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皮膚科医に聞く! 毛穴の開きの原因と改善策

宇井千穂

伊藤康江

年齢を重ねてくると、ほおなどの毛穴の開きが気になってくるもの。「若いころは気にならなかったのに……」とショックを受ける女性は多いかもしれません。そこで今回は、毛穴の開きの原因と改善策について、皮膚科医の宇井千穂先生にお話をうかがいました。

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<目次>

毛穴が開く原因は?

ファンデーションを塗っても隠しきれない毛穴の開き。なぜ毛穴は開いてしまうのでしょうか? 毛穴の役割と毛穴が開いてしまう原因について、宇井先生にくわしく解説していただきます。

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毛穴の役割とは

毛穴には主に4つの役割があります。

(1)排出機能

毛穴から分泌される皮脂や汗とともに、体内の老廃物を排出するデトックス機能があります。

(2)バリア機能

毛穴の奥にある皮脂腺から皮脂が分泌されることで、細菌や細かいチリ、乾燥から肌を守ります。また皮脂と汗で作られる皮脂膜は、肌内部の水分を逃がさないよううるおいを保つ働きのほか、外部刺激から肌を保護する大切なバリア機能も果たしています。

(3)体温調節機能

毛穴の収縮による体温調節機能があります。温度が低いときには、交感神経により毛穴を縮め、さらに血管も収縮させて体温を下げないように、温度が高いときは汗腺から汗を流すことで体温を下げる機能があります。

(4)フェロモン作用

脇の下や外陰部などの汗腺からの適度なにおいは、フェロモン作用があります。

毛穴が開くのはなぜ?

毛穴が開く原因は3つあります。

(1)過剰な皮脂分泌

洗顔しすぎたり、保湿を怠ったりすると、排出機能が盛んになりすぎて皮脂分泌量が多くなります。それが、皮脂の出口である毛穴が広がる原因に。汚れがたまって黒ずんだり、古くなった角質が角栓となって詰まってしまうと「汚れ黒ずみ毛穴」になってしまいます。

(2)加齢によるたるみ

表皮の内側にあり、皮膚の大部分を占める真皮に存在するコラーゲンやエラスチンが、加齢により減少します。その結果、肌の土台が崩れてしまい、若いころは引き締まっていた毛穴がたるんできてしまい「たるみ毛穴」の原因に。さらに、たるんだ毛穴が進行すると毛穴同士がつながり、さらに乾燥もともなって深いシワのような状態になってしまいます。これを「帯状毛穴」といいます。

(3)ニキビ痕

思春期に多く見られる原因です。ホルモンの分泌が盛んになることにより皮脂が過剰に分泌されたり、毛穴の出口が硬くなるなどの角化により毛穴が詰まってしまったり、そこに古い角質や汚れがたまってニキビの原因菌が増殖してしまったり。このようにして生じるのが「ニキビ毛穴」です。そしてニキビの痕が、クレーターのように瘢痕化(はんこんか)してしまうと毛穴が開いた状態になってしまいます。

毛穴の開きを改善するには?

毛穴の開きを改善する有効な手だてはあるのでしょうか? 宇井先生にセルフケア方法について教えていただきます。rf65335445_o

正しいスキンケア、規則正しい生活、バランスのとれた食事がとても大切です。まちがえたスキンケアは肌トラブルのもと。洗顔しすぎたり、保湿を怠ったりするなどのまちがえた対処をすると肌が乾燥してしまいます。乾燥すると、逆に皮脂を作ろうとして必要以上に皮脂が分泌され、皮脂の出口である毛穴が広がってしまいます。やさしく泡洗顔→しっかり保湿→日焼け止め、日傘&帽子によるW紫外線対策を心がけましょう。またお肌のゴールデンタイムという言葉があるとおり、睡眠も重要。疲れやストレスをためずに過ごしましょう。セルフケアでは対応できない場合は、医師に相談してみてください。

毛穴の開きを防ぐには?

毛穴が開いてしまう前に、なんとか対策をとっておきたいところ。最後は、毛穴の開きを防ぐ方法について教えてもらいました。

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食べ物

ビタミンと食物繊維を積極的に摂取しましょう。特にビタミンを多く含む食材はこちらです。ただし、これだけ食べていればいいというものではなく、バランスのいい食事を心がけることが必要です。

・皮膚の異常角化を抑制するビタミンA……うなぎ、レバー、にんじんなど

・皮脂分泌を抑制するビタミンB2……卵、海苔など

・皮脂分泌を抑制するビタミンB6……ピスタチオ、まぐろ、鶏肉など

・抗酸化作用のあるビタミンE……アーモンド、とうがらしなど

スキンケア

スキンケアの基本は洗顔、保湿、紫外線対策です。しっかり洗わなくてはという固定概念から、ゴシゴシと強く洗ったり、長い時間をかけて洗うのは禁物。洗顔料をしっかりと泡立てて、ぬるま湯でやさしく洗いましょう。洗顔は多くても1日3回まで。洗いすぎは乾燥の原因にもなりますし、皮脂を除去しすぎるため、逆に皮脂分泌が過剰になるという悪循環に。

そして洗顔後はきちんと保湿を。このときも肌をこすったり、強くパッティングしたりするのはNG。またコットンの使用は、素材によっては繊維で肌を傷つけることもあるので注意しましょう。やさしく手のひら全体になじませることをオススメします。乾燥が気になる部分は重ねづけを。また、紫外線対策は、日焼け止めと帽子や日傘などを併用することが大事です。

生活習慣

バランスのいい食生活、不眠や過労に気をつけることが大事です。規則正しい生活は皮脂の過剰分泌を抑え、肌をととのえることにもなりますし、毛穴本来の機能を十分に働かせることにもなります。またニキビにお悩みの方は心理的原因によって、習慣的にニキビを引っかいたり、つぶしてしまったりすることもあります。イライラして無意識に皮膚へダメージを与えないよう、ストレスをためないことが重要です。

まとめ

規則正しい生活とバランスのいい食事、正しいスキンケアは、健やかな肌作りの源。日々のていねいなお手入れで毛穴をキュッと引き締め、毛穴レスな陶器肌を目指しましょう!

(取材協力:宇井千穂、文:伊藤康江)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.14)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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