストレスを溜めない対処法

ストレスは溜めないようにするのが一番ですが、いつの間にか溜まってしまうこともあります。そんなときに簡単に取り組めるストレス解消方法を紹介します。

(1)ストレスの元になる相手から距離を取る

可能なら、ストレスの元となっている人から物理的に距離を取りましょう。SNSやネトゲでの関係ならば、そこからしばらく離れましょう。距離を取ることで、気持ちが落ち着きやすくなるでしょう。

また、否定的・批判的・攻撃的な人や環境から離れることも有効です。

(2)周りの人に自分の気持ちを聞いてもらう

時間を区切って、信頼できる人に話してみましょう。アウトプットすることで心が軽くなるでしょう。

Twitterでつぶやいて発散する方法もありますが、表現する言葉は選ぶようにしましょう。

(3)好きなことをする

自分の気持ちを大切にして、好きなことを楽しみましょう。自分を主役にする感覚が取り戻せるでしょう。

(4)人に感謝する

周囲の人が自分のためにしてくれたことを見つけて感謝しましょう。自分が大切にされていると感じられるでしょう。

(5)体をほぐす

マッサージに行く、温泉に入る、ストレッチをする、エステを受けるなど、体が心地いいと感じることをしましょう。

ストレスが溜まっていると、体も凝り固まります。体をほぐす方法が合う人もいます。

参考記事はこちら▼

職場特有の人間関係を改善する考え方や話し方、苦手な人との関係でストレスをためないコツを紹介していきます。

限界を超える前に、上手な発散方法を見つけて

人間関係のストレスは自然に溜まっていくものです。自分がどんなことでストレスを溜めやすいのかを知り、自分に合ったストレス解消方法を見つけておきましょう。

ストレスフルになる前に自分をケアする習慣を持つと、心のバランスが保ちやすいでしょう。

(大塚統子)

※画像はイメージです。

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