雨が降ると関節痛になるのはナゼ? 痛みをやわらげる方法とは
雨の日に、体の節々が痛くなることがありませんか? 雨の日限定であらわれるこの症状、一体何なのか気になりますよね。そこで今回は、医学博士で東京有明医療大学教授、日本内科学会認定総合内科専門医の川嶋朗先生に、雨の日の関節痛の原因とその対処法について教えてもらいました。
<雨が降ると関節が痛くなる?>
まずは、雨が降ると関節が痛くなるかどうか、働く女性たちにアンケート調査を行いました。
Q.雨が降ると関節が痛くなりますか?
なる……20.8%(33人)
ならない……79.2%(126人)
雨の日に関節痛になる女性は、20.8%と少数派でした。「なる」と答えた女性たちが、雨の日にどのような症状に悩まされているのか、詳しく聞いてみました。
■読者の意見
・「膝痛が起こる頻度が高くなる」(34歳/人材派遣・人材紹介/販売職・サービス系)
・「昔、痛めた膝がズキズキ痛くなる」(26歳/医療・福祉/専門職)
・「腰痛がひどくなる。肩もだるく重くなる」(28歳/医薬品・化粧品/販売職・サービス系)
・「顎関節症だった部分が痛んだり、体の節々が痛みやすい」(33歳/その他/クリエイティブ職)
・「雨が降る前は、昔けがしたところが痛くなるので天気予報代わりになる」(27歳/建設・土木/事務系専門職)
・「以前骨折した膝が、雨の前後に痛む」(27歳/情報・IT/事務系専門職)
<川嶋先生に聞く! 雨の日の関節痛の原因と対処法>
■関節痛の原因は「湿度」だった!
雨が降ると関節痛になるのは、「湿度」が大きく関係しています。湿度が高くなると、アレルギーや炎症のもととなる、体内のヒスタミンという物質を増やします。ヒスタミンが出ると、炎症性の細胞が集まりやすくなるため、炎症が起こり、体の節々に痛みが出るのです。
特に関節痛が起こりやすいのは、リウマチなどの膠原病の人や、アトピー・喘息・花粉症などのアレルギー体質の人、バセドウ病などの甲状腺疾患の人です。そして、膝や腰に痛みが出やすいのは、常に体重を支えているため、比較的負担がかかりやすいから。そのため、デスクワークの人は腰が痛くなりやすいです。
■関節痛をやわらげる方法は?
関節痛をやわらげるには、熱を持っている場合を除き、体をあたためて血流を改善しましょう。あたためると血流がよくなるので、お風呂に入ると痛みがよくなるという人が多いです。腎血流も増え、余分な水分も腎臓から排泄されるので、関節痛の原因である湿邪(病気の原因となる湿気)も除去されます。炭酸入浴剤を入れて入浴すると、効率的に血流をよくしてくれるので特にオススメ。どうしても、痛みに耐えられないと感じたときは、病院を受診するようにしましょう。
ただ、湿度が高くなると、ヒスタミンは増えます。根本から改善したいなら、ヒスタミンが血中に入らないような体作りが重要です。そのためにも、日ごろから適度な運動をして、体力をつけるようにしましょう。
(取材協力:川嶋朗/ウーマンウェルネス研究会、文:マイナビウーマン編集部)
※画像はイメージです
※マイナビウーマン調べ
調査日時:2016年5月25日~2016年5月28日
調査人数:159人(22歳~34歳の女性)
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年06月16日に公開されたものです