【医師監修】出産後に妊娠しやすいのはいつから?妊娠しやすい状況と時期

【医師監修】出産後に妊娠しやすいのはいつから?妊娠しやすい状況と時期

「子供は何人欲しい?」という会話は、多くの新婚カップルがしていることでしょう。それは将来の生活設計に向けて大切なテーマ。「第一子を出産後、すぐに弟や妹を」という希望もあれば、「上の子と少し年齢を離して」との考えも。今回は、「出産後の妊娠」についてお話しします。


出産後のママのからだ

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出産には、たくさんのパワーを使います。何といっても一人の人間を新たにこの世の中へ誕生させるのですから、ママの体の負担は相当なものです。

出産直後は、陣痛の強い痛みから解放され、我が子に会えた喜びで、体のつらさを感じにくくなっていますが、これは俗に言う「産後ハイ」という状態です。ママの体は出産のダメージで疲れ切っているにも関わらず、気持ちが赤ちゃんの方に向いているために、しばらくの間、ママは無理をしてしまいがちです。

ママの心身の回復のためにも、まずは産後に起こるさまざまな変化をよく把握して、無理をしすぎないことが大切です。

産後に増えるホルモン「オキシトシン」と「プロラクチン」

出産すると、女性の体は母乳を分泌する機能が自然に高まります。その仕組みをコントロールしているのが「プロラクチン」と「オキシトシン」いうホルモンです。

オキシトシンには子宮を収縮させる作用があって、産後の子宮回復を促します。また授乳中は、プロラクチンの分泌量が増えて、その影響で月経(以下生理)や排卵が抑制されます。これは産後間もないママがすぐに再び妊娠するのを防いでいるとも考えられます。

子宮の収縮と後陣痛

子宮は、妊娠前に比べて妊娠時は約5倍の高さにまで大きくなり、重さもお産直後には1kg近くにもなりますが、出産後は日に日に収縮し、約6~8週間ほどかけて元の大きさに戻ります[*1]。これを「子宮復古」といいます。また、同時期には「悪露」と呼ばれる血液やリンパ液などが排出されます。

産後2~3日までは、子宮が元の大きさに戻るための収縮の度合いが大きく、授乳をしているときなどに、「後陣痛」という強い生理痛のようなお腹の痛みが起こります。後陣痛を感じた時は、無理をせず横になるなどして、しっかり体を休めましょう。

気持ちの不安定と産後クライシス

出産直後は、体は疲れているけれど、赤ちゃんに会えた喜びと母親になれたことへの幸福感で、何でも頑張れてしまうような高揚感を感じるママもいます。ですがその後、赤ちゃんの世話で睡眠不足やストレスを感じ、精神的に不安定な状態になることもあります。これは出産によって急激に起こるホルモン変動の関係で起こると考えられます。

これに加えて、パパに対する不満や嫌悪感が生じて夫婦仲が悪くなる「産後クライシス」も起こりやすくなります。それによってケンカが増えたり、あるいはセックスレスなどの原因になるとも言われています。妊娠・出産に伴うホルモンの影響による精神面での不調や蓄積された疲労感よる体調不良が続いているせいもあるのですが、実際にこれが原因で夫婦の関係が危機に陥ることもまれとは言えないようです。

産後の授乳中は妊娠しない?

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育児中は、精神的にも身体的にも疲労が強く、ホルモンの影響もあって女性の性欲は低下しがちで、セックスレスになる夫婦も多いと言われています。もちろん、先ほどお話しした産後クライシスも関連してくるでしょう。このような背景があることに加えて、産後しばらくは女性ホルモンの分泌が減ること、授乳中はプロラクチンが分泌されることなどによって卵巣機能が抑えられ、出産してすぐの時期は妊娠しづらい状態と言えます。

しかし、「妊娠しづらい」と言っても、絶対に妊娠しないわけではありません実際に、産後初めての生理が来る前に排卵していて、そのタイミングで妊娠する場合もあります。

また、授乳期間中であっても生理・排卵が起こることも少なくありません。

出産後に妊娠しやすい環境が整う時期

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産後は、排卵の開始時期が予想しにくい

産後1ヶ月の検診のときに異常がなければ夫婦生活の許可が出ることが多いようです。しかし、妊娠しやすい時期を知るための基礎体温の測定も、夜中の授乳や夜泣きで正確なデータがとれません。その結果、排卵がいつ起こっているかわかりにくい状況にあります。

産後の排卵が再開する時期には個人差があります。母乳育児をしていると産後3~4ヶ月後に生理が再開するケースが多いですが、授乳していない場合はそれより早くから生理が再開する傾向にあります[*2]。

回復次第ではセックス・妊娠を避ける必要も

出産時の分娩方法や母親の体の回復の状況によっては、産後のセックスや妊娠をしばらく避けなければならないこともあることを知っておいてください。

例えば、帝王切開で出産した場合は経腟分娩に比べて次の妊娠まで少し多めに時間をとります。また、悪露や子宮復古に異常がある場合や会陰の傷の治りが悪い場合も、セックスを控える期間を長めにとります。

いずれにしても、主治医に相談するといいでしょう。

今後の計画を立てるために考えるべきこと

もし、次の子供の妊娠をすぐには希望しない場合には、必ず避妊するようにしましょう。「生理が再開していないから否認の必要はない」と考えていると、思わぬタイミングで妊娠をしてしまうかもしれません。

また、たとえ「すぐに次の子供がほしい!」と思っていても、産後のママの体は想像以上に大きなダメージを受けているということを忘れないでください。

パパの理解も大切

実際のところ、生まれたばかりの赤ちゃんの世話中心の生活になり、夜も赤ちゃんにかかりっきりというママが多いでしょう。さらに、ホルモンの関係で性欲が湧かなかったり、会陰の痛みや濡れにくさも相まって、妊娠前のようにはセックスに積極的になれないといった問題も出てきます。

パパは産後の状態をしっかり理解して、ママの回復具合を配慮しつつ、徐々に再開できるようにするといいでしょう。

まとめ

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出産後すぐに第二子を授かりたい、次の子は時間をおいてから考えたい、子供は一人で十分など、いろいろな夫婦がいらっしゃることでしょう。必ず希望通りにいくとは限りませんが、産後の体の状態を理解し、ご夫婦で協力し合いながら家族計画を進めていってください。

この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 齊藤英和先生
梅ヶ丘産婦人科勤務、国立成育医療研究センター臨床研究員、神戸元町夢クリニック顧問、浅田レディースクリニック顧問、近畿大学先端技術総合研究所客員教授、1 more baby 応援団理事、ウイメンズヘルスリテラシー協会理事。山形大学医学部卒業後、同大学、国立成育医療研究センターを経て現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖専門医、医学博士

(文:久保秀実/監修:齊藤英和先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「週数別妊婦健診マニュアル」(医学書院)p.279
[*2]「病気がみえる産科」(メディックメディア)p.370

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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