【新連載】青空の下で結婚式！　「アウトドアウエディング」とは

周囲を積極的に巻き込んで楽しい場づくりを

これまでの編集業とはちがい、個人のお客さまと向き合う「B to C」のスタイルは、柿原さんにとって初めての経験。

「お客さまに、はじめから『このカップルと同じウエディングはいくらでできますか？』とストレートに言われたときは、自分たちの提案の本質が届いていないんだとショックでした」

新郎新婦で意見がちがうこともあるので、ふたりの希望を全部叶えようとするのは難しい。それでも、より満足してもらうために、ふたりが一番こだわっている部分はどこなのか、優先順位をつけてもらうようにしたのだそう。
「もし低予算にすることが最優先事項なら、食事をセルフサービスにしたり、準備作業をお友だちに手伝ってもらったりなど、カスタマイズした解決策を提案します。ご自身の希望をお客さま自身が整理しきれていない場合も多いので、『つまり、こういうことですか？』と、さまざまな質問を投げかけ、ふたりならではの優先順位を導き出すようにしています」

さらに、アウトドアウエディングの現場で、大切にしている柿原さん流の“ハッピーを広げるコツ”は、機嫌が悪そうにしている人こそ巻き込んでしまうことなのだそう。
「たとえば、パブリックな場所でのウエディングをいぶかしげに見ている人がいることがあります。そんな人たちにこそ、真っ先に『ご飯、食べます？』などと声をかけて巻き込む。輪の外にいると重箱の隅をつつきたくなってしまう人も、輪に入ってしまえば、グッとやさしくなります。まわりの人にも楽しんでもらうことで、『ウエディングっていいな』と思ってもらえるし、みんなでハッピーになれるんです」

ネガティブもハッピーも、まわりに伝わっていくものだと柿原さんは続けます。
「お祝いの場だからこそ、“とにかく楽しんでやる”のがH.O.Wのモットー。うちのスタッフは平気でまわりにいる人をつかまえて『ちょっと一緒にイスを動かしてもらえませんか？』なんて頼みますよ（笑）」　
そうして巻き込んだ人たちが、結果的に楽しんでくれている姿を見るのがうれしいのだとか。

現在は編集業の仕事が約8割、残り2割をH.O.Wの仕事に充て、土日もついつい仕事の予定で埋めてしまうという柿原さん。デザイナーとして働くご主人との結婚生活は、仕事とうまく両立できていますか？

「実は主人がすごく家事を助けてくれるんです。彼とはほぼ同じ生活スタイルで暮らしていて、しかも、お互いの事務所が近いので、主人と缶ビールを飲みながら一緒に家まで歩いて帰ることもしょっちゅう（笑）」

そんな仲よし夫婦ですが、意外にも結婚1年目はケンカも多かったのだとか。
「私は大ざっぱな性格だけれど、主人はその逆。一緒に暮らせば、自分のペースが乱れることにお互いイライラすることも。仕事が立て込んでいるときならなおさらですよね。でも、あきらめず、『最近はこんな仕事にチャレンジしてるよ』とか、『ちょっとの間仕事を優先したい』などと、お互いに、日々移り変わる生活の優先順位をはっきり伝え合い尊重し合うことで、ケンカもすっかりなくなりました。お互いに相手が今、何を大事にしているかがわかっていると、適切な気遣いができるし、協力し合えるようになりました」

　女性は、さまざまなライフイベントを迎えるからこそ、「今しかできないことに集中したい」と、柿原さん。ハツラツとした意欲がみなぎっていました。

※この記事は2013年02月25日に公開されたものです