【医師監修】妊娠33週には入院の準備を!赤ちゃんの変化・ママの生活上の注意点

【医師監修】妊娠33週には入院の準備を!赤ちゃんの変化・ママの生活上の注意点

妊娠9ヶ月になると子宮による内臓の圧迫が進み、動悸や息切れ、頻尿などで、ちょっとした外出でも疲れやすくなります。くれぐれも無理をしないようにしましょう。急な出血や切迫早産などになることもあるので、万一に備えて入院の準備をしておくとよいでしょう。


妊娠33週ってどんな時期? 

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赤ちゃんの肺がほぼ完成する時期

妊娠後期には、一日に何度も不規則な子宮収縮の痛みを体験します。具体的には下腹部の張りとして感じられるでしょう。不規則に起こる張りは「陣痛」ではありません。本当に早産になるときには、規則的な子宮収縮、つまり陣痛が起こります。眠ることのできる程度の痛みで赤ちゃんが出てくることはありませんから、痛みで眠れないような状況でなければ、大きな問題はありません。

この時期には子宮口が徐々にやわらかくなってきているため、刺激で出血することもあります。規則的な子宮収縮に加えて、血液が混じった茶色いおりものがあるときは、切迫早産(早産の危険が高い状態)の可能性があります。「もしかしたら早産?」と感じたときは、かかりつけ医に電話で相談してから、受診するようにしましょう。

早産の兆候があるかどうかは、経腟超音波検査で子宮口が開いていないかと子宮頸管の長さを検査したり、内診したりして診断されます。子宮頸管というのは子宮と腟をつなぐパイプのような部分で、妊娠30週ぐらいまでは約4㎝の長さがあり、分厚い扉のように締まって、赤ちゃんが子宮の外に出てしまうのを防いでいます。

通常、妊娠32週ごろから、子宮頸管の長さは徐々に短くなり出産の準備が始まります。なお、妊娠18~24週ごろ、切迫早産のリスクがないか調べるために子宮頸管長の測定が行われますが、妊娠24週での頸管長が25mmより短かった場合は、妊娠35週未満の早産リスクが10倍に高まると報告されています[*1, 2]。そのため、頸管長の短縮がある場合には、切迫早産の病名で入院になることがあります。

妊娠34週以降になると肺の機能がほぼ完成しているので、たとえ産まれたとしても、ほとんどの赤ちゃんは自分で呼吸できます。それでも、正期産(37~41週)の赤ちゃんと比べると、合併症が出る可能性が高い状況ではあります。しかし、34週未満で早産になった場合は、赤ちゃんは自力ではまだうまく呼吸ができない場合が多く、出産後、肺から取り込む酸素の足りない状態になってしまいます。このような場合には、肺サーファクタントという肺を膨らませる薬と人工呼吸器によって、赤ちゃんの呼吸を助ける処置が行われます。

このように、ずいぶん大きくなってきているとはいえ、赤ちゃんにはまだママのお腹の中での成長を続けていてほしい時期です。「切迫早産」の診断を受けたら、適度に安静に過ごすようにしましょう。早産は妊婦さんのやせすぎや喫煙、ストレスなどでも、リスクが高くなるとされています。あまり無理しないようにしましょう。

妊娠33週のママと赤ちゃんの様子

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赤ちゃんの変化

妊娠33週の胎児平均体重は1,980g[*3]。妊婦健診で言われる「赤ちゃんの推定体重」は胎児の頭部、腹部、太ももの長さを超音波検査で計測した数値により計算される推測値です。これには、±10%程度の誤差があるので、「赤ちゃんの体重は1,980g」と言われたら、本当の赤ちゃんの体重は1,800g~2,200gぐらいとなります。このころの赤ちゃんはお腹の中で数十分おきに睡眠と覚醒を繰り返しており、胎動もあるときとないときがはっきり分かれてきます。

ママの変化

おなかのふくらみはいよいよ目立ち、胎動も大きくなってきます。子宮はみぞおちの辺りまで達するため、いよいよ上体は反り返り、肩で息をするような状態になります。

胃が圧迫され、食事が胸につかえる感じがして、一度にたくさん食べられないこともあります。
全身を循環する血液の量は妊娠36週のピークにむけ、増えていきます[*4]。そのために血液が薄められてしまい貧血(=赤血球の濃度が薄い状態)と診断されやすくなります。赤血球の材料になる鉄分を多めにとるなど、引き続き食事の栄養バランスに気をつけていきましょう。

妊娠33週に必要なこと

入院の準備を始めましょう

赤ちゃんが大きくなって動きにくくなると、何をするにもおっくうになってしまいます。早めに入院の準備を済ませ、いつ出産となってもいいように備えておきましょう。急に陣痛が来たり破水したりしたときのために、お産パットの準備や産院に行くときのタクシー会社の番号登録もしておくとよいでしょう。

いつお産になっても不思議ではない時期ですから、「産休に入ったら旅行」というのもやめましょう。なるべく病院に1時間くらいで行ける範囲にいるようにしましょう。

入院に必ず必要な持ち物、書類は? 

入院のときに必要な持ち物や書類について、必要と思われるものの例を下記にあげます。分娩する医療施設によっても異なるので、入院の手引きを見てそろえ、一つのバッグにまとめておきましょう。

入院手続きに必要なもの
入院預かり金 印鑑 保険証 診察券
母子健康手帳 先天性代謝異常検査申込用紙などの書類

ママのための持ち物
タオル類 洗面用具 歯みがきセット スキンケア用品
授乳用ブラジャー 産褥ショーツ 替えのパジャマ(授乳のしやすいもの)
カーディガン、ショールなど羽織れるもの 入院用履物(スリッパなど)
その他着替え(退院時の服を含む) 産褥パッド 筆記用具
スマートフォンなどの充電器 コップ ストロー 箸、スプーンなど

赤ちゃん用品
退院時の洋服 おむつ

妊娠33週の注意点

手指にしびれや痛みを感じたら…

妊娠中に手の指にしびれや痛みが出て、裁縫などの細かい作業ができなくなったら、「手根管症候群」が疑われます。妊婦さん以外では更年期の女性、スポーツや仕事で手を使いすぎる人などがよくかかります。しびれは親指、人さし指、中指、薬指に出ることが多く、手にこわばりを感じたり、細かいものがつまめなくなったりします。

腕から手首を通り指までつながっている「正中神経」という神経が手のひらの中心にある手根管というトンネルの中で圧迫されるために起こると考えられています。妊娠女性がかかりやすいのは、女性ホルモンのバランスが変化することにより、手根管がむくむためと言われています。

手根管のむくみは、通常の体のむくみによっても引き起こされます。妊娠中は女性ホルモンの働きでどうしてもむくみやすいものですが、十分な睡眠をとること、塩分の摂りすぎに注意するなどの対策をしてみましょう。日常生活に困るときは整形外科で治療する必要がありますが、まずはかかりつけの産婦人科で相談してみてください。

睡眠不足を感じたら

疲れやすくなっている妊娠後期には、ぐっすり眠りたいところですが、この時期、睡眠障害の症状も現れやすくなります。

その一つが「睡眠時無呼吸症候群」。眠っている間に何度も、10秒以上呼吸が止まってしまう病気で、肥満やあごの小さい人、扁桃腺肥大などがあると起こりやすいとされています。妊娠中の体重増加により気道が狭くなり起こることもあります。おもな症状は大きないびきと無呼吸発作です。ママの睡眠時の無呼吸は、赤ちゃんや胎盤の酸素不足を引き起こし、妊娠高血圧症候群や胎盤の異常、胎児の発育不全や妊娠糖尿病のリスクを高めることが心配されます。異常に眠いことが続いたり、周囲から無呼吸を指摘されたりした妊婦は、かかりつけ医師に相談をしてみましょう。

もう一つは、「むずむず脚症候群」(レストレスレッグス症候群)で、その名の通り、脚がむずむずしたり、足をじっとできなかったり、などの症状のために眠れないこともあります。むずむず脚症候群は鉄欠乏性貧血などのある人に多いことが知られています。妊娠中、不足しやすい鉄分は、この病気を予防する意味でもできるだけとるよう心がけましょう。脚のマッサージで楽になる人もいます。

夜眠れない時には少し昼寝をしましょう。ただし、昼寝をしすぎると生活リズムが崩れてしまうので、昼寝は短時間にして、なるべく、夜に寝るようにします。

外出時は頻尿・尿もれに対応を

妊娠後期には子宮で膀胱が圧迫されて、頻尿や尿漏れが起こることがあります。おりものの量も増える時期です。生理用ナプキンや尿漏れパッドを当てて、こまめに交換し清潔に保つようしましょう。

尿漏れかと思ったら、羊水が流れ出る「前期破水」だったということもあり得ます。羊水は、尿とは異なる生臭い臭いがする場合もあれば無臭の場合もあり、個人によって感じ方が違うようです。明らかに破水とわかるような多量の水が出る場合もあれば、少量ずつ羊水が漏れ出ていて、尿もれととても紛らわしい場合もあります。医者でも破水かどうか迷う場合もあります。一般的には、破水の場合はだらだらと水分が出続けることが多く、尿漏れの場合は一回だけ水が出た後は止まってしまうことが多いです。

破水した場合は感染予防のため、湯船にはつからないようにしましょう。シャワーは何の問題もありません。破水を疑う症状があったら、医療機関に連絡して受診するようにしましょう。前期破水の割合は全妊娠の5~10%といわれています[*5]。


まとめ

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妊娠33週は妊娠後期の中盤にさしかかってくるころ。赤ちゃんの諸器官はほぼ完成していますが、肺の機能は未完成です。あと少し、ママのお腹のなかで成長したほうが有利です。万が一、早産になった場合でも慌てないよう、入院準備は整えておくとともに、できるだけストレスを避け、ゆったりした生活を送るようにしましょう。

この記事の監修ドクター
産婦人科医 太田寛先生
アルテミスウィメンズホスピタル産婦人科(東京都東久留米市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士

(文:山崎ひろみ/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本産科婦人科学会: 産婦人科研修の必修知識2016-2018, p149
[*2]日本産科婦人科学会ガイドライン産科編 p152
http://www.jsog.or.jp/uploads/files/medical/about/gl_sanka_2017.pdf
[*3]日産婦誌63巻第10号 日本超音波医学会 妊娠週数ごとの胎児体重の基準値 P N-96
http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/63/10/KJ00007563225.pdf
[*4]『病気が見える Vol10 産科』第3版 メディックメディア」p41
[*5]『病気が見える Vol10 産科』第3版 メディックメディア」p178

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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