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「長年」「永年」の違いとは? 使い分け方や類語・対義語まで紹介

にほんご倶楽部

「長年」「永年」をビジネスで使う時の使い方・例文

ではビジネスシーンでは「長年」「永年」をどのように使い分けるべきなのでしょうか。それぞれの使い方と例文を紹介していきます。

ビジネスシーンでの「長年」

ビジネスシーンにおいての「長年」は、誰かが退職する場合、また取引先との取引が終わる場合などに使われることが多いです。

例えば退職は「2010年から2022年まで勤務した」という、入社と退社の期間が明確ですよね。つまり始点と終点の軸がしっかりとあるため「長年」を使用します。

例文

・「長年にわたってお世話になりましたが、本日で退社することになりました」

・「長年にわたるご愛顧、誠にありがとうございました」

・「長年の努力が実り、目標であったプロジェクトが成功しました」

ビジネスシーンにおける「永年」

みなさんは「永年勤続表彰」などという言葉を耳にしたことはありますか? 長く企業に勤めた方に与えられるものですが、「永年」という漢字を使っていますね。

これは「まだまだこれから先も働き続ける」ことを表し、終わりがない状態。つまりビジネスシーンにおいては、これからも働き続ける時や取引を続けることを前提として、今までの時間について述べる時に使います。

例文

・「永年の功績が認められ、会社から表彰されることになりました」

・「今回の結果は、永年にわたる研究の全てです」

・「当社の商品は永年保障となっておりますので、ご安心ください」

「長年」の類語

「長年」「永年」にはどのような類似表現があるのでしょうか。ここでは「長年」「永年」の類語を紹介します。それぞれ使用場面が変わる言葉もありますので、状況を見極めて使用することが大切です。

それではまず「長年」の類語です。

(1)長期間

「長期間」も「長年」と同様にある期日から、他のある期日までの間を意味するフレーズです。「長年」は年単位であることが前提ですが、「長期間」は定められた期間はありません。

例えばビジネスシーンにおいて「大切なプレゼンまで3週間」となった時、その3週間が長く感じるか短く感じるかは、人それぞれですよね。

そのため「長期間」という言葉は、その人が長く感じた期間であれば使うことができます。

(2)多年

「多年」は「長い年月」や「多くの年月」を意味する言葉です。ただこの言葉は1~2年という期間で使われるものではなく、相当前から継続されているものに対して使われます。

そのため、例えば退職シーンでも1~2年で退職される者には使用することはありません。

何十年にもわたって会社に勤務してきた人に対して「多年にわたる会社へのご貢献、本当にありがとうございました」のように使うことが多いです。

「永年」の類語

次に紹介するのは「永年」の類語です。

(1)ずっと

「ずっと」は日常会話でも多用されているため、使ったことがあるという人も多いかと思います。これは「ある状態が長く続くさま」を意味する単語です。同じ状態でいることや、同じ動作をし続けている時に使用します。

未来に向かって同じ時間が続いていくことを示すので、「永年」と似た表現として使うことが可能です。

(2)永遠

「永遠」とは「いつまでも果てしなく続くこと」。「永年」と同じ「永」を使っていることから、時間軸に終わりがない時に使いますので、類似表現であることが分かります。

また「永遠」は「長く続いてほしい」という願望を表すニュアンスが強く、「永遠にこの時間が続けばいいのに……」のような文章として使われることが多いです。

「長年」の対義語

では「長年」「永年」の対義語には、どのようなものがあるでしょうか。まずは「長年」から紹介します。

「長年」の対義語には「短期間」や「数日」などがあります。

どちらも「自分が感じる短い期間」や「大体2~4日程度」のような短い期間を示すものです。そのため、数年単位の長い期間を示す「長年」とは、全く逆の意味だと言えます。

「永年」の対義語

「永年」は終わりのない時間を示すものなので、限りがある時間を表す「有限の時間」という言葉は、対義語にあたるでしょう。

また「刹那」や「一瞬」という、瞬きするほど短い時間を表す単語も、逆の意味で使用できますね。

「長年」と「永年」は期間の違いを理解して使おう

「長年」と「永年」は同じ意味を持ちながらも、示す時間軸が違います。そのため、使い方を間違えてしまうとビジネスマナーとしては不適切に当たってしまうので、注意が必要です。

ぜひ本記事を参考に、ビジネスシーンや日常で役立ててください。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2024年02月28日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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