お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

退職の切り出し方はタイミングが重要? 伝え方や注意点を解説

松本繁美(マナーアドバイザー)

おぜきめぐみ

退職をする際、これまでお世話になった会社だからこそ、円満に最後を迎えたいもの。そのためには退職するどれくらい前に切り出すべきなのか、最初に誰に伝えるべきなのか、気をつけるべきポイントはたくさんあります。今回は、そんな退職の切り出し方について、マナー講師の松本繁美さんにお聞きしました。

スマートな退職の切り出し方

退職を伝える時期とタイミング

申し出のタイミングは、退職の1~2カ月前です。法律では「2週間前に退職を申し出れば認められる」と定められています。しかし、引き継ぎや社内外への挨拶、有休や、給与、退職金などの計算をきちんとしてもらうためにも、早めの報告がよいでしょう。それらをかんがみて、2カ月前までの申し出が理想的です。ただ、現在では転職先から早期入社を求められるなどの理由から、1カ月前の申し出が一般的となっています。

また、退職の申し出に関しては、会社独自のルールを設けている企業もあるため、事前に就業規則を確認する必要があります。

退職を伝えるタイミングは、朝の時間帯、もしくは業務終了後の時間帯を選びましょう。忙しい時間帯だと「今は忙しい」と退職の話をそらされるきっかけになってしまう可能性があるためです。業務内容にもよりますが、上司のタイミングを計って切り出したいものです。

伝える相手(順番)

真っ先に伝えるべきは直属の上司です。たとえその上司が苦手であっても、飛び越してその上の上司に伝えたりしてはいけません。これは組織の鉄則です。直属の上司に伝えたあとの順序は、その直属の上司の指示をあおげばよいのです。

正しい伝え方

退職を切り出す際、メールや電話ではなく、実際に向かい合って伝えるべきです。メールや電話では一方的な印象となってしまい、上司との関係が大きく悪化することも考えられます。そうならないためにも、退職の意思は直接伝えるようにしましょう。

退職理由については、不平や不満は一切封じ、いわゆる「一身上の理由」や「次のステップに行きたい」など、前向きな内容を考えておきましょう。あくまで「個人的な理由」であることを伝えます。

退職を切り出したあとの注意点

どんなに親しくても先に同僚には告げない

同僚に先に伝えることは極力避けましょう。何かの間違いで噂が流れてしまうと、退職が困難になることがあります。また、転職先が魅力的であるほど、妬みをかう可能性もありますので注意が必要です。

横柄な態度やわがままは控える

希望が叶って転職先が決まり、ウキウキしたり、我慢していた会社を退職できて清々としたりする気持ちはわからないでもありません。とはいえ、それが態度に表れないよう気をつけたいものです。次が決まったからと、わがままな行動(遅刻、早退なども含め)は社会人として控えるべきでしょう。

最後まで淡々と業務をこなす

退職の日まで、引き継ぎがあったり、忙しさや、感情的にも複雑な面があったりもするでしょう。しかし最後まで平静心を心がけ、プロフェッショナルに業務をこなしましょう。

【番外編】新入社員が退職を切り出す場合

たとえ短い間でも、お世話になったという感謝の気持ちを伝えるべきでしょう。いろいろ教育をしてもらいながら、実戦力になる前に辞めてしまうわけですから、スタンスとしては「申し訳ございませんが……」という気持ちを持つべきです。

また次の転職先にも「我慢が足りない」「飽きやすい」といったレッテルを貼られたうえで臨まなければならないことは覚悟しておきましょう。前向きに社会人として成長していくことを、自分自身でイメージすれば大丈夫です。

ポイントを押さえて円満退職を

退職を伝える時期・相手・方法など、教えていただいたポイントをしっかり押さえて、円満退職を目指しましょう。そうして、お世話になった会社に別れを告げて、清々しい気持ちで新たなスタートを切ってくださいね。

(監修:松本繁美、文:おぜきめぐみ)

※画像はイメージです

SHARE