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2021年04月26日 12:39 更新

パンの離乳食はいつから?調理する際の注意と手作りパン粥レシピを紹介【管理栄養士監修】

パンは赤ちゃんの離乳食として使うことができる食材のひとつ。今回は、主食としておかゆだけでなく、パンも取り入れたいと思うママに向けて、注意点や調理方法など知っておきたいことをご紹介します。

離乳食にパンをあげるのはいつから?

離乳食にパンを手づかみでたべる子供
Lazy dummy

はじめに、離乳食にパンをあげても良い時期やパンの量の目安について知っておきましょう。

離乳食にパンをあげてもよい時期

パンはアレルゲンとなる小麦を主原料にしているので、アレルギーの心配の少ないおかゆ(米)や野菜に慣れてからのほうがよいでしょう。離乳を開始して1ヶ月が過ぎたころを目安にします。

ただし、市販のパンは小麦以外にもアレルゲンとなる卵や牛乳が使用されていることもあるので、それぞれにアレルギーの心配がないことを確認してからのほうが安心ですね。急いでパンをあげる必要もないので、ゆっくり進めましょう。

離乳食のパンの量の目安

はじめてパンを食べさせるときは、食パンの耳を除いて白いやわらかい部分をパン粥にしたものを1日1回1さじからはじめます。アレルギーの心配もなく、赤ちゃんが食べてくれるようであれば徐々に増やしていきます。

1回あたりの目安量として、離乳初期(生後5~6ヶ月)では少量~8枚切り4分の1、離乳中期(生後7〜8カ月)では8枚切り3分の1~半分、離乳後期(生後9〜11ヶ月)では8枚切り半分~3分の2、離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月)では8枚切り3分の2~1枚を目安にして、赤ちゃんの食欲や成長・発達の状況に応じて量を調整していくといいでしょう。

離乳食にパンをあげる際の注意点

離乳食にパンをあげる際の注意点
Lazy dummy

パンは「主食」としておかゆやごはんの代わりになりますが、様々な原材料が含まれているので、離乳食にパンをあげる際はいくつか注意することがあります。

パンの種類と頻度に注意

離乳食には、糖分や油分、塩分の少ない、やわらかい食パンが向いています。胚芽パンなどは消化が悪いので、離乳完了ごろまで待ちましょう。

パンの頻度としては、比較的原材料がシンプルな食パンでも、バターやマーガリン、塩が使われているので、おかゆやごはんと比べて脂質のエネルギー比、塩分が多くなります。どちらも摂りすぎないように気をつけたいので、「主食」の基本はおかゆやごはんにして、時々パンにするというペースがいいですね。

アレルギーに注意

市販のパンは、小麦以外に卵や牛乳など複数のアレルゲンが含まれていることがあるので、注意が必要です。それぞれにアレルギーの心配がないことを確認してからにしましょう。小麦に対しては、小麦製品の中でも、小麦粉と塩、水だけを原材料にしているうどんを先に試しておくといいでしょう。

パンを購入する際は、原材料やアレルギーの表示を確認してください。卵不使用の食パンなら手に入りやすく、小麦と牛乳アレルギーの心配がなければ、パンを離乳食に取り入れやすくなります。それでも、はじめてパンを食べさせる時には、1日1回1さじから始めて、アレルギー症状が出ていないか赤ちゃんの様子を見てあげてくださいね。

食品添加物に注意

市販のパンの多くは、日持ちをさせるためや食味をよくするための食品添加物が使われています。食品添加物の安全性についてはママたちが気になるところですね。その安全性についての情報は、確かなところから最新のものを収集できるようにアンテナをはっておくといいでしょう。

食品添加物の安全性については、厚生労働省のサイトで公開しています。ただし、1歳未満の赤ちゃんに対する食品添加物の影響は検討されてはいないようです。その一方で、1歳未満の赤ちゃんも対象になるベビーフードの製造、販売において、厚生労働省は「ベビーフード指針」の中で「食品添加物は、必要不可欠な場合に限り使用する」としています。

●厚生労働省サイト「食品添加物」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
●厚生労働省サイト「ベビーフード指針」
https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/0806/0626-1.html

市販のパンの原材料に「イーストフード」と表記されているものがあります。これはイースト菌の栄養源になり短時間でパンを発酵させるなどの目的で使われている食品添加物の一括名です。使用した食品添加物は、原則、物質名で記載することになっていますが、食品衛生法施行規則により物質名の代わりに種類を示す一括名で記載することが認められています。いずれも厚生労働省がその安全性を認めている物質が使われています。イーストフードの添加により低コストでたくさんのパンをつくることができるので使用されることが多いようですが、イーストフードがなくてもパンはできます。同じように「乳化剤」は水と油を混ぜ合わせる食品添加物の一括名で、日をおいてもやわらかいパンを維持でき、保存料や防腐剤としての役割もあるようです。これもまた、乳化剤がなくてもパンはできます。

●厚生労働省「食品添加物の表示について」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0323-3e.html

最近では「イーストフード・乳化剤不使用」のパンも市販されているようですが、すべての添加物をゼロにするということは難しいようです。赤ちゃんには食品添加物をなるべく避けたいと思うママは、市販品を使わないでお家でパンを手づくりしたり、無添加のパンを取り扱う専門店で購入するといいでしょう。もしくは離乳食の間は「主食」をおかゆもしくはごはんで通すという選択があってもいいでしょう。

保存方法に注意

食パンは常温保存するとカビが生えやすいという欠点があります。無添加のパンであれば、なおさら保存方法には注意しなければいけません。冷蔵保存するとカビは防ぐことができますが、主成分であるデンプンの老化が進みやすい温度帯のため、パンの劣化につながりやすいようです。すぐに食べきれない場合は、冷凍保存をおすすめします。ただし、調理済みのパンは傷みやすいので、冷凍保存には不向きです。

冷凍保存の方法は、食パンを1食分ずつラップでくるみ、さらにジップ付きの袋で密封、きちんと空気を抜いてからとじます。もしくはアルミホイルで包みます。冷気が伝わりやすくなるので、デンプンの老化が進みやすい温度帯を避けて一気にパンを冷凍することができるので劣化を防ぐことができるようです。

パンの離乳食の基本!パン粥のつくり方

パンの離乳食の定番ともいえるパン粥は、どうやって作れば良いのでしょうか? 次は、離乳時期に合わせたパン粥の作り方についてご紹介します。

離乳初期(生後5~6か月)のパン粥のつくり方

離乳を開始して1カ月が過ぎて10倍粥や野菜に慣れてきた頃にパンを試してみるときは、「ごっくん」がしやすいトロトロのパン粥から試してみましょう。食パンの耳を除いた白いやわらかい部分を細かくきざむか、あらかじめ冷凍したものをおろし金で細かくすりおろして、水や野菜スープで煮込みます。

離乳中期(生後7~8か月)のパン粥のつくり方

ポタージュ状の離乳食を上手に飲み込むことが出来るようになり2回食になってからは、舌でつぶせる程度の食感を残して、舌と上あごで「もぐもぐ」できるようにしてあげましょう。食パンの耳を除いた白いやわらかい部分を1センチ角ほどにちぎるかきざみ、水や野菜スープ、牛乳などで煮込みます

アレルギーの心配がなく、食べてくれるようであれば、バナナやほうれん草、大根のペーストやきざみをあわせて、さまざまな味を展開してみても良いでしょう。

手づかみ食べにもパンはおすすめ

豆腐くらいの固さのものを舌と上あごで「もぐもぐ」できるようになり3回食になる頃には、手づかみ食べをするようになります。最後に離乳後期(生後9~11カ月)の離乳食のパンの取り入れ方です。

手づかみ食べにパンを取り入れるメリット

2本の前歯が生えそろう頃でもあり、前歯でかみ切り、歯ぐきでつぶすことを覚える時期です。パンはやわらかく、程よい弾力があるので、噛む練習に適しています。手づかみをしても汚れにくいのがパンの利点ですね。

手づかみ食べにおすすめのパン

手づかみに適したパンは、8枚切りの食パンやサンドイッチ用のパンです。柔らかくて、薄いものが向いています。手づかみ食べしやすいサイズにカットしてあげましょう。赤ちゃんの手の平サイズ、スティック状、星型など、カットの仕方でもバリエーションを楽しめますね。野菜のペーストをサンドしたり、フレンチトーストにしてあげてもいいですよ。

離乳の完了をするころには、食パンの耳やトーストしたパンも試してみて、いろいろな食感や風味を楽しませてあげるといいでしょう。

のどにつまらせないように注意

パンはのどにつまらせやすいので注意が必要です。手づかみ食べをするようになったら、口へ詰め込みすぎたり、食べこぼしたりしながら一口量を覚えていくので、食べ終わるまで見守ってあげてください。

まとめ

市販のパンを離乳食に利用する際は、原材料やアレルギーの表示を確認してから購入することが大切ですね。安全性に不安があれば、急いで取り入れる必要もありませんが、おかゆやごはんの代わりになるパンは、野菜や果物と組み合わせたアレンジもしやすく、離乳食のバリエーションを増やしてくれるでしょう。

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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