【医師監修】妊娠中はむくみやすい!?妊婦の注意したいむくみは?

【医師監修】妊娠中はむくみやすい!?妊婦の注意したいむくみは?

妊娠すると、多くの人がむくみ(浮腫)を経験します。通常、妊娠中にはどんなむくみが生じやすいのでしょうか。また、要注意のむくみとはどんなものなのでしょうか。今回は妊娠中のむくみの特徴と、むくみ対策についてご紹介します。


妊娠中に起こる困ったむくみとは?

Getty logo

妊娠すると、ホルモンのバランスが大きく変化することなどによって、むくみが生じやすくなります。このようなむくみは生理的浮腫といわれ、これ自体には問題はないといわれていますが、むくみのなかには病気が原因となっているものもあります。

むくんでいるかどうかを自分で確認する方法としては、足を指で強く押してみる方法があります。白っぽい跡がついてなかなか消えなかったり、くぼみが元に戻らなかったりしたら、それはむくみがある証拠です。靴下のゴムの跡がくっきり残ったり、指輪がきつくなることでむくみに気づくケースもあります。

妊婦の半数以上に発生する「むくみ」

妊娠中は、約60%で脚や指などがむくむとされています[*1]。特に子宮が大きくなる妊娠後期に入ると、脚から心臓へ戻る血流が圧迫されることで脚がむくみやすくなり、今まで履いていた靴がはけなくなるなどの症状があらわれます。また、水分を保持するホルモンが多く分泌されることによって、人によっては手指などにもむくみを感じることもあります。

妊娠後期の急激なむくみに要注意!

Getty logo

妊娠中に見られるむくみの多くは心配のないものですが、むくみの中には何らかの病気が原因として隠れている場合があります。特に妊娠後期に急激なむくみが現れる場合は、病気的なものでないかを確認する必要があります。むくみを生じる病気で注意を要する代表的なものとしては妊娠高血圧症候群が挙げられます。

妊娠高血圧症候群

妊娠中から分娩後(妊娠20週∼分娩後12週)に高血圧になった状態を「妊娠高血圧症候群」といいます。妊婦の10人に1人に起こる症候群[*2]で、特に妊娠34週未満で発症する早発型の場合は重症化しやすいといわれています[*3] 。妊娠高血圧症候群の診断基準は高血圧(またはたんぱく尿も合併)ですが、むくみの症状を伴うことも多くあります。

妊娠高血圧症候群になりやすいのは、もともと高血圧の人のほか、糖尿病や腎臓病などの持病がある人や、40歳以上、双子などの多胎妊娠、初めての妊娠の場合などです。また、以前に妊娠高血圧症候群になった人は再度妊娠高血圧症候群になる可能性があります。

【医師監修】妊娠中毒症って? 妊娠高血圧症候群の影響・症状・治療法

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1278

妊婦さんを苦しめる「妊娠中毒症」は、現在「妊娠高血圧症候群」という呼び名に変更されています。今回は「妊娠高血圧症候群」による母子への影響、症状、治療法についてお伝えします。

【妊娠中のむくみ対策は?】

妊娠中に起こる通常のむくみの場合、生活の中に様々な工夫を取り入れるとむくみの軽減が期待できます。具体的には次のような対策があります。

弾性ストッキングの着用やマッサージがおすすめ

Getty logo

妊娠中は特に脚がむくむことが多いため、長時間立ち仕事を続けると悪化しやすくなります。このため、脚をマッサージしたり、脚を少し高くして寝るのもおすすめです。
また体の左側を下にしたシムス位で寝るといいともいわれています。さらにふだんから弾性ストッキングを履くと、脚に滞留しがちな血液がストッキングの圧力で戻りやすくなります。

しっかり水分をとることも大切

Getty logo

むくみが気になると、つい水分を控えたくなりますが、むしろ1日2ℓ程度の水分をとることによって過剰な水分が体に留まるのを防ぐことができます。高血圧がない限り、塩分摂取の制限はありません。しかし、高血圧がある場合には、医師の指導のもとで塩分摂取量を制限する必要がありますので、個別に相談するようにしてください。

まとめ

妊娠中のむくみや産後のむくみは多くの妊婦さんが経験するトラブルですが、生理的なものとして特別問題のないものと、母体や赤ちゃんに影響を及ぼす病気のサインとして現れるものとを区別する必要があります。妊娠中は、生活の中にむくみ対策を取り入れつつ、もし心配なサインを見つけたときには必ず医師に相談してくださいね。

この記事の監修ドクター
直林奈月先生
赤心堂病院産婦人科勤務(埼玉県川越市)
大学卒業後、太田西ノ内病院、高知大学医学部附属病院、船橋二和病院を経て現職。産科婦人科学会専門医、女性ヘルスケアアドバイザー、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医

(文:大角美由貴/監修:直林奈月先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「プリンシプル産科婦人科学第3版2産科編」(メディカルトリビューン社)p.206
[*2]「病気がみえる 産科」(メディックメディア)p.102
[*3]日本産科婦人科学会「妊娠高血圧症候群」
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=6

日本産婦人科学会/産科婦人科の病気/妊娠高血圧症候群
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=6
日本整形外科学会/手根管症候群
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/carpal_tunnel_syndrome.html
日本成人病予防協会/健康管理情報バックナンバー/01年6月号「気になるからだの危険信号~むくみ~」
http://www.japa.org/kk_jyouhou/01/n0106/index.html

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

関連する投稿


【妊娠3ヶ月】人事への報告はそろそろ?保険の確認もしよう #ワーママへの道

【妊娠3ヶ月】人事への報告はそろそろ?保険の確認もしよう #ワーママへの道

妊娠発覚後、特に働いている方は、どのような手続をしたらいいのかわからず不安を感じるのではないでしょうか?上司の報告はいつすればいいのか、体調不良時どうしたら?など……ワーママ予備軍ならではの疑問にお答えします。今回は妊娠3ヶ月編です!


【医師監修】ベビーローションの選び方・塗り方と人気のベビーローション5選

【医師監修】ベビーローションの選び方・塗り方と人気のベビーローション5選

赤ちゃんの保湿に使うベビーローション。初めて使うときはどんなものを選べばいいのか、どうやって使えばいいのか気になりますね。選び方や使い方の基本を知って、毎日のスキンケアに役立てましょう。人気のベビーローションも紹介します。


【医師監修】おしゃぶりはいつまで使っていい? 歯並びへの影響、上手にやめるコツは?

【医師監修】おしゃぶりはいつまで使っていい? 歯並びへの影響、上手にやめるコツは?

赤ちゃんのぐずりや寝かしつけ時の強い味方になってくれることもある「おしゃぶり」。しかし、いつまで使っていいのか、やめさせどきに悩む人もいるのでは。おしゃぶりはいつまで使っていいのか、やめる時期やその方法などについてまとめました。


【医師監修】おしゃぶりに消毒はいつまで必要? 煮沸・電子レンジ・消毒液の違いと人気アイテム紹介

【医師監修】おしゃぶりに消毒はいつまで必要? 煮沸・電子レンジ・消毒液の違いと人気アイテム紹介

「赤ちゃんがぐずった時、おしゃぶりが活躍した」という経験のある人もいるのでは。日々赤ちゃんが口に入れるものですから、おしゃぶりは清潔にしておきたいですよね。そんなママやパパに向け、おしゃぶりの消毒について、必要なのかどうかやおすすめの期間の目安、方法などを紹介します。


【医師監修】おしゃぶりにはどんな効果があるの? 歯並びへの影響は?人気のおしゃぶり4選

【医師監修】おしゃぶりにはどんな効果があるの? 歯並びへの影響は?人気のおしゃぶり4選

育児のお助けグッズ「おしゃぶり」。しかし、実際にどんな効果があり、どんな時に使えばいいのか、また注意が必要な点について、詳しく知らない人も多いのでは。おしゃぶりの持つ効果や上手な付き合い方などを確認してみましょう。


最新の投稿


離乳食のツナ缶はいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】

離乳食のツナ缶はいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】

ストックがしやすいツナ缶を常備しているご家庭は多いでしょう。もしツナ缶も離乳食に使えたら便利ですよね。今回は赤ちゃんにツナ缶をいつからあげられるか、汁は捨てた方がいいのか、離乳食ではどんな種類を選べばいいのかなどを解説します。中期・後期・完了期の赤ちゃん喜ぶツナ缶レシピも一緒にチェックしてくださいね。


離乳食のいんげん(さやいんげん)はいつから?離乳食レシピ3つ【管理栄養士監修】

離乳食のいんげん(さやいんげん)はいつから?離乳食レシピ3つ【管理栄養士監修】

鮮やかな緑色のいんげんは、離乳食に彩りを添えてくれます。今回は赤ちゃん喜ぶ3つのいんげん離乳食レシピのほか、「冷凍いんげんはそのまま使っていい?」「うんちにそのまま出てきたけど大丈夫?」などの疑問について解説します。


離乳食のなすはいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】

離乳食のなすはいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】

離乳中期以降にオススメの食材「なす」について、赤ちゃんが喜ぶレシピを3つご紹介します。その他、リニュ食を作る際に知っておきたい下処理のコツ、加熱のコツ、焼くレシピでもアク抜きは必要かなどを解説します。


離乳食の3回食はいつから?始め方や進め方など【管理栄養士監修】

離乳食の3回食はいつから?始め方や進め方など【管理栄養士監修】

2回食が順調に進み、落ち着いたら次は3回食に増やしてみましょう。「いつから3回食を始める?」「1回の量も増やしていくの?」などのママの疑問を解説します。


離乳食で2回食の進め方は?献立表や量、よくある悩み【管理栄養士監修】

離乳食で2回食の進め方は?献立表や量、よくある悩み【管理栄養士監修】

1日1回の離乳食をスムーズに食べてくれるようになったら、次のステップは1日2回食。「どんなタイミングで2回に増やす?」「量はどれくらいになる?」というママの疑問を1日の生活スケジュールを提案しながら解決していきます。