【漢方ビギナーQ&A】漢方薬にも副作用はあるの? 副作用例と対処法
自然の生薬からなる漢方薬。安心安全なイメージがありますが、果たして副作用はあるのでしょうか? 連載第3回の今回は「副作用の有無や副作用が見られるときの対処法」などについて、八丁堀石川クリニック院長で漢方専門医の古屋京子先生に解説してもらいました。
あるorない!? 漢方薬の副作用って?
漢方薬には副作用がないというイメージを抱く女性もいるはず。でも、本当のところはどうなの? さっそく先生の解説を見ていきましょう。
漢方薬には副作用がある?
漢方薬は西洋薬に比べると副作用が少ないです。また、どの生薬にどんな副作用があるか、ある程度解明されているのも漢方薬の特徴。重篤化するのはごく稀ですが、薬である以上、副作用がゼロとはいえません。
漢方薬の副作用例とは?
副作用を起こしやすい生薬には、「甘草」(カンゾウ)、「黄芩」(オウゴン)、「山梔子」(サンシシ)、「麻黄」(マオウ)、「附子」(ブシ)、「桂皮」(ケイヒ)、「当帰」(トウキ)などがあります。それぞれ主な副作用の症状が異なります。
なかでも注意が必要なのは、「甘草」。「甘草」は多くの漢方薬に含まれている生薬なので、併用する際「甘草」の過剰摂取にならないよう気をつけましょう。摂りすぎてしまうと、ナトリウムが排出されず、むくみや血圧上昇、低カリウム血症による手足のしびれなどの症状があらわれます。
とはいえ、どんな副作用にしても、定期的に漢方専門医に相談をすればまず問題ありません。安心してくださいね。
普通の薬と一緒に飲んでOK!? 漢方薬の飲み合わせ
西洋薬と漢方薬は時間をずらして飲んで頂ければ基本的にはOKです。ただ便秘薬として知られる「大黄甘草湯」など、「大黄」(ダイオウ)という生薬が入った漢方薬と抗生剤を一緒に飲むと、「大黄」が効きづらくなってしまうことがあるので注意しましょう。
また複数の漢方薬を服用する場合は、生薬の過剰摂取になっていないか気をつけましょう。前述のとおり、特に「甘草」は、ほとんどの漢方薬に含まれている生薬なので注意が必要です。病院を受診する際、もし飲んでいる薬があったら医師に伝えるようにしましょう。また、自己判断で複数の漢方薬を飲むのはリスクが高いので、病院で処方してもらうのが一番です。
どうすればいいの? 副作用が出てしまったときの対処法
万が一、副作用がでてしまったときはどうすればよいのでしょうか? 正しい対処法を教えてもらいました。
副作用が出たら服用をやめるべき?
直ちに服用をやめましょう。もし、あらわれた症状が漢方薬の副作用であれば、服用をやめれば治るはずです。
漢方薬の副作用が見られたときにすべきこと
先ほども言いましたが、まずは直ちに服用をやめること。副作用が出るのは、その漢方薬が体に合っていないサインと思われるかもしれませんが、“証(体質やその時の体の状態)”に合っていても副作用が出る場合もあります。必ず漢方専門医のいる病院やクリニックを受診し、医師に相談しましょう。
副作用が見られたら医師に相談しよう
安心安全な薬と思われがちな漢方薬ですが、副作用がゼロというわけではありません。服用中に「あれ、おかしいな?」と何か異変を感じたら、直ちに服用をやめて病院へ行きましょう。くれぐれも自己判断に頼りすぎるのはNGですよ!
(取材協力:古屋京子、文:伊藤康江)
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※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)
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