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2023年01月18日 15:57 更新

離乳食のお粥を食べないときの原因と対処法【管理栄養士監修】

離乳食やおかゆ(お粥)を、赤ちゃんがなかなか食べてくれないことも、育児では珍しくないでしょう。食べないことが続くと心配や不安がつのったり、イライラしてしまうこともありますよね。赤ちゃんが離乳食のおかゆを食べない原因と対処法を一緒にみていきましょう。

おかゆを食べない原因と対処法

離乳食のおかゆを食べない赤ちゃん
離乳食初期(※)からなかなかおかゆを食べてくれない、あるいは、離乳食初期は食べていたのに、離乳食中期や離乳食後期になって食べなくなった、など、離乳食を進めるなかで悩むママやパパは多いのではないでしょうか。

赤ちゃんがおかゆを食べない理由にはどんなものがあるのでしょう。考えられる原因と対処法についてみていきます。

※厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」によると、正しくは「離乳初期」や「離乳中期」となりますが、本稿ではわかりやすく「離乳食初期」や「離乳食中期」と表記しています[*1]。

1.お腹が空いていない

赤ちゃんがお腹が空いていないのにおかゆを食べさせても、食べないことがあります。

 ■対処法■
授乳と離乳食の間隔があいていると、空腹感があり食べてくれるかもしれません。間隔が狭いようなら、見直してみるのも1つの策でしょう。

2.お腹が空きすぎている

お腹か空きすぎていて、離乳食を食べるよりも母乳やミルクが飲みたいのかもしれません。特に離乳食初期は、まだおかゆに慣れていないために、慣れている母乳やミルクの方を好むことも、珍しくないでしょう。

 ■対処法■
どうしても泣きすぎてしまうというようなときは、必ずしも「離乳食→母乳」の順番にこだわらなくてもかまいません。赤ちゃんの気持ちや欲求に合わせてあげましょう。

3.原始反射で舌を突き出してしまう

おかゆや離乳食を食べさせようとすると、舌を突き出してしまう場合には、原始反射の影響が考えられます。

生まれたばかりの赤ちゃんが母乳やミルクを飲むために備わっている原始反射の1つに、固形物を口の中に入れた際に、舌を前方へ突き出す反射があります(「舌突出反射(ぜつとっしゅつはんしゃ)」、あるいは「舌挺出反射(ぜつていしゅつはんしゃ)」)。これは、まだ飲み物しか飲めない時期に固形物を口の中に入れないようにするためのものです。

離乳食を開始する5~6ヶ月頃にこの反射は消失するといわれますが、まだその反射が残っていると、なかなか食べられないこともあります。

 ■対処法■
焦らず、抵抗の少ない方法から試してみるとよいでしょう。

関連記事▶離乳食初期(生後5〜6ヶ月)の基本を解説!よくある悩み・疑問も

4.おかゆの形態や温度に問題がある

おかゆをすりぶす
赤ちゃんの舌はとても繊細で、おかゆのつぶつぶが気になったり、硬くて食べにくかったりすと食べないことがあります。

たとえば、離乳食初期~中期ならば、おかゆのつぶし方が不十分であることなどが考えられます。離乳食中期以降ならば、つぶしがゆから全がゆ(5倍がゆ)に移行したタイミングで、おかゆの形態の変化を敏感に感じ取っていたり、おかゆに混ぜた食材のつぶつぶや硬さが気になっている、などが考えられるでしょう。

また、おかゆの温度が熱すぎたり、冷たすぎることが原因になっていることもあります。おかゆは冷たくなると硬くなるので、それが要因で食べないというケースもあるかもしれません。

 ■対処法■
調理の塩梅がわかりにくければ、参考として市販のベビーフードを味見し、感触を確かめてみるのも一つです。

ちなみに、米粉を使用すると、裏ごしせずにつぶしがゆを作ることができます。
関連記事▶離乳食の米粉はいつから? 初期・中期・後期レシピ

赤ちゃんがおかゆを食べないときのポイント

離乳食を食べる赤ちゃん

原因別の対処法を解説しましたが、なかなか原因がわからないこともあるでしょう。そのほかのポイントをお伝えします。

赤ちゃんが食べやすい甘みを出す

赤ちゃんは甘みがあると食べやすくなります。ちょっとした調理の工夫でお米の甘みを引き出すことができます。

 ■甘みを出す方法■
電子レンジで作るよりも鍋で炊くのは手間がかかりますが、対策の1つとして試してみてください。

関連記事▶離乳食の基本「おかゆ」の作り方|つぶしがゆ~5倍がゆ

あまり無理しすぎないことも大切

おかゆは離乳食の基本とされていますから、赤ちゃんがおかゆを食べないと心配になりますよね。しかし、赤ちゃんのエネルギー源はおかゆだけではありません。

特に初期のころは、母乳やミルクの方がエネルギーのメインです。また、離乳食が進んでいて、おかゆ以外の炭水化物は食べられるようなら、そちらをうまく活用していってもよいでしょう。

工夫してもなかなかおかゆが食べられないようであれば、無理におかゆにこだわらず、いったん、おかゆをお休みし、様子を見ながら再開するなど、焦らず進めていきましょう。

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いつもと様子が違う場合は注意

 水分を飲まない、体重が増えないなどの場合は早めに病院へ

離乳食だけでなく母乳やミルクなども飲みたがらないときは、具合が悪いのかもしれません。赤ちゃんの成長はそれぞれですが、体重が増えていないなどが見られる場合は、心配なまま過ごすよりも、早めにかかりつけの小児科で相談すると安心ですね。

離乳食のおかゆの基本

離乳食のおかゆ


ここまで、赤ちゃんがおかゆを食べない原因と対処法についてみてきましたが、離乳食のおかゆの基本をあらためて押さえておきましょう。

離乳食のおかゆはいつから?

 おかゆは生後5~6ヶ月ごろから

赤ちゃんは生まれてから母乳やミルクを飲んで大きくなっていきます。生後5~6ヶ月ごろになると離乳食を始めますが、離乳食の最初のひとさじはおかゆから。ほかの食材に関しては、おかゆに慣れてから、にんじんやかぼちゃといった野菜や豆腐などを進めていきます。

関連記事▶離乳食の野菜はいつから?何から?おすすめの順番・進め方と調理テク
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 最初のおかゆは「つぶしがゆ」

初めて食べるおかゆは、滑らかにつぶした「つぶしがゆ」で、これは、お米の粒がないトロっとしたヨーグルト状のおかゆです。赤ちゃんがつぶしがゆに慣れてきたら、粗くつぶしたおかゆ、つぶさないおかゆへと進め、離乳食後期から離乳食完了期には軟飯へ移行していきます[*1]。

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離乳食のおかゆの調理法と注意点

離乳食のおかゆは鍋のほか、炊飯器・電子レンジ・圧力鍋などの調理器具で炊くことができます。鍋の大きさや火加減、炊くおかゆの量によって仕上がりは多少、変わります。おかゆが硬い場合は水を足して、赤ちゃんが食べやすい硬さに調節してあげましょう。

 ■おかゆの硬さの目安■
つぶしがゆと全がゆの形態

全がゆ(お米1に対して水5で炊いたおかゆ=5倍がゆ)が、大人が食べるおかゆと同じものになります。つぶしがゆを作るときは、全がゆをつぶしてお湯で薄めてみたり、少し水を多めに炊いてみてください。

関連記事▶離乳食の基本「おかゆ」の作り方|つぶしがゆ~5倍がゆ
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離乳食のおかゆレシピ3選

はじめてのおかゆのときに作るつぶしがゆのレシピと、甘みのある食材と組み合わせたおかゆレシピ2つをご紹介します。

初期|つぶしがゆ

つぶしがゆ
(撮影:谷岡友梨)

■材料(作りやすい分量)
・米 大さじ2
・水 230〜300ml

■作り方
① 米を洗って水と一緒に鍋に入れ、30分ほど浸水させる
② 鍋に蓋をして弱火にかけて30分程度加熱し、20分ほど蒸らす
③ ②で作ったおかゆを、裏ごししてできあがり

関連記事▶離乳食の基本「おかゆ」の作り方|つぶしがゆ~5倍がゆ

中期|かぼちゃのリゾット

(撮影・レシピ作成:谷岡友梨)

■材料(1回量)
・かぼちゃ 15g
・カッテージチーズ 小さじ1
・ミルク 大さじ1(調乳済みのもの)
・全がゆ(5倍がゆ) 50g

■作り方
① 耐熱容器にかぼちゃが浸るくらいの水を入れ、電子レンジ(600W)で2分30秒加熱し、皮を取って粗くすりつぶす
② カッテージチーズと①、ミルク、全がゆに混ぜる
③ 耐熱容器に入れふんわりラップをして、途中かき混ぜながら電子レンジ(600W)で30秒加熱して一旦取り出し、かき混ぜてからさらに30〜40秒加熱する

関連記事▶離乳食の中期〜かぼちゃのレシピ4選

中期|さつまいもがゆ

さつまいもがゆ
(撮影・レシピ作成:谷岡友梨)

■材料(1回量)
・全がゆ(5倍がゆ) 50g
・さつまいも 10g

■作り方
① さつまいもは皮をむいてやわらかくなるまで茹で、2〜3mm角に切る
② 全がゆに①を混ぜる

関連記事▶離乳食の中期〜さつまいものレシピ5選

まとめ

赤ちゃんのために作ったおかゆを食べてくれないとイライラしたり落ち込んだりすることもありますね。赤ちゃんがおかゆを食べない理由も様々です。大切なことは赤ちゃんの成長に合わせ無理せずにすすめていくことです。あまり悩みすぎず、赤ちゃんのペースに合わせて成長を見守っていってくださいね。

(文:三浦真由美 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

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