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生理中の黒い血の原因は? 経血の色を正常に保つ方法

尾西芳子(産婦人科専門医)

生理の血がいつもより黒い……。ふとナプキンを見て、そんな不安を抱いたことはありませんか? その原因がわからないからこそ、いつもと違う状態は心配になってしまうもの。では、安定して正常な経血の状態を保つには、どんな取り組みが必要なのでしょうか。そこで今回は、産婦人科医の尾西芳子先生に「黒い経血の原因と、経血の色を正常に保つ方法」について解説してもらいました。

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正常な経血の状態とは?

そもそも経血の状態が正常かどうかを判断するには、どんなポイントをチェックすればいいの? まずは、正常な経血の「色と量」について、教えてもらいました。

医学的な基準では、色は「赤~赤褐色」、量は「20g~140g」が正常とされています。生理の量はかなり個人差が大きいので断定はできませんが、1日3~4回ナプキンを換える程度であれば普通でしょう。

生理中、黒い血が出る原因って?

正常な経血の色は赤~赤褐色だということ。でも、時折少量の黒い経血が出てくることはありませんか? ここでは、黒い経血の原因や病気の危険性について、解説してもらいました。

経血が黒くなる原因

黒っぽい経血に驚く女性もいますが、その原因は「血液は空気に触れて酸化すると黒くなるから」。これは、かさぶたが黒いのと同じメカニズムです。経血量の多い生理2~3日目は、経血が一度にどっと流れ出ますよね。この状態では酸化をせずに流れ出るため、赤っぽい色をしています。一方、初日や終わりかけなど、経血が少量になるとどこかにとどまっていたり、ゆっくり流れ出るようになったり……。その間に酸化が起こるため、黒っぽい経血が見られるのです。

病気の危険性は?

生理初日や終わりかけに黒い経血が出たからといって、病気ということではありません。ただ、生理以外の時に黒い血が出たり、生理が1週間で終わらず、黒い経血の出血がだらだらと続いたり、という場合は子宮筋腫や子宮のポリープ、子宮頸がんや体がん の可能性も考えられます。これらの症状が見られる場合は医療機関を受診するようにしましょう。

経血を正常な色に保つ方法

では、経血の色を正常な赤~赤褐色に保つ方法はあるのでしょうか? 最後に、日々の生活習慣で気をつけるべきことを教えてもらいました。

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前述した通り、特定の症状が見られなければ、経血が黒いこと自体に問題はありません。とはいえ、どうしても気になる場合には「適度に運動をする」「じっと座ったままでいない」といった生理中の過ごし方を心がけましょう。血行が悪くなると、経血の流れも悪くなり、経血が酸化して黒くなってしまいます。

また、下半身を冷やさないことも大切です。体を温め血行をよくすることで、経血の流れがスムーズになります。経血が体内にとどまるのを防ぎましょう。

まとめ

黒い経血を見て、自身の健康に問題があるのではないかと不安になることもありますよね。知識がなければ、必要以上に焦ってしまうこともあるでしょう。しかし、医師の見解では「黒い経血の原因は酸化」だということ。また、経血が黒いこと自体にあまり問題はないということです。もちろん、症状によっては病気の可能性があるのも事実。正しい知識と適切な判断で、自分の身体と向き合っていけるといいですね。

(文:尾西芳子、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.02)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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