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「リーズナブル」の正しい意味とは? 使い方や言い換え表現を解説【例文付き】

にほんご倶楽部

「リーズナブル」と聞くと、お金にまつわるお得さや安さを連想する人が多いのではないでしょうか。

しかし、実際は価格だけでなく、論理が妥当かどうかを表す言葉。誤用が多い表現でもあるため、正しい意味を理解した上で使用することが大切です。

今回は、「リーズナブル」という言葉について詳しく解説します。

「リーズナブル」の意味

「リーズナブル」は、辞書で次のように紹介されています。

リーズナブル

(1)論理などが妥当なさま。
(2)価格が手ごろなさま。納得できる程度であるさま。「リーズナブルな値段」

(出典:『精選版 日本国語大辞典』小学館)

一般的に浸透しているのは、「値段が安い」「お手頃である」というニュアンスではないでしょうか。

しかし、そもそもは「妥当である」「納得がいく」などの意味合いを持っている言葉なのです。

「リーズナブル」の正しい使い方【例文付き】

「リーズナブル」は、「安い」という意味で使ってしまいがちですが、実際はそのサービスや商品の価値に「納得がいくレベルの価格」である時に使うのが正しい使用方法といえます。

つまり、必ずしも相場よりも安いことを意味するわけではないのです。自分の中でサービスや商品と金額が釣り合っている状況であれば、それは「リーズナブル」という表現にふさわしいでしょう。

また、この言葉は金銭面だけでなく、人に対しても使うことができます

例えば、「リーズナブルな人」とすれば「その人自体が合理的である」といった意味合いで用いることが可能です。あまりなじみのない使い方かもしれませんが、覚えておくと役に立つかもしれません。

例文

・「この物件は最寄り駅を考えると家賃がリーズナブルだった」

・「リーズナブルな料金でさまざまな料理を食べられます」

・「このサービスでこの料金ならリーズナブルだったと思う」

・「あの人はとてもリーズナブルな人だ」

「リーズナブル」を使う時の注意点

「リーズナブル」は、一般的に浸透している表現と正式な言葉の意味が少し異なるため、使用する際はいくつか注意が必要です。以下で詳しく見ていきましょう。

(1)基本的にはお金のことに使うのがベター

「リーズナブル」は、お金以外の人や物、サービス全体にも使用できます

しかし、日本ではあくまでも値段に使う言葉として浸透しているのが現状。そのため、基本的には「価格が安い」「お手頃である」といった金銭面で用いるのがベターでしょう。

前述したように「リーズナブルな人」といった形で用いることも可能ですが、相手に誤用だと思われたり、誤解を招いたりする可能性があるため、使いどころには注意が必要です。

(2)「コストパフォーマンス」との使い分けに注意

「リーズナブル」と似た言葉に「コストパフォーマンス(コスパ)」がありますね。

いわゆる「コスパ」は、支出した費用とそれによって得たサービスや成果の割合を意味する言葉です。一方、「リーズナブル」は、手頃な価格で納得がいく様子を表しています。

そのため、合理性を重視している「リーズナブル」に対して、「コスパ」は安く購入した物の品質が良いといった費用対効果が高いことを重視する違いがあることを覚えておきましょう。

状況や場面に合わせて上手に言葉を使い分けることが大切ですよ。

「リーズナブル」の類語

ここからは、「リーズナブル」を日本語に言い換える場合の類語を3つ紹介します。

ビジネスシーンや目上の人に向けた文書など、シーンによって柔軟に使い分けることで、細かなニュアンスが伝わりやすくなりますよ。

(1)「理にかなっている」

「理にかなっている」は、理屈や道理に合っている様子を意味します。

例えば、「この値段でこのサービスなら理にかなっている」といった、バランスがとれていて納得できる状況での使用が可能です。

お金にまつわるジャンルでも使いやすく、丁寧で重厚な表現ができるでしょう。

(2)「妥当」

「妥当」は、実情によく当てはまっている様子を意味し、「妥当な価格」「妥当な判断だった」といった腑に落ちている値段や状況の時に使います

感情的な部分はさておき、合理的に考えた時にはこの結果が良いと判断できるような場面で用いるのが適しているでしょう。

(3)「納得がいく」

「納得がいく」は「リーズナブル」を分かりやすく表現した言葉です。「この立地なら家賃に納得がいく」など、合理的であり不平不満を感じないことを表せます

ただし、納得がいくかいかないかは、その人によって意見が変わる部分です。そのため、個人の意見を聞かれた時など主観を伝えたいシーンで用いるのが良いでしょう。

「リーズナブル」は妥当である様子を表す言葉

「リーズナブル」は値段の安さだけでなく、サービスや商品の価値に対して合理的な価格であると判断できる時に使います。

自分自身に利益があるかよりも、お互いに納得ができるラインかどうかが重要なポイント。

ただ安価なものにだけ使う表現ではないということを理解した上で、リーズナブルかどうかを判断するようにしてくださいね。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2024年04月12日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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